GoogleがQUICをChromeやAndroidアプリに導入!

Googleは17日(現地時間)、インターネットで用いられている伝送制御プロトコル「TCP(Transmission Control Protocol)」に代わるより高速な新しいプロトコル「QUIC(Quick UDP Internet Connections、クイック)」を同社のChromeブラウザーやAndroidアプリから同社のサーバを利用する際のデフォルトに移行すると発表しています。

これにより、従来よりも応答時間(RTT)が短くなり、Webページの読み込みなどが速くなり、混雑時の輻輳やデータ損失のロスを低減する機能の強化によってYouTubeなどの動画サービスでは再生中の再バッファーが30%減少するなどの効果が得られます。

また、インターネット技術の標準化を策定する「IETF(Internet Engineering Task Force)」にもQUICの標準化を申請する計画を発表しています。

QUICはGoogleが2013年に発表したTCPよりもより簡易的な伝送制御プロトコル「UDP(User Datagram Protocol)」をベースにした技術で、UDPではTCPのような送達確認などを省いているため、ヘッダー部分が小さく、より遅延が少なくなっています。

一方、UDPでは送達確認などが省かれているため、データ転送の確実性に欠け、QUICではTCPとUDPを併せ持つ新たなプロトコルをめざしています。

例えば、QUICでは過去に接続した暗号化されたセキュアサーバーには通常のTCPでの接続よりも確認作業を簡略化し、より素早く接続できるように設計されており、Google検索などの最適化されたページではページ読み込み速度が3%改善されるとのことです。

すでにGoogleは直近3カ月において同社のサービスへのQUICを採用しており、発表時点でも全体のほぼ半分がQUICになっているということです。

Googleはインターネットなどの高速化に取り組んでおり、過去にもHTTPに変わるプロトコル「SPDY」を開発し、このSPDYの流れを受ける「HTTP/2」が近く標準規格として採用される予定となっています。



記事執筆:memn0ck


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Chromium Blog: A QUIC update on Google’s experimental transport