ウェアラブルカメラや信頼性の高いメモリーカードなどが展示されていたトランセンドブースをレポート!

日本最大のIT関連の総合イベント「2019 Japan IT week 春」(主催:リードエグジビジョンジャパン)。毎年、東京・お台場にある東京ビッグサイトにて行われている同イベントですが、今年は2020年開催の東京オリンピックの準備による施設改修によって東館が使えなくなっているため4月10~12日の3日間に前期、5月8日~10日に後期の2回に分けて開催されました。

本記事ではSDカードやハードディスク、SSDなどのさまざまなストレージ機器を多数開発・販売しているトランセンドのブースにてスマートフォン(スマホ)やタブレット端末と連携して利用可能な新型のウェアラブルカメラ「DrivePro Body 60」や工業用途向に向けの高い信頼性を持つというSLCモードを採用したmicroSDカードなどが展示されていたトランセンドのブースを紹介します。

【カメラユニットが独立したウェアラブルカメラ「DrivePro Body 60」】
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DrivePro Body 60

DrivePro Body 60はトランセンドが開発したウェアラブルカメラ「DrivePro」シリーズの最新モデルで、従来製品の「DrivePro Body 30」との大きな違いはカメラユニットが本体から分離した点です。なお、カメラユニットと本体は有線で接続します。

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DrivePro Body 60の製品概要


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カメラは前モデルから引き続きソニー製の高感度CMOSイメージセンサーの「Exmor」センサーを採用している


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ブース内に展示されていた先代モデルの「DrivePro Body30」はカメラ一体型

またDrivePro Body 30では主に胸ポケットへ入れての撮影を想定していましたが、本モデルではカメラ部分をクリップで任意の場所に留めたり、ヘルメットの上部に両面テープなどで固定することで、スポーツでの利用や車載動画の撮影などもできるようになりました。

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カメラが独立してさらに使いやすく

AndroidおよびiPhone、iPadといったのスマートフォン(スマホ)やタブレットに対応した専用アプリが配布されており、アプリから簡単に無線LAN(Wi-Fi)で本機と接続が可能で、録画だけでなくライブカメラとしても利用可能で、ユーザーのアイデア次第でさまざまなシーンでの活用ができそうです。

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専用アプリから簡単にスマホなどと接続できる

販売価格についてはオープンプライスで、法人向け機器としてのみ販売されていることから、一般ユーザーには入手のハードルが非常に高いアイテムではあります。

国内のECサイトなどでは現在(一般向けには)販売しているところはありませんが、海外のECサイトなどでは500ドル前後で販売されているので、興味のある方は是非、チェックしてみてください。筆者も欲しいので、コンシューマ向けにも売って欲しいところです。

【SLCモードのmicroSDカード】
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TLC NANDのメモリーカードをSLC NANDのように動作させるSDカードって?

スマホやタブレット、PCなどに利用しているメモリーカード(NAND方式のフラッシュメモリ)には複数の記録(データの書き込み)方式があり、最も信頼性が高く、書き換え速度や寿命が長いが、容量単価の高いものを「SLC」(シングルレベルセル)です。

そこから「MLC」(マルチレベルセル)や「TLC」(トリプルレベルセル)の順に容量単価に優れる代わりに書き換え回数(寿命)や速度などに劣る方式となっていき、現在はさらに容量単価に勝る代わりに速度や寿命が劣る「QLC」(クアッドレベルセル)もあります。

かなりざっくりとした説明になってしまいますが、つまりSLC>MLC>TLCの順に容量当たりの価格が高い代わりに高信頼性のものとなるということいなります。

今回展示されていたSLCモードのメモリーカードはこれまたざっくりとした説明ですが、複数のTLC NANDを束ねて1つのSLC NANDのように動作させるといったものです。

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SLCモードの概要

これにより、メモリーカードとして利用できる保存データ量は下がるものの、TLC方式のストレージでも、長い書き換え寿命に高い信頼性(エラーが少ない)を得ることができ、組み込み機器などの産業用途に強いメモリーカードとして通常のSLC方式のメモリーカードよりは安価に導入することができます。

純粋なSLC方式のメモリーカードは通常のSLC方式の4GB SDカードで大体7,000円~8,000円前後と非常に高価である一方、今回展示されているSLCモード動作のmicroSDカードは4GBのもので、4,000円前後とコストパフォーマンスの面においても大きいメリットがあります。

一般向け用途としては容量も現時点では4GBが最大容量と少なく、書き換え寿命などの点から見ても過剰な性能ではありますが、法人向け用途としての需要は確かにあるものです。

これがこの先、16GBや32GBのものが出てくればドライブレコーダー用の高耐久ストレージとしても活用できますし、早い書き込み速度を活かしてスマホやタブレットでの動画撮影用の追加ストレージとしても期待できるのではないかと思います。

まだまだ出始めですが、こちらもこれからが楽しみなアイテムになりそうですね!

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トランセンドのブースでは今回紹介したもの以外にも様々なストレージのサンプルなどが展示されていました




記事執筆:河童丸


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