AI・人工知能EXPOで見つけたキュートなAIアシスタント大特集!

東京ビッグサイトにて6月28日から30日まで日本最大のコンテンツビジネスの国際総合展「コンテンツ東京2017」が開催され「コンテンツマーケティングEXPO」や「クリエイターEXPO」など個別のテーマに合わせたEXPOが複数同時展示されるなか、「AI・人工知能EXPO」が初開催されました。

ここ数年におけるAI技術の進歩はめざましく、スマートフォン(スマホ)やPCの世界だけではなく音声でコントロールする家電製品やIoT機器への実装も各社から相次いでいます。こういったAI技術の進化に合わせて開催された今回の展示会ですが、会場を見渡すと少なくない数の「あるもの」に気が付きます。それはAIのデザインに採用された可愛らしい女の子のキャラクターです。

こんなところにもアニメキャラを使うとは、さすがマンガ・アニメ大国日本!と驚くとともに、そこに隠された重要なキーワードにも気付かされました。今回は、そんな展示会場で見つけたキュートな女の子たちをご紹介しその意味について解説します。

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美少女とはちょっと違うが、ドコモブースの「AIエージェント」でもこんなキャラクター案が展示されていた


■AIの世界を彩る美少女キャラクターたち
まずは先日別の記事にてご紹介したKDDIエボルバのブースから。KDDIエボルバのAIアシスタントアプリ「おはなしアシスタント」ではAIによるチャットボットの「レナ」が登場。音声認識や文字入力によって対話しながらユーザーの生活支援を行ったり、au関連のサポート業務を行います。

おはなしアシスタントはau端末専用アプリとなっており、au Marketからインストール可能でスマホやタブレットから利用できます。

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KDDIエボルバはサポート業務や人材派遣を行う企業。アプリ開発はアドバンスト・メディアが行った


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レナと会話しながらスケジュール管理や各種検索が行える


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レナにauのサポートを頼むとサポートスタッフの制服で応対してくれる


自然言語理解によるAIアシスタントサービスを手がける「モノゴコロ」ブースでは、ヴィレッジヴァンガードとのコラボキャラとして「渋谷めぐる」を展示。渋谷めぐるは渋谷区を応援するライセンスフリーキャラクター「Shibu奴娘(しぶやっこ)」として誕生したキャラクターで、ヴィレッジヴァンガード渋谷店ではAIを用いたマスコット店員として店で取り扱う本や雑貨の紹介をしてくれます。

現在はまだ音声認識による対話などは行なえませんが、モノゴコロでは自然言語処理によるAI構築が主体であり、いずれは渋谷めぐるにも音声認識による対話接客ができるようにしたいと語っていました。

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対話型AIを積極的にアピールするモノゴコロ


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渋谷めぐるはイラストレーターの「NOB-C(のぶし)」氏の作品


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Shibu奴娘は「渋谷を勝手に応援してしまおう!(NOB-C氏談)」という企画で始まった有志による街活性化プロジェクト


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キャラクターは透明なショーウィンドウモニターに表示され、ショーケース内の商品やヴィレッジヴァンガードの店舗情報などを紹介してくれる


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モノゴコロの自然言語処理技術は他企業からのオファーも多く、これまでに80社ほどと商談を行っているとのこと


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AIキャラクターはアニメ的なものから実写、ロボット、恐竜など、あらゆるものが想定される


京都に本拠地を置く人工知能の研究企業「エフケアー」ブースでは、太陽光発電システムの保守点検を目的としたクラウドサービス「O&Mエナジーエージェント」とそのAIキャラクター「藤崎エナ」を展示。その一環として藤崎エナを用いた京都の観光案内などを行うチャットボット「エナチャット」を展示しました。エナチャットでは英語による対話が可能で京都の観光名所や食文化などを教えてくれます。

エフケアーでは現在機械学習による予測診断サービスを中心に研究を進めており、エナはその技術検証として生み出されました。エナチャットは海外向けの限定的な公開となっており、このチャットボットによる技術的なフィードバックなども含め、将来的には感情を持つ人型ロボットの研究開発に繋げたいとしています。

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AIによる太陽光発電の効率化を目指すエフケアー


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藤崎エナのキャラクターデザインは中学校の英語教材キャラクター「エレン先生」で話題となったイラストレーターの「電柱棒」氏が担当


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実演ではエナに京都の郷土料理について尋ねたり、京都の観光案内を頼むデモンストレーションが行われた


オンラインゲームの品質管理やカスタマーサポートを手がける「シフトプラス」ブースでは、AIによるサポート業務を行うチャットボットキャラクター「AICO(あいこ)」を展示。AICOは言語処理に会話の「流れ」を把握した対話を行える点を特徴としており、同社がカスタマーサポート業務などで培ったノウハウが活かされているとのこと。

現在はスマホ向けゲーム「アイ★チュウ」のサポートチャットに利用されており、一般的な質問への返答はAICOのみで行い、AICOが処理しきれない内容については人間のオペレーターへと繋ぐ役割を持っています。担当者によれば「ユーザーにとって人間相手のサポートへの問い合わせに抵抗感がある人は意外と多く、チャットボットをサポートの入り口にするのは非常に効率が良い上にユーザーへの負担が少なくなる」とのことです。

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AICOのイメージカラーに合わせて桜色のバックカラーを採用したシフトプラスブース


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AICOとは「AI Comunication」の略称よりとった名前


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AICOの導入はサポート業務の効率化だけではなくユーザーの心理的負担も軽減させる


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スマホ向けゲーム「アイ★チュウ」のサポートチャット画面。ゲームへの問い合わせだけではなくゲームキャラクターについての情報なども知ることができる


■AIの「擬人化」がもたらす重要性
コンテンツ東京では初となるAI関連EXPOの開催となり、数多くの企業がブースを出展しましたが、そこに少なからずアニメキャラクターを用いた企業があったことは大きな気づきです。これを単なるオタク文化への迎合と捉えるのは簡単ですが、そこにはもっと深い理由がありそうです。

そもそもAIとは何でしょうか。従来のプログラムが「人間の入力に対し答えを出す」のみのものであったのに対し、AIは多数の情報を元に自分で判断し人間に提案を行います。人はそこに擬人的な要素を感じ、人格のようなものを想像するため、アニメキャラクターのような姿で「擬人化」することで理解しやすくなります。

これは単に見た目の印象やキャラクタービジネス的な問題ではなく、人は会話の相手に愛着や親近感を持つほど会話をしやすくなるという心理的に重要な要素を含んでおり、「対話」を主体とするAIだからこそ必要不可欠な「価値」だと言えるのではないでしょうか。

一方で「道具」としてのAIを考える場合、安易な擬人化は不安や忌避感を増長しかねません。人間の能力や機能を拡張するための道具であるはずのAIが、勝手に喋りだしたり作業を始めたりすると、人はAIを信用しなくなります。そこに特定のキャラクターが存在した場合、人はそこに「人格」を感じ取り不安や懐疑心をさらに増幅させてしまいます。

重要なのは「そのAIが人と対話を目的としたものなのか、人の道具として使われるものなのか」ではないかと筆者は考えます。その点において、今回ご紹介した各企業のAIキャラクターたちは皆「人との対話」を目的としており、そこに可愛らしい姿を存在させる意味があるように感じました。

AI技術はまだまだ黎明期です。あたかも意志と人格を持っているかのように振る舞う対話型AIが生まれるのはそう遠くない未来でしょう。そしてそれが実現された時、人はやはりそこに愛着を持ち、信頼や安心を持って接したくなるはずです。その時人々が好むのは無機質なテキストなのでしょうか、それとも画面中を自由闊達に動き回る可愛らしいキャラクターなのでしょうか。人々がAIを見る時、AIもまた人々を見ている……のかもしれません。

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「話し相手」だからこそ、見た目の印象は大事だ




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