これぞ真VAIO Phone!バイオが発表会を実施 |
既報通り、バイオは4日、東京・秋葉原で新製品発表会を実施し、同社ブランドを冠した製品としては2モデル目となるスマートフォン(スマホ)「VAIO Phone Biz(型番:VPB0511S)」を発表した。
VAIO Phone BizはOSにマイクロソフトが提供するWindows 10 Mobileを採用。筐体素材には金属(アルミニウム)を削り出して成形を行なうことで高いデザイン性と耐久性を両立しているという。
加えて、ハードウェアスペックも約5.5インチフルHD(1080×1920ドット)液晶ディスプレイやQualcomm製オクタコアCPU「Snapdragon 617(MSM8952)」(1.5GHzクアッドコアCPU+1.2GHzクアッドコアCPU)、容量3GBの内蔵メモリー(RAM)および16GBの内蔵ストレージを搭載するミドルハイレンジのモデルとなる。
また、Windows 10 Mobileの目玉機能のひとつとされるContinuum(コンティニュアム)にも対応し、Miracast(ミラキャスト)方式を用いた無線雪像でPCライクに使用することが可能だ。
法人向けにはNTTドコモ法人ビジネス本部、ダイワボウ情報システムを通じて、また個人向けには同社直営のオンラインストアである「VAIO STORE(バイオ・ストア)」、そして、ビッグローブや楽天モバイルといった仮想移動体通信事業者(MVNO)各社および一部の量販店においても販売が行われる。発売予定日は4月となっており、現在のところ市場想定価格は5万円台となる見込み。
今回の発表会ではVAIO 代表取締役社長の大田義実氏、日本マイクロソフト 代表執行役社長の平野拓也氏、NTTドコモ 取締役常務執行役員 法人ビジネス本部長の髙木一裕氏などがそれぞれVAIO Phone Bizに期待することなどを取り上げたプレゼンテーションを実施。今回はその様子を紹介していく。
まずはじめに登場したのはVAIOの大田氏だ。現在および今後のVAIOとしての現在および今後の取り組みについての話がされた。
VAIOでは太田氏が社長に就任した昨年より「稼ぐ力作り」および「飛躍への布石を敷く」ことをめざし、活動してきたという。その中で、これまで同社が培ってきた強みであるという「設計/製造技術」「経験豊かな人材」「ブランド力」を生かした新たな取り組みを開始。
加えて、現在主力分野となっているパソコン(PC)については今後、VAIOファンあるいはヘビーユーザーであるビジネスパーソンを意識した製品を開発を行なっていくという。昨年12月に発売されたSIMフリー(SIM内蔵型)のモバイルノートPC「VAIO S11」などもこれに含まれるという。
一方でPCを取り巻く環境として現在無視できない存在となっているのがスマホだとし、これにVAIOとしてどう取り組むのかを検討した際、1997年に登場した初代VAIOからWindowsとともに歴史を積み重ねてきた同社としては「Windows 10 Mobileが新たな価値をユーザーに提案できるもの」と考え、そして信じ、OSにWindows 10 Mobileを据えたスマホの開発を進めてきたとのこと。
Windows 10 Mobileに関しては「Windows PCやMicrosoft Officeとの調和性」や「高いセキュリティ性」といった特長から法人が求めるニーズを満たすものと考えており、VAIO Phone Bizも「法人中心のモデル」として企画・開発されている。
次に壇上に登場したのは日本マイクロソフトの平野氏。昨年夏にリリースされた「Windows 10」ファミリー自体は2015年末までに世界で2億台以上のデバイスが稼働しており、これはWindows史上最速となることを紹介。
そして、この中に今回発表されたVAIO Phone Bizが加わることで、特に法人市場においての選択肢がさらに広がることを期待しているとのこと。
Windows 10ではユニバーサルWindowsプラットフォームを活用することで中核部分と開発環境が共通化。シームレスなデータの利用が可能となるほか、Officeアプリも標準搭載となることで、出張先での資料参照・編集も容易に実行することができるように。
また、現在企業経営におけるIT上の課題となっているセキュリティに関してもクラウド上のサービスを1度の認証で利用できる、利用できる機能の制限する、紛失した端末上のデータを遠隔削除する、といった対応が可能。アプリケーションの一括導入、更新といったデバイスマネジメントもでき、ここにContinuumも加わる。
Windows 10 Mobileを搭載したスマホについてはマイクロソフト宛てにも多くの法人からリリースの要望が寄せられていたと平野氏は語る。今後、PCやタブレット、スマホをWindowsに統一することで、ユーザーの利便性・操作性が向上するとともに管理者にとってもセキュリティーや管理面で負担が軽減でき、コストの削減にもつながるとのことだ。
続いて登壇したのはNTTドコモの髙木氏。同社では2012年11月からWndows(を搭載したタブレット)とLTEの組み合わせによる法人顧客開拓への取り組みを開始し、2015年12月末時点で35万契約を突破しているという。
この35万契約はNTTドコモにとっては新たな市場であり、その8割近くが新しい顧客(いわゆる「純増」と呼ばれるもの)となっている。そんな中、今後は従来から販売しているOffice 365に加えてWindows 10 Mobileも取り扱うサービスに加える事で、より販売を促進していくという。
NTTドコモの市場調査によれば、Windows 10 Mobileを展開するに当たって現在、ユーザーから要望が強いポイントは2つと分析している。ひとつはエントリーモデルといった低価格帯の製品、そしてもう1つはContinuumに対応するミドルレンジモデル以上の製品となる。
VAIO Phone Bizについては後者であることともに、NTTドコモが運用するLTEの4バンドに対応、およびWindwos 10 Mobileとして初めてCA(キャリアアグリゲーション)にも対応しており、NTTドコモのネットワークとも非常に親和性が高くなっている。こういった都合もあり、NTTドコモとしても自信を持って勧めていくとのこと。
そして、NTTドコモがVAIOに対して期待することは具体的に2つあるという。ひとつめは「クラウドサービスとの相乗効果」で、具体的には法人向けに提供しているパッケージのプラットフォーム「ビジネスプラス」にVAIO Phone Bizを組み込み、VAIO Phone BizとOffice 365の組み合わせをよりセキュアに利用できるMicrosoft Intune(マイクロソフト・インチューン)をビジネスプラントとして6月よりラインアップに追加予定としている。
またふたつめに挙げられていたのが「ネットワークとの相乗効果」で、前述のとおりNTTドコモが運用するLTE4バンドおよびWindows 10 Mobile搭載スマホとして初めてとなるCA(キャリアアグリゲーション)に対応することで、快適さと速さ(受信時最大225MbpsはWindows 10 Mobileにおいて国内最速)をユーザーに提供していくとしている。
続いて最後にVAIO Phone Bizの詳細について、VAIO 商品企画部 商品担当の岩井剛氏から紹介された。
現在のVAIOは「快」とい文字をテーマに開発を行なっている。PCであれば座って仕事をする上での「快」を追求した結果が今のVAIOシリーズとなっている。しかし、仕事というものは必ずしも座っている時にだけ発生するものではない。
そこで今回開発されたVAIO Phone Bizによって立っている時、あるいは移動中などでも仕事に「快」を感じてもらえる設計が意識されており、いつどんなときにおいても「快」を得られる環境をPCとスマホのトータルでの追求していくとのこと。
そんな中、VAIO Phone Bizは法人向けをメインとして企画・開発されており、ビジネス用途での生産性の高さで差別化を進めていく。主な特長と謳われていたのは「Windows 10 MoibleをOSに採用」や「SIMフリーおよび充実の通信機能」、「VAIOデザインと安曇野FINISHをはじめとする信頼性」の3点だ。
Windows 10 Mobileを搭載していることについては、PCや企業システムとの親和性が高いモバイルOSであると考えている。これにより、ビジネスの生産性を高めることができる。また、PCメーカーであるVAIOとして注目した点は「PCと共通のユーザービリティーが実現されていること」と「PCとの連携がしやすいこと」の2つも挙げた。
また、Windows 10 Mobileにおいて最も注目されている機能のひとつがContinuumと捉えている。そのため、チップセットにはQualcommのSnapdragon 617を採用。現在日本国内で発売されているWindows 10 Mobile搭載のスマホでは、そのほとんどがSnapdragon 210またはSnapdragon 410といったエントリーモデル向けのチップセットを搭載しており、これらではContinuumは利用できない。
しかし、VAIOとしてはビジネスユースで快適に使って欲しい、そしてなによりContinuumをどうしても使ってみてほしいという観点でこのSnapdragon 617を採用したと解説した。また、ディスプレイも5.5インチのフルHDとなっており、これも他社製とくらべてひとまわり大きく、解像度も高く、それに合わせてRAM容量も3GBと大きくしている。
通信機能に関してはSIMフリーとすることでMVNOを含めた回線契約をユーザーの都合により選択できるように。かつ国内で販売されている一般的なSIMフリースマホでは海外で販売されているものをそのまま国内に持ち込んでいるケースが多く、対応する周波数が合わないことも多い。しかし今回VAIO Phone Bizでは国内で運用されている周波数を幅広くサポートしている。
本体のデザインについてはVAIOのPCと共通のデザインになっている。具体的にはPCのフラッグシップモデルであるVAIO Z Canvasのデザインをスマホサイズにそのまま凝縮したようなものとなっており、強化ガラスとアルミニウム合金により、PCで培ってきた世界観をスマホでも感じてもらえるようなデザインとなっている。
またボディーの性能にも非常に注力しており、アルミニウム合金の塊から20数段階の工程(上記写真はそのうち代表的なもの)を経て、削り出しで成形されているとのことだ。
さらにVAIO Phone Bizは製造こそ海外の協力会社の工場で行われるものの、完成品は長野県安曇野市にあるVAIOの安曇野工場に持ち込み、専任の技術者の手で1台1台全数検査を実施する「安曇野FINISH」を実施する。PCの出荷と同じ工程を踏むことで、ハードウェアに関してもユーザーが安心して使える状況になっている。
その他、発表会場内に設けられていた展示機の写真を紹介しておくこととする。
なお、VAIO Phone Bizの個人向け販売に関しては、4月より先行販売を予定となっている。現在は同社のメルマガ( https://store.vaio.com/shop/mail/mag.aspx )に登録することで、発売前に詳細が案内されるとアナウンスされているため、気になる方はチェックしてみるとよいだろう。
記事執筆:そうすけ
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