さらに強化されたカメラと高いスペックが魅力のAQUOS R8 Proレビュー後半をお届け!


ミリ波を含む5Gに対応したフラグシップハイエンドクラスのNTTドコモ向けAndroidスマートフォン「AQUOS R8 Pro SH-51D」(シャープ製)が2023年7月20日から発売されてしばらくの期間が経ちました。

AQUOS R8 Proは、Qualcomm製の現時点での最上位のSoCである「Snapdragon 8 Gen 2」を採用し、12GB RAMの動作メモリーなど、現時点でのAndroidスマートフォンとしては最上位モデル級の高い本体スペックに、ドイツの光学機器メーカー「Leica(以下、ライカ)」監修の1型センサー搭載のメイン(リア)カメラを搭載したスマートフォンとなっています。


販路はドコモショップや量販店などのドコモ取扱店および公式Webストア「ドコモオンラインショップ」など。価格はドコモオンラインショップなどの直営店における本体価格が209,000円(税込)で、いつでもカエドキプログラムに加入し、23カ月目に製品を返却する場合は残額の91,080円が免除され、実質負担額は5,126円×23回(総額117,920円)となります。

前回は開封レポートに同梱品やプリインストールアプリの紹介などお送りしましたが、後編となる本記事では本機を実際にしばらく使って気が付いた点やベンチマークスコア、ゲームアプリのテストや本機で撮影した画像のサンプルなどをお送りしていこうと思います。

【ベンチマークスコアで性能を測る】

それでは早速、ベンチマークスコアの比較からチェックしてみましょう。今回用いたベンチマークアプリは「PCMARK」で、「Work3.0 peformance」テストにて3回計測を行い、その中間スコアを参考値として採用し、アプリ内のランキング表と照らし合わせて、端末の概ねの総合性能を測っています。
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AQUOS R8 Pro SH-51Dのベンチスコアとランキングの近似値周辺

ベンチマークを行ったところ、かなりスコアに振り幅があったものの、中央値のスコアは「14,959点」のため、これを参考値として採用しました。

ランキング表の周辺スコアで近似値の端末を見てみると、少し上のところに国内でもリリースされている「Galaxy S23」や「Motorola Edge 30 Pro」、「Motorola Edge 40」の名前が確認できます。

1世代前のSoC(Snapdragon8 Gen1)を搭載している「Motorola Edge Pro」が上にいるのは画面解像度がAQUOS R8 Proと比べて抑えめ(AQUOS R8 Proが2,730×1,260ドットのWUXGA+に対して、Motorola Edge30 ProやEdge40は2,400x1,080ドットのFHD+)になっているのも理由と言えるでしょう。

補足として、少し上にいる「Galaxy S23」も画面解像度は2,340×1,080のドット(FHD+)とAQUOS R8 Proと比べて、やや抑えめになっており、総合値を測るベンチマークでは若干有利になっている点もチェックしておきましょう。

AQUOS R8 Proの場合、動画の視聴やカメラ撮影時の画の精細さを優先して、より高精細なディスプレイを搭載したものと思われますが、その場合、ベンチマークテストなどでは若干スコアが下がってしまうことになります。(この辺りはベンチマークスコアとのトレードオフになってしまいます)

なお、ランキング最上位付近は更に過剰にスペックを盛り込んだ、スコア17,000点超えのゲーミングモデルのスマートフォンがひしめき合っており、ここまでの強烈なスペックとはいかないまでも、十分にフラグシップ級ハイエンドモデルを名乗れるスコアであることには違いありません。


【ゲームアプリはどのくらい快適に遊べる?】

最上位級モデルだけあって、派手なエフェクトが飛び交い、3Dモデルキャラクターが動きまくるようなゲームアプリなども大抵のものはバッチリ快適に動作します。
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数十人ものキャラクターが同時に登場するようなリズムゲームやスピード感のあるバトルものな3Dキャラの動き回るようなゲームでも快適です


もちろん、ゲーミングモデルや同一のスペックで解像度を抑えめにしてあるような端末と比べるとわずかに追いつけない部分もありますが、ほぼ気にならないレベルに感じます。

ディスプレイパネルのタッチ反応も軽快で、ゲームアプリを遊び倒すにも満足のいく水準と言えるでしょう。

また、AQUOSの上位モデルスマホではお馴染みになった「なめらかハイスピード」による動作フレーム補完機能の恩恵も大きく、動画コンテンツはもちろんですが、「VRコンテンツ」も対応しているアプリであれば、最大240Hz駆動(60Hzで動くコンテンツの場合。30Hzのコンテンツでは最大で120Hz駆動)で鑑賞ができることからVRコンテンツによる違和感がいくばくか低減され、いわゆる「VR酔い」しにくいのもポイントです。(個人差があるものなので、絶対とは言い切れませんが)
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アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトスポット(通称:デレスポ)の画面。VRコンテンツなので実際に体験してみないとわかりづらいですが、AQUOSスマホの上位モデルとVRの相性はかなりいい。


【スペクトルセンサーの追加でさらに強まったカメラ機能】

「R6」以降、AQUOS Rシリーズにはドイツの光学機器メーカーのライカが監修した撮影機能を採用していますが、本機でも健在で今回は新たにスペクトルセンサー(ざっくりと言うと光の波長を読み取るセンサー)をリアカメラ横に搭載したことで、これまで以上に色の再現度を高め、より史実な写真を撮ることができるようになりました。

1インチセンサーかつハードウェアでスペクトルセンサーまで搭載したスマートフォンは極めて稀で、難しい手順や操作を必要とすることなく、美麗な写真の撮影が可能です。

以下の写真はAIオートモードで設定もデフォルト(初期設定)の状態で、手持ちにて撮影したものをリサイズのみしたものです。
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AIによる処理も上々で、手軽に鮮やかでキレイな写真が撮れます。

ただし、シングル仕様のカメラゆえの弱点もあり、風景写真やポートレート撮影には非常に強い反面、通常の画角のカメラのみなので極端なズームやマクロは得意でなく、接写にしたい場合は少し距離を空けてちょっぴりズームするなどのひと工夫が必要になります。

また、R6時代からずっとなのですが「モノクロ撮影モード」がなく、モノクロ撮影をしたい場合は「マニュアル撮影モードにして彩度の設定を-5(一番低い設定。他の設定は全部オートでも可)に変更する」をしないと撮ることができません。

せっかく、ライカのチューニングの入ったびっくりするほどキレイなモノクロ写真が撮れるのに非常に勿体ないです。

その他にカメラアプリの撮影モード(「カメラ」や「動画」、「ナイト」、「マニュアル撮影」)のソート(並び替え)も出来ないほか、8Kビデオ撮影は最長で1分まで、と色々と気になる部分もあります。(8Kで動画をがっつり撮影したとして、再生できる機器がどれだけあると思っとるねん、というツッコミは覚悟の上です)

写真撮影機能についてはシングルカメラゆえのクセの強さもありますが、撮れる写真は非常に美麗で、このクセの強さになれてしまうと、手放せない魅力があります。不満点もないわけではありませんが、今後のアップデートや機能追加でこの辺りの不満点については是非とも改善していって欲しいところです。

余談ですが、AQUOS R8 Proには公式のアクセサリーとして「AQUOS R8 pro ハイブリッドケース カメラレンズフィルター対応」(エレコム製)というちょっぴり個性的なスマホカバーが発売されています。

これをAQUOSR8 Proへ装着することで、1眼カメラ用52mmサイズ規格のレンズフィルターが利用可能になります。

このケースを利用することでAQUOS R8 Proをさらに本格的なカメラへと近づけることが可能です。
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カメラ機能をさらに広げる特殊なスマホカバー。黒無地一色のみなのがちょっぴり寂しいですが…


【まとめ:スペック・カメラ機能が順調に強化された、先代からの正統深化モデル】

AQUOS R8 Proは先代モデルであるAQUOS R7とほぼ同じ形状ながら、SoCは発熱が抑えられつつもスペックアップを果たしたSnapdragon 8 Gen2へ強化されたことで、より使いやすくなり、カメラ機能も基本的な部分は1インチセンサーという大判センサーのシングルカメラ搭載という点は踏襲しつつも新たにスペクトルセンサーを追加することで、撮影のレスポンスと画像の再現度がさらに強化されたR7の直系のアップグレードモデルとして正しく進化と深化(より深く強化されたという意味で)したスマートフォンと言えるでしょう。

最上位級Androidスマートフォン(特に大手通信キャリア取り扱いモデル)だけあって、本体価格が高めということもあり、誰にでも手軽に「とにかく買っちゃおうよ!」とは言いづらい面もありますが、全体的に高水準の本体スペックにこだわりまくったカメラ機能が非常に魅力的なスマホだと思います!

気になった人はまずは、実機の置いているキャリアショップや量販店などで実際に触って確かめてみましょう!!



【大きな余談という名のおまけ】

本記事内で紹介した公式のレンズフィルター対応のスマホカバーなのですが、本体カラーに合わせてなのか、バリエーションが黒1色の無地であまりにも味気ないので、岡山県のスマホやガジェット向けの画面フィルムやデコレーションシートを製作、販売しているPDA工房に特注でスマホカバー用のデコレーションフィルムを製作してもらいました。
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カバー本体に特注フィルム発注費など、トータルで1万円以上かけてしまいましたが概ね満足です。(レザー調レッドとかかっちょいいでしょ!!)






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