KDDIがソラコムを子会社化!説明会をレポート

KDDIは2日、国内外でIoT(Internet of Things;モノのインターネット)通信サービスを手がけるソラコムの株式を2017年8月下旬をめどに取得し、連結子会社とすることを発表した。またKDDIとソラコムは8日、この買収については都内にて「KDDI・ソラコム共同記者会見」を開催し、買収の経緯や両社の期待などについて説明した。

ソラコムのIoTプラットフォームは、さまざまなデバイスをセキュアなモバイル通信でクラウドやサーバーと接続するサービスだ。IoTデバイスには仮想移動体通信事業者(MVNO)としてデータSIMを提供し、ワンストップでシステムを構築できるところにスピーディーさとローコスト運用を可能としている。

KDDIは昨年12月にスタートしたIoT向け回線サービス「KDDI IoTコネクト Air」をソラコムと共同開発している。本記事では、記者発表で語られた両社の思惑と今後の展望について紹介していく。

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ソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏は子会社化によって「MVNOとしての活動ではキャリアにセルラーLPWA(Low-Power Wide-Area Network)の設備を開放してもらう必要があった。今回の取り組みによって、セルラーLPWAや5Gをより密にこれまでにないような形で協業ができる」と話す。

これには顧客へ提供するスピードが早まるだけではなく、5Gをはじめとする最新の通信技術をいち早く導入できるというメリットもある。

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またKDDIグループへの参画について玉川氏は「セルラーLPWAや5Gサービスの早期開始、クラウド上で展開するコア通信サービスの拡大、グローバルでの交渉力・営業力、資金調達・リソース調達はKDDIをパートナーとすることがベスト」と話し、より一層の経営の安定感を維持することと、新たなチャレンジを創出できる基盤づくりができるようになるわけだ。

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今後の展望として「ソラコム単独では為し得ないような大きな事業をKDDIと一緒にやっていきたい。さらなるIoTサービス、次世代のネットワーク基盤構築をKDDIと密し、進化したプラットフォームをお客様に提供していきます」と語った。

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一方、KDDI ソリューション事業本部 ソリューション事業企画本部 副本部長の藤井彰人氏は、ソラコムについて「技術力、通信のコアの難しい部分まで開発出来る技術力とスピード感、そしてスモールスタートの企業ニーズにあったコミュニケーション能力の高さを評価している」と話し、KDDIの顧客である大企業だけではなくスタートアップ企業など小規模なビジネスも対応できることに期待を寄せていた。

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また同社 バリュー事業本部バリュー事業企画本部長の新居眞吾氏は「回線管理、デバイス管理においてソラコムのテクノロジーを使ったサービスを提供しているが、より進化した形で顧客のニーズに対してソラコムが開発してKDDIのサービスとして提供することができるようになる」と話し、ソラコムとKDDIが持つ強みとあわせて新たなIoTビジネスを創出する考えだ。

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記事執筆:mi2_303


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株式会社ソラコムの子会社化について | 2017年 | KDDI株式会社