NTTドコモがHPUE導入やMMU拡大などで通信品質向上へ!

日本電信電話(以下、NTT)は9日、都内およびオンラインにて「NTTグループ2024年度決算会見」を開催し、合わせて傘下のNTTドコモが2024年度決算および2025年度業績予想について発表しています。またNTTドコモではこの決算会見の中でネットワーク関連についても説明を行い、携帯電話サービスにおける「5G第5世代移動通信システム)(」に「HPUE(High Power User Equipment)」を2025年度上期(4〜9月)に導入することを明らかにしています。

HPUEはスマートフォン(スマホ)やタブレット、ホームルーターなどの端末の送信電力を高出力化する技術で、基地局から離れた場所でも安定した上り通信を実現し、サービスエリアの拡大につながるとのことで、まずは2025年度上期に発売する一部製品で対応予定だということです。また最新型の基地局装置への置き換えや新規拡大を順次行っており、装置の機能向上による体感品質向上や省電力化、品質改善の高速化、自動化などが実現されているとのこと。

さらにMMU(MU-MIMOに高度化されたMassive MIMO Unit)についてもすでに2024年度第4四半期(2025年1〜3月)より3.4GHz・3.5GHz帯と3.7GHz帯のマルチバンドに対応したのに加え、新たに2025年度第3四半期(10〜12月)に4.5GHz帯に対応する予定だとし、MMUの導入拡大による体感品質のさらなる向上が見込まれるとしています。その他にも基地局数の増加によって5G展開をこれまで以上に加速してさらなる体感品質向上を行い、選ばれ続けるネットワークへ進化させるということです。

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NTTドコモでは2023年より携帯電話ネットワークにおいてスマホなどの普及やSNS・動画視聴などの利用に伴うデータトラヒックの増大によって通信が利用しづらいなどの状況が発生しており、これまでさまざまな対策を行なってきましたが、特に2024年度には通学や通勤などの動線や多くの人が集まる都市部・イベントを中心に全国を快適にするように基地局数の拡大やイベント対策の強化などを実施したということです。

具体的には2025年3月時点には2024年3月と比べて5G(Sub6+4G周波数帯)基地局数の総数が+20%増加、主要鉄道動線の5G基地局数が+40%増加、主要都市中心部の5G基地局数が+70%増加し、臨時対策による強化イベント数も2023年度から2024年度は約2倍の232イベントに増加したとのことです。2024年3月時点の5G(ミリ波含む)の基地局数は4万6294局(うちミリ波が6732局)なので、2025年3月時点の5G基地局数(Sub6+4G周波数帯)は4万7千局以上となっていると思われます。

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これにより、平均ダウンロードスループット(受信時通信速度)が全国主要都市中心部では約20%向上、全国主要鉄道動線では約30%向上し、例えば、東京都の大手町では約60%、山手線周辺では約80%もダウンロード速度が増加し、全国のSNSにおける不満の声が2023年度第4四半期と比べて2024年度第4四半期には40%も減少したとのこと。

一方でこれらの施策によってネットワークコストは計画を上振れしたものの、2025年度からは組織・体制・業務・調達プロセスをそれぞれ変革させてネットワーク構築を抜本的に見直し、5G基地局の1基地局当たりの投資単金を20%減少させ、2027年度には2025年度比でネットワーク関連投資を300億円規模で減少させる計画となっています。さらに衛星とスマホの直接通信サービスも2026年夏頃にも提供開始する見込みだと説明されました。

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また2025年度は場所・時間を問わずより快適に、また多くの人が集まるスタジアムやアリーナもより快適になるように対策を実施していくとし、2026年3月時点には2024年3月と比べて5G基地局数(Sub6+4G周波数帯)の総数が+40%以上、主要鉄道動線の5G基地局数が+70%以上、主要都市中心部の5G基地局数が+120%以上、対策イベント数も+100%以上の増加を計画し、これらに加えてMMU導入拡大や最新型基地局装置への置き換え、HPUEの導入などによって体感品質を向上を継続していくとしています。





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記事執筆:memn0ck


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