SIMフリースマホ「ZenFone 3」と「ZenFone 3 Deluxe」の性能を紹介!

この秋冬のSIMフリースマートフォン(スマホ)の中でも注目度の高いASUSTeK Computer(以下、エイスース)の「ZenFone 3」シリーズ。その中でも最初に発売になったベースモデルの「ZenFone 3(型番:ZE520KL)」と、次に発売になった上位モデルの「ZenFone 3 Deluxe(型番:ZS550KL)」の2機種について「どんな違いがあるのか」を比較してチェックしていきます。

前回の第1回目ではパッケージと本体外観の違いを確認しました。第2回目の今回は気になる「性能」についてスペック表とベンチマークスコア、実際に操作したときの印象などを比較していきます。

【ZenFone 3とZenFone 3 Deluxeをスペック表で比較】

今年9月に発表された日本向けのZenFone 3シリーズは、今回紹介している2機種に加え、さらに上位かつ大型の「ZenFone 3 Deluxe(型番:ZS570KL)」を合わせた3機種です。

・ZenFone 3 ZE520KL
・ZenFone 3 Deluxe ZS550KL
・ZenFone 3 Deluxe ZS570KL

この中でも3つ目のZenFone 3 Deluxe ZS570KLは真のハイエンドモデルとしてスペックが段違いの機種となっており、その分価格も高額に設定されています。

今回、あえて上の2機種を比較しているのは「デザインが別モノ」かつ「価格差がそこまで大きくない」の2点で、どちらを選んだからいいのかわかりづらいため。よって、以下にまとめるスペック表も2機種に絞って比較をしていきます。

ZenFone 3
ZE520KL
ZenFone 3 Deluxe
ZS550KL
発売日2016年10月7日2016年10月28日
実売価格4万円台前半6万円台前半
OSAndroid 6.0.1Android 6.0.1
SoCQualcomm Snapdragon 625Qualcomm Snapdragon 625
内蔵メモリー(RAM)3GB4GB
内蔵ストレージ32GB64GB
ディスプレイ5.2インチ
Super IPS+液晶
Corning Gorilla Glass 3
5.5インチ
Super IPS+液晶
Corning Gorilla Glass 4
画面解像度フルHD
1080×1920ドット
フルHD
1080×1920ドット
リアカメラ約1600万画素約1600万画素
フロントカメラ約800万画素約800万画素
バッテリー容量2650mAh3000mAh
対応通信規格・バンドFDD-LTE:B1、B2、B3、B5、B7、B8、B18、B19、B26、B28
TD-LTE:B38、B39、B40、B41
キャリアアグリゲーション:2CA対応
W-CDMA:B1、B2、B5、B6、B8、B19
GSM、EDGE:850、900、1800、1900MHz
FDD-LTE:B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B12、B17、B18、B19、B20、B26、B28
TD-LTE:B38、B39、B40、B41
キャリアアグリゲーション:2CA対応
W-CDMA:B1、B2、B4、B5、B6、B8、B19
GSM、EDGE:850、900、1800、1900MHz
Wi-FiIEEE802.11a/b/g/n/acIEEE802.11a/b/g/n/ac
BluetoothVer 4.2Ver 4.2
セキュリティ機能指紋認証対応指紋認証対応

スペックの要となるチップセット(CPU・GPU)はどちらもQualcomm Snapdragon 625を搭載。
基本的な処理能力は同じと考えていいでしょう。また、アプリを動かすための領域=内蔵メモリー(RAM)の量はZenFone 3 Deluxe ZS550KLの方が1GB多い4GBとなっています。

ディスプレイはサイズの違い以外に、ZenFone 3 Deluxe ZS550KLでは覆っているガラスがより頑丈なCorning Gorilla Glass 4を採用しています。一方、ZenFone 3 ZE520KLは端に丸みのある2.5DガラスのCorning Gorilla Glass 3を採用。

画面サイズの違いがあるため、実際の電池持ちにどれだけ違いが出るかはなんとも言えませんが、電池持ちで「より大きなバッテリーを!」となった場合、ZenFone 3 Deluxe ZS550KLの方が10%ほど多い3000mAhのバッテリーを搭載しているのも見逃せないポイントです。

また、SIMフリースマホの購入目的に「多くの通信事業者で使いたい」や「海外へよく行くので現地のSIMカードを使いたい」といった場合もあり、それにはZenFone 3 Deluxe ZS550KLの方が対応している周波数が多いのもポイントでしょう。

一方、au回線やau回線の仮想移動体通信事業者(MVNO)で使えるかどうかの「au VoLTE」対応や3G・4Gの同時待受機能「デュアルSIM・デュアルスタンバイ(DSDS)」自体はどちらの機種も対応しています。

パッと見ではわかりづらい、ZenFone 3 ZE520KLとZenFone 3 Deluxe ZS550KLのスペックの差の中でも目立って違うのは以上です。確かにデラックス(Deluxe)を冠するだけあり、+αのスペックアップ、上位モデルであることは間違いなさそうです。

【ZenFone 3とZenFone 3 Deluxeをベンチマークで比較】

スペック表で違いを確認しましたので、次に気になるのが「実際の性能差」。処理能力を決めるチップセットが同じだけれど、ZenFone 3 Deluxeの方がRAMの容量が大きいなど、使い心地に影響が出そうな部分を数値にして比較してみました。

ベンチマークには定番の「Antutu Benchmark」と「GeekBench 3」のアプリを使用しました。測定条件を揃えたいため、両機種ともに以下のような状態で実施しています。
 1)本体は初期化
 2)Googleアカウントを設定
 3)プリインストールアプリはすべて最新へ更新
 4)一度再起動を行う

ZenFone 3、ZenFone 3 Deluxeそれぞれで測定した結果が以下の通りです。

・ZenFone 3 ZE520KL
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・ZenFone 3 Deluxe ZS550KL
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何度か測定を行いましたが、結果はわずかにZenFone 3 ZE520KLの方が高い数字を出すというまさかの結果に。念のため補足しておくと、本体ソフトウェアのチューニングなどで十分に埋まるスコア差になっているため、実際に利用する限りであれば、この2機種について性能は同じと考えてしまってもいいでしょう。

また、ベンチマークでは測りきれない要素として「RAM容量による快適さ」があります。重たいアプリを複数動かす場面では、どうしてもメモリーが足りず動作が重たくなったり、アプリを切り替えた際にそれまで使っていたアプリが終了してしまうこともあります。

RAM容量が大きければアプリが勝手に終了することもないため、実際の使い方でいえば1GB多いZenFone 3 Deluxe ZS550KLに分があるとも言えます。

若干腑に落ちない結果ではありますが、スペック表の僅かな違い、そしてベンチマークスコアを踏まえ、それぞれをオススメしたいのは、

 価格を重視する人 → ZenFone 3 ZE520KL
 使い方へのこだわり、僅かでも快適さを選びたい人 → ZenFone 3 Deluxe ZS550KL

といったようにまとめたいと思います。第1回目で比較した本体外観、そして、素材の違いによる質感も含め値段を取るか、+αの「あったらいいかも」を取るかとも言えます。

次回の第3回目ではZenFone 3 ZE520KLとZenFone 3 Deluxe ZS550KLのカメラを比較していきます。



記事執筆:黒ぽん(迎 悟)


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