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Appleが次期スマホなど向けプラットフォーム「iOS 10」を発表! |
Apple(アップル)は13日(現地時間)、開発者向けイベント「WWDC 2016」をアメリカ(米国)のサンフランシスコにあるビル・グラハム・シビックオーディトリウムにて開催し、スマートフォン「iPhone」シリーズやタブレット「iPad」シリーズなど向けのプラットフォーム「iOS」の次期バージョン「iOS 10」を発表しています。
開発者向けベータ版が同日6月13日から提供開始され、一般ユーザー向けベータ版が今年7月から、さらに正式版は今秋に提供予定。
アップデート対象機種はiOS 9とは異なり、iPhone 4SやiPad 2、iPad 3、iPad mini、iPod touch(第5世代)が対象外となり、iPhone 5以降およびiPad 4・iPad Air・iPad mini 2・iPad Pro以降、iPod touch(第6世代)の合計17機種。アップデートの価格は無料。
AppleではWWDC 2016において各製品向けの「watchOS」や「tvOS」、OX X改め「macOS」、「iOS」といったプラットフォームごとにまとめ、これらに加えて、開発環境である「Swift」について順番に紹介されました。
iOSについては同社ソフトウェア上級副社長のCraig Federighi氏が主に説明し、現在提供されている「iOS 9」に続いて順当にiOS 10になることに続き、バージョン番号に合わせて10個の新機能や特長についてデモも交えてプレゼンテーションされました。なお、同時に発表されたmacOSの新機能として紹介されていたMacやiPhone、iPadなどでコピーしたクリップボードを共有できる機能などにも対応しています。
まずはじめに紹介されたのが使い勝手についてで、最も大きいのがロック画面をデザインし直したとのこと。見た目もわかりやすくなったほか、より情報量の多い通知やクイック機能、拡張された感圧操作「3D Touch」によるウィジットの動作改良などが行われています。
これにより、例えば、ロック画面からのカメラ起動がより簡易になっていたり、Wi-Fiなどのオン・オフができるクイックパネルが利用できたりするようになっています。また解除も指紋認証「Touch ID」に加え、横になったiPhoneを起こすと、ボタンを押さなくてもiPhoneのロックが解除できるなどの設定が可能になっています。
続いて、iOS 10では音声検索機能「Siri」をApple以外のサードパーティーの開発者に開放することが伝えられ、デモにてSiriを使ってコミュニケーションアプリ「WeChat」に書き込みを行っていました。その他、Siriはさまざまなアプリに対応するとのこと。
3つめはこのSiriの人工知能(AI)機能を活用し、位置情報や時間、カレンダー、連絡先などから予測してより素早く文字入力が行える新しい「QuickType」機能を説明。中国語などの英語以外の言語にも対応するとのことですが、日本語には非対応。この他、さまざまな機能にSiriのインテリジェンス機能が活用されるようになるとしています。
4つめが写真アプリについてで、撮影した写真から顔認証を行って人物ごとのアルバム作成が可能になるほか、記憶を管理するものであるとして同じくSiriインテリジェンス機能によって「Googleフォト」などにあるように旅行や日付、人物、トピックをAIで自動抽出する「Memories」という機能が導入されます。
またハイライトだと思われる写真を大きく表示したり、動画も自動的に編集してくれ、新しい「Adovanced Computing」機能によって写真や動画、音楽を自動選択してショートムービー風にまとめてくれ、Mood(気分)を切り替えるとその雰囲気に合うように内容が自動編集されます。
これらの機能はMacでも顔や風景を自動で認識できるようになるほか、Apple TVでも再生が可能になるということです。
5つめの地図(マップ)アプリは、Eddy Cue氏が説明。iOS 10では地図アプリを新しいデザインに改良し、同様に「Proactive」機能でカレンダーのスケジュールなどから次の行動を提案してくれるようになるとのこと。
またナビゲーションでは、交差点に近づくと自動的に地図が拡大し、交差点を過ぎると縮小表示するなどの状況に応じたUIになり、さらに拡張機能に対応し、例えば、レストランの予約やUberによるタクシーの配車、Apple Payによる支払いを地図アプリで利用可能になります。
6つめが音楽アプリ、Apple Musicもオールニューデザインに。見た目がシンプルになり、より見やすく美しいデザインになって、直感的で親しみやすいものになったとのこと。また歌詞の表示が可能に。
さらにキュレーション機能「For You」がパワーアップ。For Youタブに曜日ごとに選ばれてプレイリストを表示するほか、ConnectがFor Youの中になります。その他、Browseタブは新アルバムやチャート、ハンドメイドのプレイリストにアクセスできるようになっています。
加えて、ラジオも自国以外のトップチャートを聞くことが可能になるとのこと。新しいApple MuiscはiOSだけでなく、MacやAndroidで使用可能。なお、Apple Musicの有料会員はすでに1500万人以上だとしています。
7つめがニュースアプリで、すでに月間利用者が6000万人になっており、オールニューデザインに。新しく購読機能を追加し、ナショナルジオグラフィックや各紙新聞など。
8つめがホームキット。エアコンや監視カメラ、ドアホンなどと制御できる機能が増え、新しい「ホーム(Home)」アプリが提供されます。ホームアプリからこれらの家電製品を操作でき、起きてSiriに「おはよう」と言うと、カーテンが開き、電気が点灯し、活動できるようになるという。
また外出先からもこれらの家電製品を操作可能で、帰宅前に電気を点けたり、お風呂を沸かすことができるとしています。iPadやApple Watchからもホームアプリが使用可能。
9つめが電話で、留守番電話の内容をSiriが認識してテキストで表示してくれるほか、留守電のスパムにも対応。さらにVoIP(Voice over IP)機能を使うことで、電話以外の通話アプリでも連絡先の表示が可能に。これにより、仕事場の番号にかかった通話をiPhoneで受けることができるようになったりします。
10つめがメッセージで、リンクを入力するとその内容を表示させることができる「リッチリンク」機能に対応。リッチリンクではApple Musicのリンクを貼れば、メッセージアプリ内でその楽曲を聴くことも可能。
また絵文字は大きさを3倍表示可能になり、絵文字の予測機能も搭載します。これは文章をすべて入力した後に途中の単語をiOSが自動的に絵文字に変換してくれ、日本では従来型の携帯電話(フィーチャーフォン、いわゆる「ガラケー」)にもあった機能です。
デモでは「卒業おめでとう」という文章に対し、途中にある「love」や「happy」、「graduation」という語句に対して絵文字が自動的に追加されていました。
吹き出しの拡大機能や隠しリンク機能、手書きの機能、デジタルタッチ、フルスクリーンエフェクト、指でなぞると表示される「インビジブルリンク」、全画面エフェクトなどに対応。
さらにiMessageのAPIも開発者に提供され、プログラムを書かなくてもスタンプやアニメーションに利用が可能になったり、iMessageから相手に支払いを行うことができたりします。
その他、iOS 10では、iPadのSafariのウインドウを2つ表示させることができたり、Live Photoの編集の可能になったりするそうです。最後に個人情報の管理について説明され、クラウドで解析する内容はエンドツーエンドで暗号化されてすべて匿名で処理され、"素晴らしい機能と、素晴らしいプライバシーの提供"を行なうとされてました。
記事執筆:memn0ck
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