ソフトバンクも参画するダイキンの協創プラットフォーム「CRESNECT」第1弾プロジェクトが始動! |
ソフトバンクはダイキンが推進する協創プラットフォーム「CRESNECT(クレスネクト)」への参画を発表し、ダイキン、オカムラ、東京海上日動火災保険、三井物産、ライオンとともに6社共同による記者会見を7月30日に行いました。
CRESNECTとは「Creation」および「Space」、「Cnnect」からの造語であり、主にオフィスなどの空調機から得られるデータを活用しさまざまなパートナー企業と協業して空気・空間にまつわる新たな価値やサービスを生み出していくための協創型プラットフォームという意味が込められています。
ダイキンはCRESNECTを今年2月に開設して以来パートナー企業を募集していましたが、この半年間で50社を超える企業との話し合いやオファーがあったとのことで、その中から今回の5社を選び第1弾プロジェクトのスタートへと結び付いたようです。
他業種多企業が参画する中、通信分野のパートナーとして選ばれたソフトバンクがCRESNECTや本プロジェクトの中でどのような役割を果たすのか、会見の模様とともに解説します。
■ダイキンが考える空間コンテンツビジネスとは
CRESNECTへの参画企業は前述のようにさまざまな業種から集められています。オカムラはオフィス家具・オフィス什器、ソフトバンクは通信・情報、東京海上日動火災保険は保険・ヘルスケア、三井物産は物流・サービス、ライオンは健康・ヘルスケアと、それぞれに業界のリーディングカンパニーとして活躍している企業ばかりです。
本取り組みの背景には労働人口の減少や働き方改革、企業の健康経営といった課題や問題があります。これまでのオフィス空間が本当に人々が快適に仕事に従事できる環境であったのか、また改善すべき点があるとしたらどのような提案ができるのか。こういった部分へ空調環境の視点からアプローチするものです。
ダイキン工業 執行役員 テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏は壇上で「あらゆる空間ソリューションのHUBとなるのが目的」と語り、参画各社が持つデータの共有や連携に強い期待を寄せながら「空間ソリューション事業へ発展させていきたい」と、本プロジェクトがめざす「空間コンテンツビジネス」についても言及しています。
■通信・情報分野の要を担うソフトバンク
会見ではソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員 兼 CEOの今井康之氏も登壇し、ソフトバンクとしての役割についてプレゼンを行いました。
今井氏は冒頭で同社がIoT、AI、ロボットに注力している点に言及し「プロジェクトに非常に親和性があるのではないか」として本プロジェクトにおけるIoT技術やAI技術が十分に活用できるとの考えを述べ、さらに「これまでも他社とインフラやビルで協業を進めてきた」と、ノウハウや実績についても自信を見せています。
この「インフラやビルで協業」とは2017年に行われた各業務提携のことを指しており、インフラ事業においてはパシフィックコンサルタンツと、ビル事業においては日建設計との業務提携が発表されています。
同社はインフラ事業やビル事業といった社会基盤となるシステムとの連携を2017年あたりから急速に強めており、各種実証実験などを行っています。今回のCRESNECTもそういった実証実験としての場を求めた結果であり、同社が保有するIoT技術やAI技術、ロボット技術などがどう活用できるのかを検証するのが目的と考えられます。
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各企業が展開する機器が得たデータを集積・統合・分析することで空間環境を快適にしコンテンツビジネスへと繋げていくことが命題である本プロジェクトにおいて、通信分野が担う部分は最も重要とも言えます。
ソフトバンクはその分野において最適なパートナーであったことは間違いなく、他企業ともビル事業でのIoT導入などを進めている点もまた大きなアドバンテージとして考えられたのではないでしょうか。
■2018年内にオープンオフィスを2箇所開業予定
CRESNECTでは2018年内に東京23区内の2箇所にて本プロジェクトによるオープンオフィスの開業を予定しており(場所は現在選定中)、まずは2年を目処にデータの収集や分析を行っていきたいとしています。
また米田氏は今後プロジェクトの進行度合いを見ながら新たな参画企業の募集やCRESNECTおよびプロジェクトへの投資、さらにスタートアップ企業などへの投資と呼び込みなども視野に入れていきたいとも語っており、詳細はまだ決まっていないながらも本プロジェクトを大きなビジネスチャンスへと繋げていきたい旨を示していました。
前述のようにCRESNECTというプラットフォーム自体は巨大な実証実験の場であり、まずはオフィス空間などで人々がどのように行動し、空調が人々の活動にどのような影響を与えるのかを可視化しなければいけません。その第1弾プロジェクトは果たして有用な成果を上げるのか、注意深く見守っていく必要があります。
記事執筆:秋吉 健
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