VIDEOストアの秘密に迫る! |
NTTドコモがspモードの「dマーケット」内で展開している「dマーケットVIDEOストア powered by BeeTV」は、iモードケータイでの人気コンテンツ「BeeTV」はもとより、国内外の映画、ドラマ、ミュージッククリップなど約5,000タイトル・2万エピソードの動画が月額525円で楽しみ放題、というサービスです。個人的にも開始当初からのBeeTVユーザーだったのですが、BeeTVに210円プラスするだけで楽しめる動画が増える、という理由から、最近、iモードのBeeTVから乗り換えました。
昨今、スマートフォンを筆頭に様々なネットワークデバイスで楽しむことができる動画配信サービスは花盛り、ライバルも急増する中、「dマーケット VIDEOストア Powered by BeeTV」は、どのような特色を持っているのでしょうか?
ちょっとでも気になったら、どうしても聞いて見たくなる筆者は、早速、dマーケット VIDEOストアを運営しているエイベックス通信放送株式会社に行ってあれこれ伺ってきました。
今回、筆者の質問に色々答えて下さったのは、エイベックス通信放送の取締役事業編成戦略本部 事業戦略室長の村本理恵子さん。
村本理恵子さんは、「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」の中の人でも、とびきりの偉い人なので、早速、いろいろと伺ってみました(以下、敬称略)。
筆者:BeeTV(月額315円)にさらに210円プラスするだけで、楽しめる動画の本数がかなり広がってオトク感がありますが、安価に提供できる秘訣はどこにあるのでしょうか?
村本:特に秘密はありませんね(笑)。ただ、元々、iモードやspモードのBeeTVだけで約200万の会員がいますので、それをベースに考えると、会員数の伸びがさらに見込めますので、そのスケールメリットですね。
筆者:会員数の伸び、と言いますと、BeeTVよりも早いのでしょうか?
村本:開始から約5ヶ月で100万契約を突破と、非常に好調ですね。
筆者:VIDEOストアのコンテンツの特徴やコンテンツを揃える上での工夫を教えて下さい。
村本:動画は「映画」、「テレビ」、「BeeTVオリジナル」、「音楽」と大きく分類しています。 さらに「映画」は、洋画、邦画、アジア映画、アニメと分かれています。テレビは海外ドラマ(欧米のものが中心)、国内ドラマ、韓国ドラマ、アニメといったように細かく分けて幅を広くしてわかりやすくしています。音楽は、ミュージックビデオ、カラオケ、ライヴ映像まで揃えています。
筆者:ミュージックビデオなど、音楽関連の動画はエイベックスのものだけですか?
村本:いいえ。他社さんからリリースされるものも豊富に取りそろえています。
■1万タイトルを目指して更にコンテンツを拡大中
筆者:VIDEOストアでの 動画の人気ジャンルはどういったものでしょうか?
村本:利用者の年代によって傾向は異なるのですが、やはり映画です。4ジャンルで言うと、映画とドラマが概ね半分、BeeTVオリジナルと音楽が半分ぐらいですね。
筆者:映画の中だと、特に人気のジャンルはあるんですか?
村本:「洋画」が人気ですね。特に欧米の映画が人気を集めています。
筆者:先ほど「年代によって傾向が」というお話しがありましたが、例えば10代・20代のユーザーさんは音楽を多く視聴されるといった傾向でしょうか?
村本:そうですね。10代・20代の方は音楽の利用が多くなっています。
筆者:30代以上の方では、映画の視聴が中心となっているということなのでしょうか?
村本:そうですが、30代以上の女性の方には、テレビカテゴリーの韓国ドラマも人気です。 韓流ブームの影響もまだありますしね。
筆者:現在、約5,000タイトルを揃えているVIDEOストアですが、今後何タイトルまで増やすおつもりでしょうか?
村本:当面は倍の1万タイトルが目標ですね(笑)。ジャンルの偏りなく増やしていきたいと考えています。
筆者:1万タイトルはいつ頃までに達成できそうなんでしょうか?
村本 :権利元との交渉次第ですが、できるだけ早く実現します。
■若い人から年配の人まで楽しんでいるdマーケット VIDEOストア
筆者:VIDEOストアのベースとなるBeeTVでは若者向けに特化していたイメージが強いのですが、今後のVIDEOストア拡大にあたって、どのようなジャンルを拡充していく方針ですか?
村本:確かにBeeTVでは、若い方が中心でしたが、VIDEOストアは、我々の想像以上に、より広範囲な年齢層の方に楽しんでいただいています。ですので、それに対応して進めています。例えば、エルダー層に向けて、この5月から過去の名作映画コンテンツを拡充し始めました。また、先ほども言ったとおり、10代・20代の方には音楽が人気なので、ミュージッククリップを中心に、更にコンテンツを充実させるように取り組んでいます。
■「動画との『出会い』が楽しいdマーケット VIDEOストア
筆者:VIDEOストアのようなサービスは若い人が、と思っていたので正直意外です。利用者の男女比に差はあるのでしょうか?
村本:限りなく50:50ですね。女性の方にも多く使っていただいています。
筆者:VIDEOストアは、動画の検索にも特徴がありますよね。個人的にはタグ検索がツボにはまって面白いタグをたどって、次々に動画を見るということがよくあります。
村本:動画には全てタグを振りました。ただタグを振っても面白みがないので、面白い言葉を使ったタグも用意して、興味を引くように工夫しています。タグ検索を表示させた状態で“SHAKE”(シェイク)すると、偶然に作品と出会えるという感じをより楽しめます。
ここで、SHAKEについて説明しておきましょう。
SHAKEとは、その名の通り、端末を左右に振ることで、検索結果で表示されている動画の中からランダムに動画をピックアップできる機能です。
このSHAKE をつかうことで、VIDEOストアのテーマのひとつである「動画との『出会い』」を演出します。インタビューの中にもある、面白いタグ付けも、「動画との『出会い』」を促すための工夫です。
例えば、ある動画にたどり着いて、「ギラギラな男たち」、というタグが気になり、タップします(写真=左)。すると、同じタグが付いた動画が、VisualView表示されます(写真=中)。このVisualViewは、その動画のジャケット絵を表示するものです。ここで「ジャケット買い」ならぬ「ジャケット見」も可能なのですが、表示中に端末を左右にふることで、そこに表示されているジャケットのどれかが「偶然」前面に表示されて(写真=右)、それを楽しんでみる、という使い方ができるのです。
筆者:タグ付けは、どこに気を配って面白さを演出しているのでしょうか?
村本:例えば、映画であれば、その「おもしろい」と思える切り口は様々あると思うんです。ハラハラする部分であったり、ヘビーな世界観であったり。そのような様々な観点から関連する動画と「出会える」を促進するように(意図)しています。ひとつの動画につき、10個程度はタグが付いています。
筆者:現在、タグはVIDEOストア側でつけられていますが、ユーザーがタグを付けられるともっと面白いと思います。管理面で難しいかもしれませんが、検討していただけるのでしょうか?
村本:今後の課題として、ユーザーの方に(タグを)付けていただくことも検討しています。
筆者:VIDEOマーケットの検索と言えば、VisualViewも特徴的ですよね。ここで大きく表示されるものは検索回数や視聴回数が反映されているんですか?
村本:いいえ。ランキングは別にありますから、ここでの表示の大小は完全にランダムです。これも、動画との「出会い」を促すためです。タグやVisualView、SHAKEなどを通して、単に検索して見るだけではなく、ワクワク感を提供したい。エンタテインメントにはワクワク感が絶対に必要だと考えています。
■見る場所、画質を選べる多彩な視聴スタイルが楽しめるVIDEOストア
筆者:視聴スタイル、という点で言うと昨今「マルチデバイス」という言葉を良く耳にしますが、VIDEOストアに関してはパソコンやテレビなどで見られるようにする予定はありますか?
村本:もちろん考えています。ただ、単純にVIDEOストアをそのまま他のデバイスに持って行くのではなく、そのデバイスの使われ方をしっかり見据えてやっていきたいと思っています。
筆者:今夏のスマートフォンはXiに対応する機種が増えましたが、そうなると、「もっときれいな動画を見たい!」という要望も多くなると思うのですが、その辺の対応はいかがでしょうか?
村本:ひとつのコンテンツにつき、「ふつう」、「きれい」、「すごくきれい」の3種類の動画を用意しています。XiやWi-Fi(無線LAN)など、高速な通信環境では「すごくきれい」を選択することができます。また、回線状況に応じて途中切り替えも可能ですし、状況に関わらず「すごくきれい」な動画を見たい、ということであれば、回線状況の良い場所で、動画をダウンロードして楽しむこともできます。
■家族で楽しめるアニメやカラオケも人気
筆者 :アニメは結構子ども向けの作品が多いですよね。これには何か理由があるのですか?
村本:子どもがぐずった時に一緒に見る、という使い方を想定しています。子どもがいらっしゃる方には性別問わず好評です。
筆者:カラオケ動画も人気だそうですが、ランキングはカラオケの人気曲ランキングと被るんでしょうか?
村本:そうですね(笑)。友達とカラオケに行く前の予習、といった感じで使われるようです。アニメにしてもカラオケにしても、他のコンテンツにしても、歌いたい、笑いたいといった人の色々な欲求のどこかに応えられる、ということに重きを置いています。
筆者:最後に、S-MAXやライブドアニュースを見ている方にメッセージをお願いします。
村本:VIDEOストアはエンタメが集まっていて、すぐに楽しめる手軽さが特徴でもあります。実際に楽しんでみれば、決して525円は高くないと思います。
筆者はiモードの頃のBeeTVから今回、VIDEOストアに乗り換えて楽しんでいるのですが、実際に使ってみると、インタビューにもあるように、ユーザーを飽きさせないさまざまな工夫が凝らされていることが分かります。
はじめは「ひと月だけ」と思っていたのですが、あまりにも楽しくて継続して利用しようと思わされてしまいました。
是非、一度、VIDEOストアを実際に使ってみて下さい。VIDEOストアの楽しさと魅力の虜になっているかもしれませんよ。
「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」
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※spモード(315円/月)の契約が必要です
※別途パケット通信料がかかります
記事執筆:せう(井上翔)
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