起死回生図るサムスン電子の最新スマホ「Galaxy Note 8」で盛り上がる韓国を訪問!

既報通り、Galaxyブランドでスマートフォン(スマホ)などの製品を展開するサムスン電子が2017年8月23日に米国・ニューヨークで新製品発表会「Unpacked 2017」を開催し、本体に内蔵可能なスタイラスペン「S Pen」が売りとなっている大型スマホ(いわゆる「ファブレット」)シリーズ「Galaxy Note」シリーズの最新作「Galaxy Note8」を発表しました。

Galaxy Note 8は日本国内でも今年5月に発売された「Galaxy S8+」の6.2インチをも上回る6.3インチのQuad HD+(1440×2960ドット)Super AMOLED(有機EL)ディスプレイを搭載。また、Galaxy S8+と同様に画面のアスペクト比が18.5対9と、一般的な16対9と比べて縦長な狭額縁ディスプレイ「Infinity Display」も継承されています。

発表前夜から約1週間の期間、偶然にも筆者はサムスン電子にとっての本国である韓国に滞在し、同社としても史上最大規模となるタッチ&トライイベントなど、Galaxyシリーズが強いお膝元ならではの盛り上がりを目の当たりにしてきました。

そこで今回は、発表会後のタッチ&トライによる写真レポートがすでに掲載されていますが、日本での発売も是非期待したい!そんなGalaxy Note8を韓国でひと足先に思う存分体験してきたので、盛り上がるイベント会場の様子も含めてご紹介します。

【発表翌日から実機展示が始まっていたプサンの旗艦店】

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Galaxy Note8の展示手法はおおよそ統一されている

日本および韓国の標準時(GMT+9)では発表会のUnpacked 2017が深夜に開催されましたが、筆者はその時点では韓国南部にあるプサンに滞在していた。そのため、夜が明けた翌24日に、さっそくプサンにあるサムスン電子の旗艦店「Samsung Digital Plaza Busan Main Branch」を開店直後に訪問しました。

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サムスン電子の旗艦店の隣にはLGのショップが展開


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平日の開店直後とあってか、Galaxy Note8発表直後という割には来客はまばら

同店舗はプサンで最も栄えている繁華街「西面(ソミョン)」から歩いて約15分ほどの距離に立地しており、バスを利用すればすぐ近くまでたどり着けますが、地下鉄のみでは若干不便な場所にあります。なお、隣にはLG電子(以下、LG)の大型旗艦店も展開しており、まさしく“激戦区”といったところです。

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Galaxy Note8の新色として登場した「Deepsea Blue」


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持った印象は「ノート」というより「板」の感覚

韓国での発売が9月15日以降になることもあって、実機の展示はすぐにはないだろうと予想しつつ訪問すると、予想に反してたくさんのGalaxy Note8の実機が展示されていました。

Galaxy Note8ではパット見では既存の「Galaxy S8」シリーズと共通した外観をしつつも、側面を平らにしたことによって、その触感は大きくことなっています。これにより、6.3インチもの大画面でありつつも、実際に握ってみると先述した側面がうまく手に食い込んでいい感じにフィットするのです。

そのため、大画面スマホ特有の持ちにくさはかなり軽減されていると感じました。筆者はGalaxy S8とGalaxy S8+の双方を所持していますが、触感の点で言ってもGalaxy Note8の圧勝だと言い切れるほどハイレベルです。日本での発売が発表された際にはぜひチェックしていただきたいポイントです。

【大規模なターミナル駅構内でも堂々たる立地に体験ブースが!】

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東大邸駅の構内に設置されたタッチアンドトライブース

続いて、韓国第3の都市と言われている「大邸(テグ)」。そのテグの中でも最大の規模を誇っている東大邸(トンテグ)駅の駅構内でも大規模なタッチアンドトライブースを発見。

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熱心にGalaxy Note8を試す韓国の消費者

韓国の高速鉄道「KTX」の停車駅にもなっている同駅ですが、支払済エリア内(信用改札制度を採用しているので改札がない)のコンコースにあったブースには多くの人が足を止めていました。各什器ごとに説明員も数多く配置しており、サムスン電子のGalaxy Note8への意気込みを感じます。

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Galaxy Note8用の純正ケースも展示

また東大邸駅のブースでは、一部のGalaxy Note8用純正ケースが展示されており、なんとそのうちの1つには実機が入った状態でした。なお、純正ケースのラインナップはおおよそGalaxy S8シリーズ向けと同じものとなっています。

スマホを購入するとなると、ケースやカバー、保護フィルムなどの購入を検討される方も多いかと思いますが、さすが純正品だけあって質感や加工精度はどの製品もしっかりとした印象を受けました。

ただし、一番人気になりそうな手帳型のケースは左利きの筆者にとってはかなり扱いにくい印象を持ちました。筆者としては左利き向けの手帳ケースも1つでいいのでラインナップに入れていただきたいところです。

【首都・ソウルの本社に併設された店舗の力の入れ方がヤバイ】

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地上にあるSamsung d'lightの出入り口


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1階、2階はショールームになっている


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店内の装飾は、まさしく“Galaxy Note8”一色に

さらにソウルメトロのカンナム駅に直結しているサムスン電子の旗艦店舗「Samsung d'light」を訪問。もちろん、ここでも当然のようにGalaxy Note8が展示されているわけですが、驚いたのは店頭の雰囲気です。

まるで“お祭り”かなのかのように全体のPOPがGalaxy Note8一色に染まっており、実機展示の数も凄まじいものでした。訪れていた人も自国が誇る大企業の最新作というだけあってか、興味深げに実機を試している印象でした。

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Galaxy Note8用のカバーも多数展示


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サムスン電子製品のアクセサリーがずらりと並ぶもGalaxy Note8用は買えず

こちらの店舗ではさっそく専用の装飾でディスプレイされた状態でGalaxy Note8用のカバーが多数展示されていました。この光景を見て「もしかして、買えるのでは?」と思い、店員に確認したところ、残念ながら本体発売の時期にならないと販売されないと一蹴されてしまいました。

Galaxyシリーズのカバーとして非常に特色的なキーボードカバーは、今回も健在。今までの製品では、残念ながら日本語入力はできませんでしたが、今回は果たしてできるのでしょうか。期待したいところです。

【80ヶ所で展開する「過去最大級」の体験ゾーンから見える本気度】

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「スマホ1つでここまでやるか!?」と感じるほどの店舗

サムスン電子は韓国全土の約80ヶ所のスポットにおいてGalaxy Note8の実機を試せるタッチアンドトライイベント「Galaxy Studio」を8月26日から9月15日にかけて運営しており、その中の一つを訪問しました。率直に言って、「ここまでやるか」と言った感想を持つほどに外装・内装ともにこだわっており、Galaxy Note8に対する自信や期待が手に取るように伝わってきます。

筆者は訪れたのはソウルの観光地にもなっている新沙(シンサ)の店舗。この時は休日の昼過ぎの時間帯であったこともあって、多くの消費者が訪れており、ここに関しては残念ながら実機をゆっくり試せる環境にはありませんでした。すべての会場でここまで作り込まれているわけではありませんが、少なくとも大邸の繁華街でも同様の外装をした会場を目にしているので、ある程度の数は同様な作り込みをしているのは間違いないでしょう。

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もちろんGalaxy Note8を試そうと多くの消費者が訪れていた


DSC02224柱にも余すところなく広告が掲載されていた


【汚名返上をかけて全力を注ぐ「Galaxy Note8」に期待したい】
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失墜した信頼を取り戻せるかが大きな鍵だ

サムスン電子は前機種「Galaxy Note7」がバッテリーセルの不具合に起因した多数の発火事故を起こし、結果としてリコールを全世界単位で行う事態となりました。初期対応の甘さもあってか世界規模で見ても信頼は失墜し、「製品の安全性」には特に五月蝿い日本のマスメディアでもこういう時に限っては大々的に報道されました。サムスンをよく知らない一般の消費者にとっては、その悪夢の印象が取り付いてしまったと言う事実は間違いありません。

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悪夢は2度と起こらないと信じたい



サムスンはGalaxy S8シリーズより、品質管理をさらに徹底している

Galaxy Note7の回収後、サムスン電子では同様の事故の再発防止のためにさらに厳しい品質基準を部品を供給するサプライヤーに課しており、すでに日本でも発売されているGalaxy S8やGalaxy S8+も発売から半年が経とうとしている今日においても特に大きな事故は報告されていません。通常通りであれば、日本でも発売が期待されるGalaxy Note8でもGalaxy S8シリーズと同様に恐らくは製品に欠陥が見つかるとは考えにくいと筆者は考えています。

信頼は築くのには長い年月を要しますが、失うのは一瞬なのは人生も企業も同じです。Galaxy Note8は前作で起こした失敗を教訓として安全対策は万全に整えた上で、前作の良さやGalaxy S8シリーズの特徴を融合させたまさしく「サムスンらしさ全部入り」のデバイスだと言えるでしょう。筆者としては、特に大きな事故も起きることなく、やはり早期の日本市場への投入に期待したいところです。

記事執筆:雪華


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