面倒なセッティングいらずですぐにVRが楽しめるMirage Soloが便利!

レノボ・ジャパンは24日、都内にて「VR ヘッドセットおよびVRカメラ新製品発表会」を開催し、Googleが開発するVRプラットフォーム「Daydream」に対応したススタンドアロン型VRヘッドセット「Mirage Solo with Daydream」(以下、Mirage Solo)およびVR180や4Kに対応した2眼カメラ「Mirage Camera with Daydream」(以下、Mirage Camera)を2018年5月11日(金)に発売すると発表した。

販売価格はMirage Soloが税別51,200円(税込55,296円)、Mirage Cameraが税別35,800円(税込38,664円)。レノボ・ジャパンの公式Webストア「レノボ・ショッピング」および家電量販店などで予約販売を受付中だ。

Mirage Soloはスマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)を必要としないスタンドアローン型で、装着するだけですぐにVR体験が楽しめると言うもの。内蔵センサーカメラで周囲を認識するGoogleのインサイドアウト式モーショントラッキング技術「World Sense」を採用し、前後左右移動やしゃがむ、ジャンプするなどの利用者の動きとなる6DoF(6Degrees of Freedom)を認識する。

一方のMirage CameraはGoogleのVR動画向けフォーマット「VR180」に対応し、2つのカメラで3Dの静止画および動画撮影を可能としている。最大解像度4K動画の撮影に対応し、YouTubeやMirage Soloなどで180度の3D VR映像を楽しむことができる。今回はこのレノボ・ジャパンのVR製品の取り組みや製品の使用感などを紹介していく。

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まず登壇したレノボ・ジャパン モバイル製品事業本部 本部長の田中大輔氏は「3年ぐらいVR元年と言われていると思います。VRの世界は残念ながら成長領域で市場はまだ大きくない」と話す。

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そこでLenovoではVR市場を広げていくために「簡単さ(スタンドアローン)」および「リアルさ(WorkSense)」、「コンテンツ(日本のパートナー)」という3つが重要な意味があるとし、Mirage SoloおよびMirage Cameraはこれらをサポートしていくものだとしている。

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Mirage SoloはスマホやPC、ゲーム機との接続が要らないため、ヘッドセットを装着するだけですぐにVRの世界が楽しめる。つまり、面倒なセッティングの必要がない、簡単さが最大の特徴だ。

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このMirage Soloなら別途、Daydream対応のハイスペックスマホとヘッドセットを購入する必要がなく、低コストではじめられることもメリットだ。もちろん、VRのコンテンツは対応機器によって異なる部分もあるため、体験したいコンテンツ優先でVRヘッドセットおよびシステムを選ぶことも大事だ。

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また特徴的なのは6DoF対応だ。歩いたり、しゃがんだり、飛び跳ねるなどリアリティーのあるVR体験が可能となった。

例えば、従来の固定式のVRでは、空間の中に家の窓があっても窓の外の景色が立体的に見えているだけだったが、Mirage Soloではその窓に近付き、窓から顔を出して辺りを見渡すこともできるのだ。

そのため、ゲームなら謎解きや敵を探すなどの行動に当てはまり、法人向けなら住宅の内覧やヴァーチャルショールームなど、よりわかりやすいプロモーションも可能となる。

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東京モーターショー 2017のフォルクスワーゲンブース

昨年の東京モーターショーでは、PCと接続したHTCのPC接続型VRヘッドセット「HTC Vive」を使用してコンセプトカーのエクステリアやインテリア、走行体験ができる先進的なデモンストレーションを行うブースがあった。

自由に歩いてコンセプトカーの外観を楽しんだり、しゃがみ込んで車体の形状やタイヤをのぞき込んだりすることができたのだが、一方でスタッフがPCと接続したケーブルを裁きながらアテンドするというちょっと危なっかしい光景でもあった。

スタンドアローン型のヘッドセットなら、PCの必要もなく、ケーブルの心配もないため運用面でも楽になるのではないだろうか。

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VRコンテンツは、YouTubeやさまざまなコンテンツプロバイダー、6DoF対応ゲームなどで個人でも楽しめるほか、B2BやB2Cの訓練系などにも大がかりな設備を必要とせずに実現可能だ。Mirage Soloは、2D映像も目の前に広がる専用シアターのような感覚で楽しむこともできる。

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こうしたVRコンテンツ以外に、自分でも作ってみたいというユーザーもいるだろう。そうした要望に応えるのがVR180に対応したMirage Cameraだ。

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Mirage Cameraは2眼の魚眼カメラで上下左右180度の立体映像を静止画および動画で記録可能である。iPhone 8よりもひと回り小さいサイズのカメラで、何気ない日常や旅行の写真や動画を3D映像として残すという楽しみ方にピッタリの製品だ。

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これまで、3D VR映像の制作には専用の機材の制作や動画編集など手間が必要だったが、Mirage Cameraはシャッターボタンを押すだけで、Google フォトやYouTubeにアップできるVR180コンテンツが作成可能なのである。

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Mirage Cameraで撮影したmicroSDカードを、Mirage Soloに入れるだけですぐにVR180映像を確認することもできる。

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リチウムイオンポリマーバッテリーは取り外し可能で、製品では2つ付属する。

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Mirage Cameraには映像確認用のモニターは搭載されておらず、連携したスマホでの確認となる。とはいえ、前面の180度が写るためそれほど困ることはないだろう。注意点としては、カメラの持ち方に気を付けないと指が写り込んだりする。

なお、現在スマホからコントロールできるカメラの撮影設定はISO感度などシンプルなもののみで、映像のイメージを左右するホワイトバランスはカメラ任せとなる。本格的な映像制作向きではないが、とにかく気軽にくたくさん撮影してVRで楽しむという使い方にあわせたシンプルなカメラといえる。

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撮影したVR180動画はこのように左右の映像が並んだSBS(Side By Side)方式。視聴はMirage Soloだけではなくほかのデバイスにも対応するが、サムスン電子のスマホ合体型VRヘッドセット「Gear VR」ではVR180の魚眼映像を再生できるプレイヤーがないため、丸く飛び出した魚眼ままとなり映像を正しく見ることができなかった。

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さて、VRで気になるのはVR酔いではないだろうか。Mirage Soloでは、Qualcomm製ハイエンドチップセット(SoC)「Snapdragon 835」を搭載し、レスポンスの良さとVR用の約5.5インチQHD(2560x1440ドット)IPS液晶でヘッドセットの動きに対しての追従性を高めている。

そもそもVR酔いは静止した状態でカメラが動き回る場合に感じるものが多く、コンテンツの作り方にも問題がある。最近では、移動しない見せ方やなども研究されているため以前ほどVR酔いが酷いコンテンツは少ないように感じる。

移動を伴うVRコンテンツの場合、Mirage Soloは実際に移動しながら体験するため違和感はないだろう。とはいえ、VR酔いがまったくなくなるというわけではないので注意が必要だ。


動画リンク:https://youtu.be/jQ6oe08MXrE


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Mirage Soloの価格はローカライズコストが掛かっているとはいえ、VR専用機と考えると51,200円は高く感じるが、ハード的にはSnapdragon 835と4GB内蔵メモリー(RAM)、QHD液晶を搭載したDaydream機と考えれば、妥当な価格ではないだろうか。

Mirage Cameraは、4Kの3D VR180映像と約1300万画素の静止画が可能ということで機能としてみれば35,800円は高くはないが、問題は写りがどうなのかここが気になるところだ。







記事執筆:mi2_303


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