楽天モバイルのオリジナル5Gスマホ「Rakuten BIG」をファーストインプレ! |
楽天モバイルが移動体通信事業者(MNO)として自社回線(以下、楽天回線)を構築して提供している携帯電話サービス「楽天モバイル」( https://network.mobile.rakuten.co.jp/ )において9月30日に発売した5G対応スマートフォン(スマホ)「Rakuten BIG(型番:ZR01)」(ZTE製)。
当初はブラックとホワイトがオンラインおよび楽天モバイルショップ二子玉川店のみでの販売されていましたが、11月16日より楽天モバイルショップ全店で販売しているほか、クリムゾンレッドも11月19日より販売開始されました。
価格は税抜63,455円(税込69,800円)で、分割購入なら税抜1,321円/月×48回または税抜2,643円/月×24回で、正式プラン「Rakuten UN-LIMIT V」とセット購入なら最大23,000ポイントが還元されます。なお、楽天市場にて単体販売も行われており、ブラックとホワイトに続いてクリムゾンレッドも販売開始されました。
すでにRakuten BIGを用いて楽天モバイルの5Gを試していましたが、改めてRakuten BIGの外観や同梱物、基本機能を写真を交えて紹介したいと思います。なお、楽天モバイルでは今月中に5Gの最大通信速度を下り2.8Gbpsおよび上り275Mbpsに対応する予定となっていますが、Rakuten BIGはミリ波(mmWave)に対応しているものの、最大通信速度は下り2.80Gbpsおよび上り273Mbpsです。
Rakuten BIGのパッケージ(箱)はかなり面積の大きな薄いものとなっています。底面にはDTS::XやQualcomm apt-Xのロゴ、側面に製品製造番号(IMEI)などが記載されており、製造はZTEコーポレーション、モデル名はZR01、中国製であることがわかります
Rakuten BIGは「Rakuten Mini(型番:C330)」に続く楽天モバイルのオリジナルスマホ第2弾で、Rakuten Miniが3.6インチサイズと非常に小型だったのに対してRakuten BIGは一転して大画面な6.9インチサイズとなり、さらに楽天オリジナルスマホとしては初の5Gに対応しています。開発・製造はZTEが担当しており、仕様からベースは「ZTE Axon 20 5G」だと思われます。
そのため、ZTE Axon 20 5Gの特長であるフロントカメラを画面の下に配置した「アンダーディスプレイカメラ」を搭載し、ノッチやパンチホールといった切り欠きなしで画面の周りの縁(ベゼル)をなくした“ベゼルレスデザイン”を実現しています。また日本市場向けに防水(IPX8)および防塵(IP6X)、おサイフケータイ(FeliCa)に対応しており、さらに楽天モバイルが推進するeSIM対応製品となっています。
箱を開けると片側にRakuten BIGの本体、もう片側にクイックスタートガイドなどが入ったブリーフケースや周辺機器が収納されています。ACアダプター(充電器)は付属しないため、持っていない場合は別途購入する必要があります
Rakuten BIGの箱は白を基調としたシンプルなものとなっており、かなり面積が広く薄い、スマホの箱としたは少し珍しい形状です。開けるとすぐにRakuten BIGの本体が現れ、USB Type-CケーブルやUSB Type-C - 3.5mmイヤホン変換アダプター、SDカード取り出しツール、クイックスタートガイド(保証書)および安全上のご注意といった紙類が同梱されています。
なお、前述通り、Rakuten BIGはeSIM対応製品となっており、Rakuten Miniと同様に物理的なSIMカードスロットは搭載していません。そのため、SIMピン(SIMカード取り出しツール)ではなく、SDカード取り出しツールとなっています。それぞれを取り出したら、Rakuten BIGの本体右側面にある電源キーを長押しして初期設定を行います。
ディスプレイは切り欠きのないアスペクト比9:20.5の縦長な約6.92インチFHD+(1080×2460ドット)有機EL(OLED)を搭載し、10bit色表示やDCI-P3色域100%、HDR 10+、リフレッシュレート90Hz、タッチサンプリングレート240Hzをサポートしています。またパッと見ではわかりませんが、よく見ると真ん中付近にフロントカメラと思われるものが見えます。
フロントカメラは約3200万画素CMOS/広角レンズ(F2.0)で、アンダーディスプレイカメラとなった影響からか顔認証には対応していません。デザインは前面だけでなく背面も3D曲面ガラスを採用し、ダブルショルダーラインデザインとなっており、大画面ながら持ちやすさを実現しているとのこと。サイズは約174×80×9mm、質量は約227gで、6.9インチサイズとしては比較的持ちやすく感じました。
アンダーディスプレイがある画面上部。ノッチやパンチホールといった切り欠きはなく、それでいてフロントカメラが利用可能。パッと見たり、写真ではわかりにくいかもしれませんが、よく見るとフロントカメラらしきものが見えます。通話用スピーカー(受話口)や照度センサーはディスプレイの上に搭載されています
サイズ感としては縦はかなり長いものの、幅80mmや重さ227gはiPhone 11 Pro Maxの幅77.8mmおよび重さ226gとそこまで違わないこともあり、持った印象はあまり違わない感じがしました。むしろiPhone 11 Pro Maxをはじめて持ったときはかなりずっしりと重く感じましたが、1年経って慣れさせられたこともあるとは思うものの、Rakuten BIGはそこまで重いという印象は受けませんでした。
また生体認証として画面内指紋センサーに対応しています。背面はツヤのある処理がされていますが、指紋は今回紹介しているブラックでもそこまで目立たないように感じました。なお、正面のベゼル部分はブラック以外のホワイトやクリムゾンレッドも黒となっています。なお、ワンセグやフルセグ、赤外線通信、ワイヤレス充電、ハイレゾ音源には非対応です。
サイズ比較として6.9インチサイズのRakuten BIG(左)と6.5インチサイズのiPhone 11 Pro Max(右)を並べてみたところ。縦はやはりRakuten BIGがだいぶ長い(iPhone 11 Pro Maxのサイズは約158.0×77.8×8.1mm)
Rakuten BIGの背面。リアカメラは左上に配置され、縦にレンズが並んでおり、4つのレンズの下にLEDフラッシュライトがあり、上部中央付近におサイフケータイマーク、中央に楽天ロゴが配置されています
6.9インチサイズのRakuten BIG(左)と6.5インチサイズのiPhone 11 Pro Max(右)を横にして並べてみたところ。幅の違いはわずかにiPhone 11 Pro Maxのほうが狭い程度
背面にはリアカメラとおサイフケータイ(FeliCa)のマーク(アンテナ)のほか、中央に楽天の「R」ロゴが配置されています。リアカメラは以下のクアッド構成となっており、メインの広角カメラは像面位相差オートフォーカス(PDAF)や4つの画素を1つにまとめて撮影できる技術に対応しており、通常は約1600万画素相当(4608×3456ピクセル)で撮影されます。
・1/1.72型の約6400万画素CMOS(1画素0.8μm)/広角レンズ(F1.89、35mm換算で25mm)
・約800万画素CMOS/超広角カメラ(F2.2、35mm換算で16mm、画角120°)
・約200万画素CMOS/マクロレンズ(F2.4)
・約200万画素CMOS/デプスカメラ(F2.4)
標準カメラアプリのファインダー画面。モードは「写真」の他に「動画」や「ポートレート」、「夜景」、「背景ぼかし」、「その他」があり、ポートレートと背景ぼかしが別れているのが珍しいところでしょうか。写真では広角カメラと超広角カメラをボタンで切り替えられるようになっています
主な仕様はQualcmm製チップセット(SoC)「Snapdragon 765G 5G mobile platform」や6GB内蔵メモリー(RAM)、128GB内蔵ストレージ、microSDXCカードスロット、4000mAhバッテリー、USB Type-C端子(USB 3.1)、NFC Type A/B、位置情報取得(A-GNSS、GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou)、緊急速報機能など。
急速充電「Quich Charge 4+」(最大30W)の対応し、放熱システムによって放熱能力を向上させており、ゲームをしたり、動画を見たりしても高熱にならないような設計になっているとのこと。電池持ちは連続待受時間がLTEで約530時間、3Gで約467時間、連続通話時間がLTEで約21.7時間、3Gで約28.4時間。
ベンチマークアプリ「Geekbench 5」の結果。左がCPU(シングルコア:611、マルチコア:1959)、右がCompute(1257)。同じSnapdragon 765Gを搭載するPixel 5と比べても遜色はない
こちらはグラフィックス性能を測るベンチマークアプリ「3DMark」のSling Shot Extremeの結果。OpenGL ES 3.1で3295、Valkanで3080。他のSnapdragon 765G搭載機と同様に少なくとも現時点では非常に快適に利用可能
Rakuten BIGの上下側面。上側面にはサブマイク、下側面には通話用マイク(送話口)やmicroSDカードスロット、USB Type-C端子、外部スピーカーが配置。3.5mmイヤホンマイク端子は非搭載
携帯電話ネットワークでは5G NR方式におけるSub6に加えてミリ波にも対応し、4G LTE方式や3G W-CDMA方式にも対応しており、対応周波数帯は以下の通り。4x4 MIMOや256QAM、VoLTEをサポートし、2G GSM方式には非対応。また通信面ではIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠(2.4および5.xGHz)の無線LAN(Wi-Fi)やBluetooth 5.1にも対応し、テザリング(最大10台)にも対応しています。
5G (Sub6): Band n77 (3.8GHz)
5G (ミリ波): Band n257 (28 GHz)
LTE (FD): Band 1 (2.1GHz) / Band 3 (1.8GHz) / Band 4 (1.7GHz / 2.1GHzAWS) / Band 5 (850MHz) / Band 7 (2.6GHz) / Band 12 (700MHz) / Band 17 (700MHz) / Band 18 (800MHz) / Band 19 (800MHz) / Band 26 (800MHz) / Band 28 (700MHz APT)
TD-LTE: Band 38 (2.6GHz) / Band 41 (2.5GHz) / Band 42 (3.4GHz)
WCDMA: Band I (2.1GHz) / Band II (1.9GHz) / Band IV (1.7GHz / 2.1GHz AWS) / Band V (850MHz)
GSM: 非対応
Rakuten BIGで5Gを利用しているところ。なお、楽天モバイルオリジナルモデルではありますが、SIMロックのかかっていないSIMフリーモデルなので楽天モバイル以外でも利用可能ですが、eSIMなのでIIJmioなどのeSIMで提供しているサービスのみが利用できます。ただし、VoLTEは楽天モバイルのみに対応し、NTTドコモやau、SoftBankのVoLTEには非対応とのこと
OSはAndroid 10がプリインストールされており、起動画面の他にプリインストールアプリも楽天の各種サービスが多くあります。ただし、楽天モバイルのmy 楽天モバイルやRakuten Linkなどの一部以外の楽天トラベルや楽天市場、楽天カード、楽天銀行、楽天Edy、楽天ペイ、楽天マガジン、Rakuten Music、Rakuten TVはアンインストールが可能となっていました。
内蔵ストレージはシステムやプリインストールアプリなどに20GB近くが利用されており、残りは100GBちょっとに。バッテリー機能として電池消費を抑えるために4Gと5Gを切り替える「5Gパワーセーバー」機能にも対応
端末情報と認証情報。日本向けの認証は電波法に基づく技術基準適合証明/工事設計認証(R)が「022-200041」、電気通信事業法に基づく技術基準適合認証(T)が「ADF200073003」。中国製であることも記載
ざっくりと紹介してきましたが、アンダーディスプレイカメラを搭載している6.9インチの大画面で、5Gのミリ波やおサイフケータイ、防水・防塵にも対応しているということでなかなか面白い製品であるため、楽天モバイルで利用するならなかなか話題性もあって良いのかなと思われました。
一方でeSIMにしか対応していないため、現状では楽天モバイル以外で利用しようとすると日本国内では音声通話に対応したサービスがないのが残念なところ。またフロントカメラは多少しか試していませんし、普段はほぼ使わないのであまり評価がしづらいところですが、画質という面では期待しないほうが良さそうです。
今後、楽天モバイルの5Gがエリア拡大することを考えれば、面白い製品なんだろうとは思いました。価格も5Gかつミリ波に対応した製品としては楽天ポイントの還元を含めれば実質46,800円となりますし、これから楽天モバイルの契約とセットで購入して「Rakuten UN-LIMIT Vお申し込みキャンペーン」を利用できるならコストパフォーマンスも高いのではないでしょうか。
記事執筆:memn0ck
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