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京セラ製au向け「かんたんケータイ」がさらに使いやすくなって登場!

京セラは9日、都内にて今夏のau向け最新モデルとなる折りたたみ型携帯電話「かんたんケータイ(型番:KYF32)」の商品説明会を開催しました。かんたんケータイは主にシニア層をメインターゲットとしたフィーチャーフォン(従来型携帯電話、いわゆる「ガラケー」)タイプの製品で、OSにAndroidを採用した「ガラホ」となっています。

すでに7月30日よりauショップ店頭や公式Webストア「au Online Shop」など販売が開始されており、価格(税込)は本体価格が32,400円、他社から乗り換え(MNP)での契約の場合実質負担は10,800円、新規契約と機種変更では実質負担は21,600円となっています。

京セラはこれまでにも「簡単ケータイ」シリーズを作り続けてきており、初代となる「W32K」から数えて11年、かんたんケータイは10世代目の製品となります。また前機種となる「簡単ケータイ K012」からは4年ぶりの新機種投入となりましたが、このタイミングとなった経緯やかんたんケータイに盛り込んだ新機能にはどのような意図があるのでしょうか。今回はそういった点を説明会の模様を通して紹介したいと思います。

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本体カラーはゴールド、ピンク、ブルーの3色


■ユーザーの声を拾い続けてきた11年間
説明会冒頭でまず紹介されたのはこれまでの簡単ケータイシリーズの歴史です。2005年に同社初の簡単ケータイ「W32K」が発売され、その後も継続して毎年のように新機種を投入、シニア層に特化した端末として常に一定の需要を満たしてきました。

中には通話のみに特化した「A101K」のような非常にニッチなユーザーニーズに応えた端末もあり、同社の試行錯誤の歴史も伺えます。

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新規契約者数が急伸していた時期には年に2回の新機種投入が行われた年もあった


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W32KとA101K。型番ルールに懐かしさを覚える人もいるだろう

そもそもはシニア向けとしてだけではなく子供でも安心して使えるケータイとしても開発されてきた同シリーズですが、時代の変化とともに購入層や購入形態も次第に変化し、よりシニア層向けに特化したシリーズになりました。

前機種となる簡単ケータイ K012から4年間、新機種投入がなかったことについても新規購入の割合が減り、機種変更による購入が9割以上となったことから機種変更のタイミングなどに合わせる形になったと説明しています。

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2007年から2012年までの5年間だけで新規契約者の割合は一気に下がった


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現在の日本の人口はほぼ3分の1が60歳以上となっている

京セラは製品付属のアンケート用紙以外にも巣鴨などの年配者が集まる場所などでも直接ヒアリング調査を行い、製品作りに反映させてきたとのこと。音の聞き取りやすさやキーの押しやすさ、そしてUI表示の分かりやすさなど、実際に同シリーズを使っているユーザーの声を丁寧に拾い上げることが重要だと語りました。

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同シリーズのユーザーから寄せられた声は何よりも貴重だ


■最新機能と最新規格の投入でより使いやすくなったKYF32
こういったユーザーからの要望を取り入れたかんたんケータイは、現在のフィーチャーフォンやスマートフォン(スマホ)のトレンドにも合わせたモダンな性能となっています。

本機の最大の特徴とも言えるのが大きく見やすい画面とVoLTEやスマートソニックレシーバーの採用です。簡単ケータイ K012では3インチであった画面サイズは本機で3.4インチへと大型化し、解像度もフルワイドVGA(480×854ドット)へと高精細化。文字や写真などがより鮮明に表示できるようになり視認性が向上しています。

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持ちやすい大きさと大画面を両立した本機

簡単ケータイシリーズにおけるVoLTEの採用は初。OSにAndroidを採用したことで可能となり、高音質で聞き取りやすい音質を実現しています。

また画面に耳を当てるだけで音が聞こえるスマートソニックレシーバーも簡単ケータイ K012から引き続き採用。携帯電話のスピーカー部分に耳を正しく当てられずに音が聞こえづらくなることは高齢者に限った話ではなく、現在ではこの機能を同社のフィーチャーフォンやスマホのほとんどに採用しています。

スマートソニックレシーバーのメリットは「画面のどこに耳を当てても音が聞こえる」だけではなく、画面全体を耳に当てるために音の遮蔽効果も高く、街の雑踏や騒音の激しい駅構内などでも「周囲の音を遮断しやすい」点にもあります。

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より広い音声周波帯域に対応し鮮明な通話品質を実現したVoLTE


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スマートソニックレシーバーは一度使うと手放せなくなるほど便利な機能だ

キーの形状や配置も改良。従来機のアンケートなどからキーサイズの大型化や数を減らして欲しいとの要望が多かったことからテンキー面のファンクションキーを一部削除。空いたスペースの分だけ重要なキーを大型化することが可能となり、要望に添えるデザインになったと説明しています。

またキーの形状や配色とユーザーインターフェース(UI)のキーデザインが異なって使いづらいという要望にも応え、同じ形状にすることで視覚的な混乱を低減しています。

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大きくすっきりとした配置になったキー面。緊急ブザーキーは側面に移ってより分かりやすく、使いやすくなった


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スライド方式で分かりやすい電源キーは従来機から継続して採用

さらに防水防塵や耐衝撃性能の向上も特長の1つです。高い耐衝撃性能を有したフィーチャーフォンやスマホは京セラのお家芸ともなっており、本機も米国国防総省が制定した「MIL-STD-810G Method 516.7:Shock-Procedure IV」に準拠した規格において、1.22mの高さからラワン材に26方向で落下させる試験を実施。ポケットやバッグから取り出した際などに起こる不意の落下から故障を防ぐ仕様となっています。

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K012では防水のみであったが本機では防塵機能も追加した

カメラ機能もニーズの向上に合わせて進化。手ぶれ補正機能や顔認識機能を同シリーズでは初搭載し、約800万画素に向上した撮像素子と合わせてより簡単で美しい写真撮影を実現しました。

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かんたんケータイだからこそ、カメラ機能も簡単で美しく

この他、ソフトウェア面でも改良が加えられています。歩数計アプリと連動して家族などにメールを通知する機能は歩いていない日でもメールを通知する定期送信型に変更され、離れて暮らしている家族などへの安全確認の通知としても便利に活用できるようになりました。

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ケータイが担うセーフティネットとしての役割は大きい


■成熟した機能とデザインの先に
説明会終了後に「今まで寄せられた声などを含め、本機に盛り込めなかった要素はありますか?」と質問したところ「ありません」と即答されました。本機のベースとなっているのは今年2月にau向けとして発売された「GRATINA 4G」であり、むしろこのGRATINA 4Gからシニア層が使いやすい機能のみを厳選し、さらにシニア層からの要望を元に再構成されたのがかんたんケータイだと言っても過言ではなく、開発者の自信のほどが伺えます。

実際に端末を手に取って試用してみると、これまでの簡単ケータイシリーズで培われてきたUIや使いやすさはそのままにより分かりやすく改良されており、完成度の高さを感じました。シニア層向けということで派手な高性能さや多機能さはありませんが、基本機能をしっかりと作り込んだ安心感があります。

ケータイならではの利便性や多機能性と、ケータイ初心者やシニア層でも簡単に使える分かりやすさという相反した要望に、11年・10世代という歳月を費やして取り組み続けてきた簡単ケータイ。かんたんケータイはその集大成かつ新しいスタートと呼んでも差し支えなく、これまで同シリーズを使い続けてきた方やこれから新規での購入を検討されている方にも安心して使える端末に仕上がっているのではないでしょうか。



記事執筆:あるかでぃあ


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