NTTドコモがアクティブアンテナの有効性を屋外実験で確認!

NTTドコモは21日、アクティブアンテナを用いた日本初の屋外実験で基地局の電気的損失を低減することに成功したと発表しています。これにより、基地局の電気的損失を軽減し、より効率的に電波を送受信することで基地局のカバーエリア拡大を実現するとのことです。

アクティブアンテナを用いた基地局は、従来型アンテナを用いた基地局と比較して、広範囲のエリアをカバーできるため、郊外における効率的なネットワークの構築や災害発生時における被災状況に応じた通信ネットワークの対策が可能で、今回の屋外実験では、従来型アンテナを用いた基地局と比較して、基地局の電気的損失を4dB低減できることを確認たということです。これは、基地局のカバーエリアが約1.7倍拡大することに相当。

また、今回開発したアクティブアンテナは、アンテナ素子と無線機を一体化したことにより、子局全体の小型化を実現し、これまで設置が難しかった場所への置局が可能で、アンテナ素子ごとに無線機を搭載するため、一部の無線機が故障した場合も継続して通信サービスを提供できるほか、これまで以上にきめ細やかな通信ネットワークを構築できるそうです。

加えて、多アンテナ伝送技術MIMOとの相性が良く、将来的にはLTE-Advancedや5Gなどのネットワーク構築の効率化を実現します。

今回の実験ではアクティブアンテナを用いる実験局免許を取得し、屋外環境におけるアクティブアンテナの有効性と信頼性を検証するために実施し、今後も実用化に向け様々な検証を継続することで、将来的には高度化したLTE基地局を実現予定となっています。

アクティブアンテナは日本電業工作が開発し、LTE基地局で構成した実験局で実施し、従来型アンテナとLTE基地局を接続する同軸ケーブルによる損失および従来型アンテナ内部で発生する損失を測定し、アクティブアンテナを用いた場合に電気的損失の低減があったというもの。

アクティブアンテナを用いた構成の実験局と従来型のアンテナを用いた構成の基地局を併設し、それぞれの基地局と移動局の間で通信を行い、移動局側の送信電力および基地局側の受信電力を計測。条件としては基地局アンテナの地上高が40mの場合で、従来型アンテナを用いた基地局に対する面積比計算値となります。

実験結果は、アクティブアンテナを用いた場合に従来型アンテナを用いた場合と比較して、基地局側の受信電力が約4dB改善することが確認でき、従来型アンテナの構成で必要だった同軸ケーブルによる電気的損失およびアンテナ内で発生する電気的損失の軽減による改善で、電気的損失が4dB改善することは基地局カバーエリアに換算するとカバーエリアの面積が約1.7倍拡大することに相当します。

記事執筆:memn0ck


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報道発表資料 : 基地局のカバーエリアを拡大するアクティブアンテナの屋外実験に成功 | NTTドコモ