ロシアのAndroidにおける検索エンジン問題でデフォルトが選択可能に!

ロシア国内では有名なポータルサイトおよび検索エンジン「Yandex」( https://yandex.com )を提供するYandex(以下、ヤンデックス)は7日(現地時間)、ロシアの連邦独占局へGoogleの商慣行について異議申し立てを行った件について新たにAndroidにてデフォルトの検索エンジンが選べるようになったと発表しています。

ヤンデックスでは2015年にロシア連邦独占局へ異議申し立て、その後に紹介したようにGoogleと2017年4月に和解していました。あれから4ヶ月たった2017年8月、ついにロシアではAndroidの標準Webブラウザー「Chrome」においてデフォルトの検索エンジンを選べるようになりました。

yandex

ヤンデックスではChrome for AndroidのVersion 60以降から検索エンジンをユーザーが選択できるようになったとしており、対応するChromeを立ち上げると、デフォルトの検索エンジンを「Google」および「Yandex」、「Mail.ru」の3つから選べるメニューが表示されるとのことです。

同社はロシア圏のみならず、ヨーロッパ最大のインターネット企業の1つであり、Google創立の2年後である2000年に設立されました。しかしながら、ロシアでは主要なWeb検索やモバイルアプリなどを提供しているにもかかわらず、ロシアの多くのユーザーが使う検索エンジンとしてAndroidではGoogleが採用されていました。

そのため、ヤンデックスではユーザーのニーズにマッチしていないのではないか、そもそもこれはGoogleの寡占だとロシアの連邦独占局に異議申し立てをしていましたが、ようやく2年越しでこの問題に一区切りが付いたと言えるでしょう。

こういったデフォルトのWebブラウザーや検索エンジンの選択肢についてはロシアを含めたヨーロッパ諸国は非常に敏感で、Android以外でも大きな論争を巻き起こしたことがあります。それはGoogleと同じくアメリカの大企業であるMicrosoftのWindowsです。

Windowsは通常、Windows Media Playerなどのメディア関連テクノロジーと特定のメディアアプリ(音楽、ビデオ、ボイスレコーダー、Skype)などがプレインストールされているのですが、EUではこれが独占禁止法に抵触すると声明を出しており、Microsoftはこれらを除いたEU向けのWindows Nエディションをリリースしています。

Androidについてもこの煽りを受けて、Yandexが行動に移したという流れがあります。日本ではそのような動きは目立っていませんが、これから先もしかしたら国内の検索プロバイダーやロシア以外の検索プロバイダーが同じような訴えをするかもしれませんね。

記事執筆:YUKITO KATO


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