ソニーが2017年度経営方針説明会を実施!スマホ事業は黒字化

ソニーは23日、都内にて「2017年度 経営方針説明会 - 中期経営計画の着実な達成と持続的な高収益・価値創出を目指して-」を開催し、モバイル・コミュニケーション分野およびスマートフォン(スマホ)事業ともに2016年度は黒字化を達成したものの、スマホの販売台数は当初見通しより大幅に減少し、中でも「Xperia X」や「Xperia X Compact」といったミッドハイレンジクラス「プレミアム・スタンダード」の達成率が悪いため、2017年度以降は投入しないことを明らかにしています。

また2017年度以降の取り組みとしてソニーらしい技術で商品を差別化し、強みを持つ市場への一層の集中を行うとし、すでに発表している「Xperia XZs」や「Xperia XZ Premium」に加え、2017年下期に新たなフラッグシップモデルを2機種投入するとしています。

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同社では子会社のソニーモバイルコミュニケーションズ(以下、ソニーモバイル)がスマホ事業を含むモバイル・コミュニケーション分野を主に手がけており、スマホは「Xperia」シリーズとして展開中。

Xperiaシリーズは昨年にシリーズを一新し、現在は「Xperia X Performance」や「Xperia XZ」などハイエンドクラス「フラッグシップモデル」、さきほどのプレミアム・スタンダード、海外で販売している「Xperia XA」や「Xperia XA Ultra」などのミッドレンジクラス「ミッドレンジモデル」の3クラスに投入しています。

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全体として2016年度におけるモバイル・コミュニケーション分野は売上高が7,591億円(前年度比32.7%減)、営業利益が102億円(前年度比716億円増)と黒字化しましたが、2016年にシリーズを一新して価格やモデルを整理したことや為替、OPEX削減・オペレーションの質改善による影響がプラスになったためで、販売台数の減少はかなり大きなマイナス要因となっています。

販売台数Q1Q2Q3Q4合計
2015年度720万670万760万340万2490万
2016年度310万350万510万290万1460万

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中でもプレミアム・スタンダードモデルの見通しに対する達成度が低く、達成率は日本で85%、海外で31%、全体で43%と、フラッグシップモデルの達成率の日本で104%、海外で60%、全体で88%よりも状況が悪いとのこと。

またミッドレンジモデルを含めた全体でも日本で105%、海外で62%、全体で73%と通期見通しで販売国・地域などを絞って2000万台と少なめに予想していたにもかかわらず、1460万台と予想以上に落ち込んでしましました。

原因としては「セルイン重視の販売施策による旧モデル在庫の積み上がり」や「流通在庫へのアテンション不足と対応アクションの遅れ」、「ビジネス最適化されていない新モデル導入時期」が挙げられ、結果として収益性の高い新製品でフルスイングの販売が出来なかったとしています。

これに対し、2017年度は新モデルを早期に立ち上げ、旧モデルの市場在庫を最小化し、早期消化することで全体的な販売台数を押し上げることで通期見通しで2016年度よりも微増を予定しているとのこと。またソニーの高いAV技術・通信技術で差異化も影響するとし、Motion Eyeカメラなどの優位性を挙げています。

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なお、2017年下期に投入されると見られるフラッグシップモデルの2機種ですが、図の機種の位置関係から1機種はXperia XZやXperia XZsを引き継ぐ5.2インチクラスのど真ん中の製品、もう1つはXperia XZsよりやや上に描かれているXperia XZ Premiumに対してやや下に描かれているため、恐らく「Xperia Z5 Compact」までのようなXperia XZsの後継機種をベースにしたコンパクトフラッグシップなのではないかと予想されます。

その他、2018年度以降は「Xperia Ear」や「Xperia Touch」などの新しいコミュニケーションの創出、スマートホームやスマートオフィス、スマートトラッキング、ペット向けソリューション、IoTなどの領域での事業展開を加速し、リカーリングビジネスの拡大なども計画されており、通信事業ではソニーネットワークコミュニケーションズ(旧、ソネット)の「Nuro」についても期間損益と会員数のバランスを取りながら事業を拡大していくということです。

記事執筆:memn0ck


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