写真はNEC最後のスマホとなる「MEDIAS X N-06E

日本電気(NEC)は31日、子会社で携帯電話事業を担うNECカシオモバイルコミュニケーションズ(NECカシオ)が扱うスマートフォンの新規開発を中止し、現在販売中の機種をもって生産および販売を終了すると発表しています。

なお、スマートフォンについての修理やサポートなどの保守は引き続き行うほか、従来型携帯電話機(ケータイ・フィーチャーフォン)の開発および埼玉日本電気での生産、NECが行なっているタブレット事業については継続するということです。

今回の携帯電話事業見直しは、スマートフォンの急速な普及などで携帯電話端末の市場が大きく変化する中、競争力の維持・強化にはスケールメリットが重要となっており、NECカシオの携帯電話端末事業は出荷台数が減少傾向にあり、今後の業績改善を見通すことが難しくなったため、携帯電話端末事業の方向性について総合的に検討した結果、決定したことだとしています。

これによって、本日2013年7月31日(水)をもって新規開発をやめ、スマートフォン事業から撤退するということになります。

なお、NECでは、昨年度の携帯電話端末出荷台数は290万台で、そのうちスマートフォンは55%のおよそ160万台、ケータイは45%のおよそ130万台となっていたとのこと。

NECでは、ポートフォリオ経営を一層強化し、経営資源を社会ソリューション事業に集中していくとし、今後、携帯電話端末事業で培った無線通信や端末開発、ヒューマンインタフェースなどに関する技術・ノウハウを、NECが注力する社会ソリューション事業に活用することで、同事業の強化を図ります。

また、今回の携帯電話事業見直しに伴って、NECカシオの従業員のうち、継続事業に従事する従業員を除き、NECグループ内で社会ソリューション事業を中心に再配置するとしています。

NECカシオでは、国内向けではこれまで以下のようなスマートフォンを投入してきています。

◯NTTドコモ向け
MEDIAS N-04C
MEDIAS WP N-06C
MEDIAS PP N-01D
MEDIAS LTE N-04D
MEDIAS ES N-05D
MEDIAS X N-07D
MEDIAS U N-02E
N-02E ONE PIECE
Disney Mobile on docomo N-03E
MEDIAS X N-04E
MEDIAS W N-05E
MEDIAS X N-06E

◯au by KDDI向け
G'zOne IS11CA
MEDIAS BR IS11N
G'zOne TYPE-L CAL21

◯ソフトバンクモバイル向け
MEDIAS CH 101N

<NECカシオモバイルコミュニケーションズ社の概要>
事業内容 携帯電話端末の開発、製造販売および保守
資本金 50億円
売上高 約1,400億円(2012年度実績)
出荷台数 約290万台(2012年度実績)
従業員数 約890名(2013年4月現在、単独)
出資比率 NEC70.74%、カシオ計算機20.00%、日立製作所9.26%


記事執筆:S-MAX編集部


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携帯電話端末事業の見直しについて (2013年7月31日):プレスリリース | NEC