今回で13回目を迎え、CSからCX重視へと進化するauショップの顧客対応大会をレポート!

KDDIは今年で13回目となる各地域ごとに開催されるauショップスタッフのコンテスト「au CX AWARD 2017」を開催し、宮城県仙台市のウェスティンホテル仙台にて東北大会が2017年8月24日(木)に行われました。

このコンテストは昨年までは「au CS AWARD」という大会名称でしたが、昨今「CS(Customer Satisfaction、顧客満足)」よりも「CX(Customer Experience、顧客経験価値)」が重要と言われる機会が多くなり、KDDIもかねてからCX重視へ転換する意向を示しているため、今年から大会名称が変更されました。

東北大会では東北6県(青森県・秋田県・岩手県・山形県・宮城県・福島県)で各県予選を勝ち抜いたauショップ店員8名が日頃の接客スキルをロールプレイで披露し、グランプリを競うとともに接客のポイントを「まねポイント」情報として来場した他のauショップ店員や代理店社員と共有することで、今後の接客へ生かそうというイベントとなりました。

今回は3位・準グランプリ・グランプリに輝いた方々のロールプレイを中心に、イベントの模様を紹介します。

auCX02囲み取材に答えるKDDIコンシューマ東北支社支社長の若槻肇氏

KDDIコンシューマ東北支社支社長の若槻肇氏は「今回の大会は2004年から始まり、震災の年(2011年)に自粛して13回目の大会となります。昨年まではCS AWARDという名称でしたが、今年はCX AWARDに変更させていただいております。」とはじめ、「私どもKDDIは顧客体験価値創造企業に転換するという企業方針を掲げていますので、CXという言葉を用いた大会を開催しております。」と紹介しました。

また続けて「リアルなチャンネルであるauショップで最高のCX体験を日頃から展開されているショップのみなさんに今回、CXスペシャリストとしてご参加いただき、グランプリを競っていただきます」と今回のイベントの趣旨を説明しました。

また「通信市場は格安の業者さん(MVNO/仮想移動体通信事業者やサブブランドのいわゆる“格安SIM”サービスを提供しているところ)が出てきたり、ライフデザイン、生活領域への進出があったりする中、差別化が難しい状況です。」とし、「商品の差別化は難しい状況で、最高の顧客体験をお客様に感じていただくことで、我々auブランドを選んでいただこうという趣旨がございます。最高峰のロールプレイをしていただき、ご観覧の方(主にauショップ店員・代理店オーナー・社員)もスピリッツやスキルを吸収して学び合いをしていただきたいとも思っております」と説明。

このようにこの大会では、最高の顧客体験をauショップを訪れるユーザーに感じてもらうため、8人の出場者の発表を多くのauショップや代理店オーナーに見てもらい、ショップ独自のさまざまな工夫や、接客スキルの学び合いを行うことがこのイベントの大きな目的です。

一方で、東北地域ならでの接客における特長を伺うと「今は全国組織で動いていますので、大きくは違わないと思いますが、市場性から言いますと、大都市圏よりも東北は流動性が低いのが特長です。心掛け、注力しているのは、店舗のリピーターを増やすことです」とのこと。そのため、他社から乗り換え(MNP)でサービス間を動く人があまり多くない地域ということで、いかにリピーターを増やしてauへの愛着を持ってもらうかがポイントのようです。

auCX03特別審査員でチャックスファミリーの高坂麻紀氏

東北大会では特別審査員として東京ディズニーランドアンバサダーを務め、現在はチャックスファミリー取締役を務める高坂麻紀氏が来場しました。高坂氏は表彰式前の講評で今回の出場者に対して「個性、強みを生かした積極的な接客に感動しました」とロールプレイや発表内容を讃えました。

また「東京ディズニーリゾートでは接客マニュアルは6~7割しか用意しておらず、残りの3~4割はキャストの自分の判断に任せています。この3~4割の部分がCXに該当すると思います。サービスは納得、満足、感動の3つに分かれると言います。期待値に近い『納得』、期待値通りの『満足』ではリピーターになってもらえません。期待値を超えるサービスを受けると『感動』し、そこで初めてリピーターになってもらえます。私は東京ディズニーリゾートのキャストに『インプットをはるかに越えたアウトプットを発揮せよ』と話しています。人間は機械と違って、与えられたこと以上のものを提供できます。今日のたくさんのインプットを自分なりのスタイルでアウトプットして下さい」と来場者のauショップ店員・代理店関係者を激励していました。

auCX043位はauショップ仙台一番町の加賀有子さん(中央)


auCX05穏やかな対応で他社への転出抑止のトークを行う加賀さん

今回は8名のauショップ店員が出場し、ロールプレイで接客スキルを競い合いました。8名全員にはCXスペシャリストバッチが贈呈され、審査員とオブザーバー(KDDI社員、auショップ店員など)によるディスカッション・評価によって、優れた出場者がグランプリ、準グランプリ、3位の表彰を受けます。

3位となったのはauショップ仙台一番町の加賀有子さんです。加賀さんのロールプレイテーマは「解約抑止」。ワイモバイルへの転出を考えているという顧客に対し、「このようにお話させていただく機会はなくなってしまいます。少しだけでもお話できませんか」と話の糸口を作り、その後スマートフォンで撮った写真をフィーチャーフォンで受信できないという顧客の悩みを聞き出した上で、auの簡単に操作できるスマートフォンを紹介。au独自の機種であることからワイモバイルと比較した上での優位性として訴え、その他、料金や故障時の対応など顧客が気にしている項目について、紙に比較表を手書きで書いて、顧客と一緒に確認しながら比較をした上でauスマートフォンへの機種変を促すというものでした。

他の店舗の人にも真似してもらえるようにまとめた「まねポイント」としては「9年もお使いいただき」とか「機種変更を2回もなさっていただき」など、顧客の利用履歴を具体的な数字を出して感謝を述べるということ、そして先述の「お話の機会がなくなる」という顧客のお役に立ちたいという思いを伝える「マジックワード」を用いるということでした。

3位受賞理由としては「他社との比較でお客様視点に立って提案できていた」とのこと。加賀さんは受賞後の挨拶で「これまで店舗側の視点で考えていましたが、今回出場するに当たり、お客様側の視点に気付くことができました」と顧客視点を持つことの大切さを語っていました。

auCX06準グランプリはauショップつがる柏の金澤実季さん(中央)


auCX07津軽弁を駆使し、温かい接客を行う金澤さん

準グランプリに輝いたのはauショップつがる柏の金澤実季さんでした。ロールプレイテーマは固定商材(auひかり)販売。特筆すべきは、金澤さんの津軽弁での温かい応対。それは大会という会場の硬い雰囲気をも和らげました。青森県は津軽弁、南部弁といった方言があり、方言で応対することで顧客との距離が近くなるとのことでした。これはまさに東北ならではの接客スタイルと言えるでしょう。

顧客が携帯電話回線で動画サイトを利用するため、すぐに通信速度制限がかかってしまうという問題を聞き出し、auひかりを「Wi-Fi(ワイファイ)」と言い換えて説明。「光」と言ってしまうとパソコン(PC)でのインターネット通信にしか使えないイメージを与えてしまうので、言い換えているとのこと。

そして固定回線は顧客自身による設定が大変という不安を解消するため、工事が終わったら設定に問題が無いかどうか確認の電話を入れる旨を伝えます。そしてauスマートバリューを使えば携帯電話代が安くなることを説明し、NTTドコモのユーザーである夫のMNPも勧めるという形でロールプレイは終了しました。

審査員からの評価としては「お客様に寄り添い、不安をひとつひとつ丁寧に解消していた」とのこと。金澤さんは表彰後「まさか賞をいただけるとは」と感激されていましたが、先述の津軽弁を使った温かい接客応対と、説明が難しい固定回線商材を、丁寧に顧客の分かる言葉でかみ砕いて説明することの大切さは、多くの来場者に伝わったことと思います。

auCX08グランプリはauショップ山形大野目の衣袋茉里菜さん(中央)


auCX09トロフィーを受け取る衣袋さんの目には感激の涙が


auCX10「ローラ」という“あだ名”の名札を説明する衣袋さん

グランプリに輝いたのはauショップ山形大野目の衣袋茉里菜さんでした。衣袋さんのロールプレイテーマも解約抑止。女性顧客の夫がNTTドコモの契約者で、すでに見積もりももらっていてシェアパックで安くなることを説明されているという状況。転出番号をすぐ出して欲しいという顧客に対し、「すぐにご提案できますので」とauで安くできる方法を説明していきます。

顧客1人では安くなっても、夫と合わせた額がどうなるのかということを他社料金プランと簡単に比較できるシートを用いて説明。さらに2年経たない状況での機種変更を考えていたので、アップグレードプログラムで安く機種変更できることを説明し、解約を阻止していく流れでした。

顧客との話の途中で衣袋さんが自身の本名の名札の下に「ローラ」という名札を付けている話になりました。「いぶくろ」という名字なので「イブサンローラン」から「ローラ」というあだ名を取ったと顧客に説明し、話を和やかな方向に持って行っていました。auショップ山形大野目では、店員全員があだ名を選挙で決めて、あだ名名札をつけているとのこと。顧客との距離を縮められるだけでなく、店員が選挙であだ名を決めることで、ES(従業員満足)向上にもつながったとのことです。

ロールプレイ後のプレゼンテーションで衣袋さんは「ネガティブは提案のチャンス」と語り、auで提案できることを店舗内でのミーティングでロールプレイで固めているとのこと。「ネガティブはお客様の期待であり、期待を信頼に変えることで期待以上の感動を創出できます」と語りました。

また顧客は不満・不安を言い出しづらいので「何かお困りのことはございますか」などとひとつひとつ顧客の不満・不安に耳を傾け、その不満・不安を解決できる提案をしていくことが重要とのことでした。さらに衣袋さんは「CXはさらに当店を好きになっていただくための武器」と捉え、顧客のためにやれることを全部やるという攻めのおもてなしの姿勢が重要だと語りました。

審査員からは「お客様に寄り添った心地良い接客に加え、チームで活動しているのが良かった」とグランプリ受賞理由の説明がありました。あだ名の名札づくりや、店舗内でのミーティングで提案事項を決めていくといったauショップ山形大野目の店員全員で力を合わせている点が大きく評価されました。受賞後感激の涙を流した衣袋さんも「私一人では絶対受賞できなかった」と代理店オーナーや、同僚への感謝の気持ちを語りました。

auCX11CXスペシャリストバッチを受け取った出場者8名

この他、惜しくも3位以上の受賞はなりませんでしたが、出場したauショップいわき小名浜の鷹觜瑞希さん、auショップ東仙台フォレオの宮本梨花さん、auショップ福島西の三瓶亜美さん、auショップ横手中央の竹内千尋さん、auショップ一関の小笠原雄斗さんにCXスペシャリストバッチが贈呈されました。

出場者8名の発表を聞いて感じたのは、顧客の気持ちに寄り添い、最高のCX体験を味わってもらうためには、その場その場のトークも非常に重要ですが、下準備が非常に大事だというところです。グランプリを受賞した衣袋さんの店舗では、店員全員での細かい取り組みを積み重ねていました。

この他、顧客の利用状況が分かるデータもより良い提案しやすいようなシートに作り変えているなどの工夫をしている発表も複数名で見られました。また、店舗のレイアウトや、受付票を出す機械に詳しい説明を加えるなど、より親しみやすく、顧客にとって分かりやすく利用しやすい店舗にする工夫も多くの出場者から聞かれました。

MVNOの勢力が広がり、携帯電話以外の商材やサービスも増え、携帯電話キャリアショップ店員に求められるスキルは複雑多岐にわたる難しい時代となりました。ともすれば「押し売り」「セールス」感が出てしまうという難しい販売現場です。そんな中で顧客にとって最高のCX体験を実現するには、代理店やショップ店員が一丸となり、地道で細かい準備を積み重ねることが重要です。こうした活動を通して、各ショップがより良い販売のあり方を考え、多くのショップで顧客が最高のCX体験をできるようになることを期待します。



記事執筆:こば


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