01
ATOK Padで快適日本語入力

2010年9月22日(水)に発売された、iPhone用ATOK Padを紹介します。果たしてATOK Padとは一体どんなアプリなのでしょうか?!

ATOK Padとは?

02
ATOK Padは、メモと日本語入力システムのATOKを組み合わせたアプリ構成となっています。

メモは「書く・編集する・保存する・連携する」に特化されたシンプルなものです。標準のメモについている検索機能はありません。

連携機能
03
外部へのエクスポート機能は、メール、SMS、Twitter、Evernote、クリップボードに対応しています。
04
また、iPhoneをシェイクするとエクスポートメニュー(クリップボード以外)を呼び出す事が出来ます。


iOS4との日本語入力の違い

iOS4標準の漢字変換は、辞書の充実でかなり使いやすくなりました。さて、ATOK Padの日本語入力はどうでしょうか?

入力は正確に
iOS4は、濁点や小文字を省略し入力をする事が出来ます。例えば「除菌」と入力する場合、「しよきん」と入力すると候補が出てきますが、ATOK Padは正確に「じょきん」と入力する必要があります。但し、「しよ」の次の文字「き」を入力するまでは、「ょ」の可能性を考慮して「しょ」や「じょ」を含む候補も表示する様になっている様です。
05
ATOK Padの方が正当派なのですが、iPhone方式に慣れている場合は若干面倒に感じるかも知れません。

人名や名詞は?
iOS4は、人名などの辞書が強化され、候補から一発選択出来る様になりました。ATOK Padは現状では、人名などが弱く、例えば「菅直人」が候補に出てきませんでした。
06
携帯端末は、よりパーソナルな使い方をする傾向にあると思いますので、ニュースになる様なホットワードは標準でサポートして欲しいところです。

候補選択
iOS4の推測入力候補の表示は、入力した文章の真下に表示され状況が分かりやすい反面、キーボードと候補の位置までの指の移動ロスも大きく、候補自体が小さいため意図しない語句を選択してしまうこともあります。
07
対する、ATOK Padは、キーボードの上に候補が表示されるオーソドックスなスタイルで候補選択の指の移動に無駄がありません。候補表示も大きくタッチしやすいと感じました。

入力位置の調整
iOS4で文字編集を行う場合、拡大表示を駆使してカーソル位置を決定する仕様ですが、指を離すタイミングで位置が決定される為カーソル位置がズレる事が良くあります。結構気を使う部分です。
08
ATOK Padは、テンキーの「→」をカーソルを移動させたい方向へフリック(フリックしたままでカーソルを連続移動させる事も可能)で、任意の方向へカーソルを移動させることが出来ます。QWERTYキーボードの場合はCtrlキーを押せばカーソルキーが表示されます。


追加された2つの日本語入力方法

日本語入力は、通常のフリック入力に加えて、独自のリボルバータッチ入力やダブルトリガー入力も用意されています。

リボルバータッチ入力
リボルバータッチ入力は、円に配置された「あいうえお(フリックする方向は、左、左斜め上、上、右斜め上、右の5方向)」と「濁点・小文字」をフリックもしくは2タップで入力します。必要最小限の指の移動だけで入力出来ます。
入力したい文字が、濁点付きもしくは小文字の場合はまずこの属性を先に設定してから文字を選びます。
09
例えば、「が」を入力する場合は、「か」キーを「↓」にフリックしてまた、「か」の位置もしくは「←」へフリックします。
半濁点の付いた「ぷ」を入力する場合は、「は」キーを「↓↓」と2回フリックして「↑」へフリックします。一筆書きで書くイメージで入力すると上手く行きます。
また、表示される円を1回転、2回転する様に指を動かすことで、濁点付き文字や小文字に表示を切り替えることも出来ます。

ダブルトリガー入力
ダブルトリガー入力は、入力したい文字の行を左手で選んで、右手で文字を指定します。
10
母音を選ぶ左手の方向さえマスターしてしまえば、右側の文字を選ぶだけでダイレクトに文字入力を出来るようになります。メリットは、「ああああ」など同じ文字の重ね打ちが出来ることです。
ただし、慣れるまでかなり「脳」を使う独特の入力方法です。


細やかなキーへの配慮

テンキーには、undo・redoキーやフリックで動作するカーソルキーがあり、変換時の操作ミスのからの復帰や、カーソルキーを使った細やかな文節の調整が出来る様になっています。
11
意図しない連文節変換候補が表示された場合は「次候補(スペース)」キーを「↑」にフリックして「変換」を呼び出します。変換中は文字タッチ操作やカーソルキーで文節調整をして正しい文字に確定します。

QWERTYキーボードのCtrlキーには、同じくundo・redo、貼り付け、辞書登録など様々な機能が割り当てられています。
12
特に独立したカーソルキーは編集作業に役立ちます。

また、設定で使うキーを縦持ち・横持ちそれぞれに設定出来るので、例えば横持ちの時はテンキーを表示せずにQWERTYキー専用にする事も出来ます。。
この機能を利用して、縦持ちはテンキーで日本語と数字を、横持ちはQWERTYキーボードで英字を入力・・・と、iPhoneの向きで入力方法を切り替えると言う使い方も出来ます。。


便利機能

充実の顔文字
テンキーの文字切り替えキー(かな、数字、英字)をフリックすると絵文字や顔文字入力に切り替えることが出来ます。
13

文字切り替えキーを上にフリックすると絵文字入力に切り替わります。
14
豊富な絵文字から目的の絵文字が選択し易くなる様、カテゴリー別にまとめられています。一番左の時計アイコンは入力履歴が表示され、よく使う絵文字はここから選ぶ事が出来ます。

同じく、右にフリックすると顔文字入力に切り替わります。
15
分かりやすく表情別にまとめられているます。こちらも時計アイコンの中は入力履歴となっています。
様々な顔文字、AA(アスキーアート)が収録されています。

下にフリックすると、記号入力となります。
16
こちらも、カテゴリー別にまとめられていて便利です。
17
また、それぞれ選択領域を上にフリックすると、一覧表示に切り替わります。

フォント選択
18
日本語フォントはヒラギノ角ゴシック固定ですが、英文字フォントは変更が可能です。また、右側の数字はフォントサイズとなっています。

辞書インポート機能
ATOK Padには、Windows・MacのATOKの辞書をインポート機能するが用意されています。
PC版ATOKからエクスポートした辞書をiTunes経由でiPhoneへ転送し、ATOK Padでインポートします。
19
使い慣れたPC版ATOKの辞書インポートすれば、更に入力し易くなります。


まとめ

日本語入力のキー操作などの使い勝手がよく、標準の日本語入力として使えれば・・・と思ってしまいます。
インポートされるユーザー辞書の中身は、簡単なファイルなのでユーザー間の辞書データの共有なども今後出てくるのではないでしょうか。

今後のサービスにも期待
ジャストシステムはATOK Padの開発者向け情報を公開しています。今後の対応アプリの充実に期待したいところです。
20
また、日本語入力がより快適になる様、PC版ATOKの様な辞書の更新サービスも行って欲しいものです。

記事執筆:mi2_303



アプリ名:ATOK Pad
価格:¥1,200
カテゴリ:仕事効率化
開発者:JUSTSYSTEMS CORPORATION
バージョン:1.0.0
App Store:http://itunes.apple.com/jp/app/atok-pad/id390360999?mt=8

■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter