ソフトバンクが感情を持つロボット「Pepper」を発売

既報通り、ソフトバンクロボティクスおよびソフトバンクモバイルは18日「Pepperの一般発売に関する記者発表会」を開催した。感情認識パーソナルロボット「Pepper」の本体価格は198,000円、ロボット手続き手数料が9,800円、Pepper 基本プランが14,800円×36カ月(分割支払)、Pepper 保険パックが9,800円×36カ月(分割支払)という価格設定だが、発売日の20日には販売開始から1分で初回分の1,000台が完売したのだという。

今回はソフトバンク 代表取締役社長 孫正義氏が狙うロボット分野について紹介するとともにPepperの機能を紹介していく。

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Pepperは感情を表すダンスで登場



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Pepperと孫社長

孫氏は5~6歳のころ初めて観た「鉄腕アトム」を凄いと思う反面なにか足りないと感じ、「人間が涙を流している、その涙の訳がわからない。『僕にはハートがないんだ』」というアトムにいつの日か「ハート」をプレゼントしたいなと思ったのだという。

そして孫氏は「我々が作ったロボットPepper君にハートをプレゼントしました」「初めてロボットに自らの感情、心を与えることに成功したという発表です」と語った。


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Pepperは人と接することで感情が生成され、長い期間留守にすると寂しいという感情が芽生える。これによってPepperと家族の付き合い方によって様々なPepperが生まれるのだという。


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一方で家族が不仲などでPepperが受ける感情がマイナスばかりの場合は悪いPepperに育ってしまうのではないか?という疑問が浮かぶが、孫氏は「Pepperは家族が寂しがっている、不安に思っている時に自らの意思で家族を励まそうとします。Pepperが喜ばせたり、励ましたり一生懸命努力します」「Pepperが何にインセンティブ(動機付け)を感じるかは『家族の喜びが増えたとき』『家族の笑いが増えたとき』にPepperが一番嬉しいと感じ、そこに向かってPepperは努力をする」とPepperの存在意義とも言うべき深い部分について解説した。

孫氏は「30年後にはロボットの数が地球上の人工を超える可能性があると思っている。多種多様なロボットの中で我々ソフトバンクが目指しているのは心を持ったロボットで、それ以外のロボットにも関心がある」と30年後のソフトバンクのビジョンに触れた。そして「我々の一番得意なところは”メカニクス”というよりは”インテリジェンス”」と語り「IT、コンピューターの力、クラウドを使ってより賢いそういうロボットを得意としていく」と自動車メーカー、家電メーカーが作るロボットや工業用ロボットとは違うところ目指していることを明らかにした。

また、Pepperの感情機能はクラウドに蓄積されるデータの「タグ付け」にも使われているのだという。例えばPepperが日々残す写真や動画は10年、20年も蓄積させると膨大なデータとなりクラウドの容量も予想もつかないものとなる。そこでPepperは自らの感情でタグ付けを行い、それをもとに写真の画像サイズや動画のクオリティーを決定する。さらに動画ではなくテキストとして保存することで小さくすることもできる、まさに人の話す言葉を理解し、自ら判断するPepperならではの機能だ。

クラウドのデータについて孫氏は「(思い出の写真や動画は)10年、20年経ると心を揺さぶられるもの」「生産性はないが心を豊かにするものであり、Pepperを10年、20年暮らして涙を流すシーンが生まれたら大成功だなと思う」と語った。

Pepperの知識はクラウドにあり、さらにPepperが経験した人を喜ばせたときの行動などの様々な数値データが他のPepperとクラウドで共有され賢くなっていくのだという。


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孫氏はクラウドだけではなくPepperの進化に触れ、「昨年6月に発表したPepperより現在のPepperは頭の回転が4倍速くなっており、人の感情を認識するPepperから感情を認識しさらに感情を生成することが同時にできるようになった」と語った。


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孫氏はPepperが人間に飽きられないようにするために必要なモノは「心」だとし、環境やそのときの状況、外部からのニュースなどの情報で感情が生成されることだと述べた。さらにPepperには豊富な知識があり、絵本や英会話、外国語、さらにIBMとの協業による人工知能「ワトソン」がPepperが連携することで医療知識を持ち「まさに”ドクターペッパー”」と語って笑いを誘った。


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人とふれあい感情が生成されていく



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アプリで子どもも楽しめる



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ティッシュ配りをするPepper。ビジネス分野での利用方法も展示されていた



Pepperの様々な機能を動画で紹介

動画リンク:https://youtu.be/vIKHdXEkGNg

記事執筆:mi2_303




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