NTTドコモがより低周波数帯を用いた災害時用「公共安全LTEシステム」を開発!

NTTドコモは13日、災害時等の通信が繋がりにくい状況時において重要通信の確保が必要な公共機関が共同で利用可能とする「公共安全LTEシステム」を開発し、実証実験を行って成功したと発表しています。

今回開発された公共安全LTEシステムは、世界的な規模で利用されているLTEの技術を応用しており、相互間での映像伝送や高速データ通信による情報把握、情報共有が可能となり、想定する利用シーンの1つである上空からの映像伝送の実証実験を仙台市で行い、成功したということです。

実験では、NTTドコモが新たに開発したVHF帯(30〜300MHz)によるTD-LTE方式の無線通信システムを宮城県に構築し、岩手県・宮城県・福島県のエリアで実験局免許を取得、実験基地局から半径最大50kmのエリアカバー、受信時最大50Mbps、送信時最大13Mbpsの通信速度を確認できたとのこと。

同社ではICTを活用したサービスやソリューションを開発・提供することで、災害に強い、安心、安全で活力のあるまちづくりに貢献し、さまざまな分野・業界のパートナーと連携して、陸上、海上、上空における共同利用実験を実施していくとしています。

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公共安全LTEシステムの利用シーン


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実証実験イメージ

今回の実証実験は、2016年8月29日に締結した仙台市とNTTドコモの連携協定で推進する『防災・減災』および『近未来技術の実証』の取り組みの一環として、仙台市の消防ヘリコプターに公共安全LTEシステムの実験端末を搭載し、ヘリコプターカメラからの映像伝送と救助隊員役に装着したウェアラブルカメラの現場映像を実験端末を経由して地上の複数拠点へリアルタイム伝送することに成功したというもの。

実験日は6月6日で、場所は仙台市若林区荒浜訓練場。システムとしては今年1~3月にVHF帯におけるTD-LTE方式の実験基地局エリアを確認するため、電測車に実験端末と測定器を搭載して走行調査を実施していました。これにより、システムのエリア品質や通信速度、通信ログデータを取得し、実験基地局から半径最大50kmのエリアカバー、受信時最大50Mbps、送信時最大13Mbpsの通信速度を確認できたとのこと。

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実証実験の様子

実験周波数は190MHz帯の20MHz幅で、通信方式はTD-LTE方式、無線アクセス方式はSC-FDMA方式、データ変調方式はQPSKおよび16QAM、64QAM、送信出力は最大5W/20MHzとなっており、装置としてはサイズが約W330×H280×D100mm(突起物、アンテナ等含まず)、質量が約5.7Kg(内蔵バッテリー装着時)、連続通信時間が約2時間、連続待受時間が約
6時間、外部インターフェースが無線LAN(IEEE802.11b/g/n準拠)および有線LANとなっています。

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記事執筆:memn0ck


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