スマホの「番号」は電話番号だけじゃない

改めまして、これまでにもS-MAX(エスマックス)に寄稿させていただいております「えど」こと吉川英一です。本業はスマートフォンアプリ開発で、その流れでスマートフォン関連の記事を書かせていただいております。

さてこの足袋、S-MAXにて「スマホのちょっと深いとこ」という表題でコラムを執筆する機会をいただきました。世界中で急速な普及を見せているスマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスについて、「ちょっと深いとこ」を掘り下げて紹介する内容です。その時々で新製品や新サービス、ニュース、ハウツー、要素技術などをテーマに取り上げていこうと思います。

今回はご挨拶を兼ねて、スマートフォンにまつわるさまざまな「番号」について紹介してまいります。みなさんはいくつご存知ですか?

スマートフォンを利用するときに最も意識するのは「電話番号」であるのは間違いないところだと思いますが、スマートフォンでは電話番号以外にも様々な「番号」が利用されています。以下でいくつか紹介していきたいと思います。

【1.電話番号】

いまさらですがスマートフォンは携帯電話ですので電話番号が割り振られています。日本の携帯電話には「090」「080」から始まる11ケタの番号が使用されますが、昨今の契約者数の増加で番号が使い尽くされてしまうため、この11月から新たに「070」から始まる番号が新たに使用されます。なお内部的にはIMSI(International Mobile Subscriber Identity)と呼ばれる(電話番号とは異なる)番号で契約者を一意識別しています。

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携帯電話の番号といえばやっぱり電話番号

【2.SIMカードの番号(ICCID)】

現在流通している携帯電話においては、契約の情報をSIMカード(*1)と呼ばれるICカードに格納しており、このカードを端末にセットすることで携帯電話サービスが利用可能になります。このSIMカード自体にもICCID(IC Card ID)と呼ばれる19桁の番号がついています。SIMカードの番号なので、SIMカードのサイズ変更や紛失などで交換した場合にはICCIDも変わります。

*1: 厳密には「UIM」「USIM」「R-UIM」など複数種類・呼称がありますが、ここではまとめてSIMカードと呼びます。

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写真のSIMカードに記載されている「8981200」から始まる番号がICCID

【3.端末の番号(IMEI)】

端末自体にもIMEI(International Mobile Equipment Identity)と呼ばれる番号がついています。一般には電話を掛ける画面で「*#06#」と押すとIMEIが表示されます。CDMA系の端末(国内ではauの端末)では「MEID」あるいは「ESN」と呼ばれる番号が使用されます。

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IMEIは端末自身に割り振られる番号

【4.携帯電話網の識別番号(MCC/MNC)】

MCC(Mobile Country Code)は国・地域を、MNC(Mobile Network Code)は事業者を識別する番号です。日本の場合MCCは「440」、MNCはNTTドコモが「10」、ソフトバンクモバイルが「20」などとなっています。

【5.IPアドレス】

電話サービスで通信相手を特定するのが電話番号ならば、Webやメールなどインターネット接続において相手を識別するのがIPアドレスです。IPアドレスには「123.5.22.25」のような形式で表される「バージョン4」(IPv4)のアドレスと、「2001:13a::32ea」のような形式の「バージョン6」(IPv6)のアドレスがあります。現状広く利用されているIPv4は理論上約43億通りしかアドレスが存在できないため、すでに未使用のIPv4アドレスがない状態です。そのため国内携帯電話事業者においてはIPv4アドレスを複数ユーザーで共有することで節約するようになっています。世界的にはより多くのアドレスが確保できるIPv6の導入が進められていますが、国内の携帯電話にはほとんど導入されていないのが現状です。

【6.MACアドレス】

スマートフォンに内蔵された無線LAN(Wi-Fi)機器やBluetooth機器にはMACアドレス(Media Access Control address)として「30:17:c8:00:00:00」のような固有の番号が割り振られています。それぞれWi-FiやBluetoothの通信で相手を特定するために用いられます。

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インターネット接続時にはIPアドレスとMACアドレスが利用される

【7.iOS・Androidに固有の識別子】

iOS機器にはすべての端末にUDID(Unique Device Identifier)と呼ばれる固有の番号が割り当てられています。簡単に端末を識別することができるため、当初はアプリで頻繁に利用されていましたが、プライバシーの懸念からAppleはアプリからUDIDを取得することを禁止しました。Androidにも類似の「Android ID」が存在します。

これ以外にも携帯電話事業者が内部的に顧客情報を管理するお客様番号、端末メーカーが各端末につける製造番号などがあります。何気なく持っているスマートフォンですが、実は様々な「固有番号」がつけられていることがわかるかと思います。

さてこれらを表にまとめると以下となります。

No. 番号名 割り当て対象 変えられる? (*2)
1 電話番号 携帯電話契約 変えられる
(事業者の対応による)
2 ICCID SIMカード 変えられないがSIMカードを交換すると変わる
3 IMEI 携帯電話端末 変えられない
4 MCC/MNC 携帯電話事業者(の設備) 変えられない
5 IPアドレス インターネット接続中の携帯電話端末 その時々で勝手に変わる
6 MACアドレス 携帯電話端末のWi-Fi・Bluetoothデバイス 携帯電話の場合変えられない (*3)
7-1 UDID iOS端末 変えられない
7-2 Android ID Android端末 変えられないが変わる場合がある (*4)

*2: 「端末のROMを書き換える」などイレギュラーな方法は想定しません。
*3: MACアドレスを変更できるネットワーク機器も存在します。
*4: 「工場出荷状態に初期化したときに変わる場合がある」と開発者ドキュメントに記載されています。

普段スマートフォンを利用していて、電話番号以外の番号を意識する機会はないかもしれませんが、特にスマートフォンのアプリにおいて、これらの情報が意外と利用されているものです。たとえば以下のような使い方が考えられます。

例1)MCC/MNCを取得して、特定の事業者以外の端末ではアプリを利用できなくする 例2)ICCIDを取得して、SIMカードとひもづけて会員情報を管理する

このような機能はアプリの利便性を高めてくれる場合もありますが、その反面「固有番号」であるがゆえにセキュリティ・プライバシーを損ねる懸念も内包しています。実際問題としてアプリがどの番号をどのタイミングで利用しているかは利用者から見えにくいのですが、それでもこのような番号があるということを知っておくことはセキュリティやプライバシーの観点から大事でしょう。

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固有番号をアプリから取得できる(自作サンプルアプリで検証)

このような感じで、スマートフォンやタブレットについていろいろな「ちょっと深いとこ」を紹介していければと思います。できるだけ平易に記述してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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