陸上自衛隊北部方面隊が通信事業者5社と災害対策通信器材積載訓練を実施! |
陸上自衛隊およびNTT東日本、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの通信事業者5社が2024年10月25日(金)に陸上自衛隊丘珠駐屯地(北海道札幌市)にて「災害対策通信器材積載訓練」を実施したとお知らせしています。災害対策通信器材積載訓練は陸上自衛隊が民間の通信事業者と協同連携に関する実施協定に基づいて2008年から定期的に実施しており、今回は楽天モバイルが初参加したとのこと。
そうしたことから楽天モバイルでは訓練の模様をレポートとして掲載しており、訓練では陸上自衛隊北部方面隊とともに災害時を想定して通信器材の航空機積載から卸下までのフロー確認を行うこと、またより迅速な復旧活動の実現をめざして改善点を洗い出すことを目的とし、楽天モバイルを代表して同社BCP管理本部 本部長の磯邉 直志氏および同災害対応支援課 課長の山崎 淳子氏、同リエゾンリーダーの川口 裕之氏、同基地局保全部 相沢 大介氏などが参加したということです。
楽天モバイルでは2022年2月1日に災害対策基本法第2条第5号に基づく「指定公共機関」に指定され、防災業務計画の策定をはじめとして災害予防・応急対策・復旧などにおいて重要な役割を果たすことが求められていることからそ防災に関する専門部署を設置し、全社規模での体制作りを行うことだけでなく、災害を想定した訓練の開催・参加にも注力しているということです。
訓練は楽天モバイル社内で独自で実施するもの、今回のように外部機関と連携し、より大規模に実施するものなどと多岐に渡っており、楽天モバイルは昨年の2023年は75件の外部訓練や行事に参加し、今年は昨年を上回る数の訓練の計画があるとしています。今回参加した訓練では楽天モバイルの「可搬型基地局」を自衛隊のヘリコプターに積載すること、卸下することの訓練を実施したとのこと。
この可搬型基地局は主に車両の乗り入れが困難な場所または走行ができないようなエリアにおいて活用し、応急的に通信手段の確保を行うための基地局で、特長は機材をコンパクトに梱包することができ、必要な場所へ迅速に輸送することが可能なことです。また通信機材の中では小型だとはいえ、ヘリコプター機内のスペースには限りがあること、また重量制限もあり、各機材の積載位置、積載の順番、卸下から現地作業に移る際の効率性、重量観点では飛行時のヘリコプターのバランスも考慮して安全かつスピーディーな対応が求められています。
<積載をする上で工夫した点や訓練での学び・新たに見つかった課題点など>
川口氏:ヘリコプターの重量制限を考慮した積載物の選定を行い、飛行時のバランスを保つため、重量物を中心に配置する工夫を行っています。また限られた機内スペースへ効率よく積載するために順序を工夫しています。運搬後の現地作業への移行においても、より効率性を高めるために、作業工程のマニュアル化も対応しました。
山崎氏:今年1月に発生した能登半島地震では、土砂崩れ等での道路の損壊により、復旧活動において被災地にたどり着けない事案も起こりました。今回の訓練でも、孤立エリアにおける機材の運搬と現地対応を想定しており、能登の対応時のように現地での積雪なども考え、機器を人力で運ぶために折りたたみのリアカーをヘリコプターに積載するテストも実施しました。災害時に実際に現場で機材運搬を行うとなった場合、災害対策本部を通して、運搬先等の調整を行うことになると思いますが、現場の方々がスムーズにやりとりできるように、正確にコミュニケーションを図りたいと考えています。
相沢氏:今回、はじめてリアカーをヘリコプターに積載することを試験しました。機材を運搬するためのリアカーのため、リアカー自体が大きく、これをバランスよく積載すること、また捕縛することに苦戦しました。ヘリコプターのメインローターを稼働した中での訓練で、音が大きく、声での指示が通りづらいので、機材に番号を振る等の工夫を行いました。本訓練でみえた各機材の積載や捕縛方法などの課題について、追加でしっかりとマニュアル化していきたいと考えています。
磯邉氏:今年は、能登半島地震の発生だけでなく、南海トラフ地震巨大地震注意発令、大雨による災害もあり、災害対策や復旧活動において、外部機関や地方自治体との連携の大切さをより多く感じた年となっています。実際の災害対応や社内外での訓練等を通じて見つかった課題にしっかりと向き合い、改善し、引き続き当社の掲げる「そなえる、つなぐ、よりそう」の取り組みを実行していければと考えています。
#北部方面隊 は、10月25日に丘珠駐屯地で各通信事業者との災害対策通信器材積載訓練をしました。
— 陸上自衛隊北部方面隊 (@NorthernArmy_pr) October 31, 2024
事業者5社が参加し、陸自ヘリでの輸送を想定して、積載~移動~卸下の一連動作を演練し、対処能力を向上、連携を強化しました。#災害派遣 #災派 #NTT東日本 #NTTドコモ #KDDI #Softbank #楽天モバイル pic.twitter.com/xt8QGu1CnU
記事執筆:memn0ck
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