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冗談のような本気のカメラ機能強化キット!

ちょっと笑ってしまうようなジョークアイテムから実用的なものまで、ケータイやスマートフォンの奇妙で面白い周辺機器を紹介するコーナー「キワモノガジェット通信」。第8回の今回ご紹介するのは、iPhone 4のカメラ機能を物理的に光学式の望遠カメラにしてしまう「iPhone 4用 望遠レンズキット」です。

iPhone(iOS)用のカメラアプリは数え切れないほど存在し、もはやiPhoneのカメラで出来ない事は無いのではないかと思えるほどですが、そんなiPhoneのカメラにも唯一絶対に不可能な事があります。それは光学式の望遠撮影機能です。

カメラを愛用している人なら一度は感じた事があると思いますが、やはりカメラには光学ズームや望遠撮影機能が欲しいもの。無理だろうとは分かっていても、ケータイやスマホのカメラにもそれを期待してしまうものです。(一部のケータイなどには光学ズーム機能が搭載されています。)

そんなカメラファンの願いを叶えてくれるのがこのキットで、思った以上に本格的な内容でした。

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レンズだけではなく、三脚キットも入っているのがなかなか親切。


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同梱品一覧。レンズは専用ジャケットに装着して使う。

キットの内容は、iPhone 4専用ケースにレンズ、三脚、三脚固定用ホルダーです。iPhone 4専用ケースはシリコン加工が施してあり、サラサラとした手触りがなかなか気持ち良いです。

レンズはこのケースに装着する形となっており、その巨大なサイズもあり、装着時の見た目のインパクトは絶大です。まさに「これから写真を撮るぞ!」という意気込みを感じさせる見た目です。

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物凄いインパクト。ちょっと笑ってしまった。

三脚と三脚固定用ホルダーの使い勝手もそれなりに良く、慣れてしまうと簡単に装着出来ます。ただ三脚の作りが非常に安っぽく、出来るならもう少し質の良いものに交換して使った方が良いかもしれません。

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実用性にはほぼ問題は無いものの、この三脚の安っぽさは少々残念。


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デジタル一眼用の高価な三脚に取り付けてみた。…これは少々やり過ぎか。

面白い機能としては、専用ケースの中央部分が開くようになっていて、45度程度の角度でiPhone 4を立てかけられるようになっている点があります。

ただ写真を撮るだけではなく、撮った後に鑑賞し易いようにこういったギミックがあるのはなかなか素晴らしいと思います。

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望遠レンズを使用しない時も、普通に保護ケースとして便利に使えそうだ。



それでは望遠レンズによる作例を見てみましょう。

条件は望遠レンズ無しと望遠レンズありでiPhone 4の標準カメラ機能を用いて同じ場所を撮影し、それぞれの画像を960×720ドットにリサイズ、若干のアンシャープマスクを施しています。

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望遠レンズなし撮影その1。映りもよく問題はない。


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望遠レンズあり撮影その1。ピント合わせが難しく、糸巻き型歪みも盛大に発生している。


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望遠レンズなし撮影その2。こちらも画質には問題なし。


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望遠レンズあり撮影。今回は比較的上手にピントを合わせられた。やはり糸巻き型歪みが発生している。

望遠レンズは手動によるピント合わせが必須なのですが、iPhone 4の画面を見ながらのピント合わせは想像以上に難しく、なかなか思ったようには合わせられませんでした。

また8倍ズームともなると手ブレの影響が非常に強く出てしまい、物理的な手ブレ補正機能を備えていないiPhone 4では、このレンズを使用した手持ち撮影はかなりの困難を擁します。

リサイズした縮小画像ではあまり望遠の効果を実感出来ないので、撮影した写真から等倍で切り出した比較写真を掲載します。(2枚の写真はどちらも「その2」の写真の中心部分をトリミングしたものです。)

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望遠レンズが無いと観賞植物の名前が書かれた札の文字は等倍でも読む事が出来ない。


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望遠レンズありだと、ここまで大きくはっきりと写す事が出来る。

上記画像の通り、望遠レンズの効果は絶大です。デジタルズームではここまでクリアな画像は得られないでしょう。

とは言え、レンズそのものの性能はあまり高くなく、F値こそ1.1と非常に明るいですがピントの合う位置がレンズの中心部分に限られてしまい、画面周辺では盛大にピンボケと色収差が発生しています。また強い糸巻き型収差も扱いが難しいところです。

このレンズキットのシリーズには、望遠レンズの他にも魚眼レンズタイプやマクロ&ワイド撮影が楽しめるタイプのものがある為、iPhone 4のカメラで面白い写真を撮りたいなら、魚眼レンズのキットなどを購入した方がより楽しめるかもしれません。(望遠ではないので手持ち撮影も比較的楽だと思われます。)



このレンズキットの醍醐味は、iPhone 4に無理矢理光学式望遠レンズを取り付けてしまったという点です。筆者的にはこういった強引な手法は大好きなのですが、実売4,000円程度もするこの商品に、果たしてどれだけの人が魅力を感じてくれるのか…。

iPhone 4のカメラ性能の限界にチャレンジしてみたい方は、お1つ如何でしょうか。少なくとも宴会のネタ程度には遊べます♪

この商品のキワモノ度:★★★★
この商品の実用度:★
キワモノガジェット合計点:★★★★★


記事執筆:あるかでぃあ


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