結構ある両機種の違い!docomo向けの新dtab Compactの性能を先代と比較してみた

NTTドコモのオリジナルタブレットブランド「dtab」として約8.0インチWUXGA(1200×1920ドット)TFT液晶を搭載したAndroid 8.0(開発コード名:Oreo)採用の新製品「dtab Compact d-02K」(Huawei Technologies製)が8月10日に発売されました。

dtabシリーズでは初となる防水(IPX5/7相当)に対応しているほか、タブレットとしては珍しいデュアルカメラ搭載と、NTTドコモが示した「カメラが自慢の2018夏モデル」のテーマを体現する非常に魅力的な機種となっています。

尖った特徴を持った製品が大好きな筆者もさっそく購入しましたので、ベンチマーク比較などを交えて前機種「dtab Compact d-01J」と性能や特徴を比較してみました。比べてみると、どちらも一長一短があるので必見ですよ!

【外観や大きさなどを比較する】

まずは、dtab Compact d-02K(以下、d-02K)と先代モデルであるdtab Compact d-01J(以下、d-01J)の外観や大きさなどを比べてみましょう。

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並べてみて小さい方(各写真内の左側)がd-02K。先代と比べてさらにコンパクトに

まずは本体の外形と重量ですが、d-01Jの本体サイズが縦216mm×横幅124mm×厚さ7.3mmの約325gに対して、d-02Kが縦209mm×横幅120mm×厚さ8.0mmの約309gと、d-02Kの方がわずかに本体の厚さが増していますが、それ以外においてはひと回り小さくなり、軽く、持ちやすくなっています。

持ちやすさについても、厚みがわずかに増してはいますが、背面側両端のラウンド形状が大きくなり幅が小さくなったことで、これにより、音量キーと電源キーが背面に近い位置になりましたが、成人男性の手なら片手でもかなり余裕をもって掴むことができるようになっています。

ディスプレイサイズは先代の約8.4インチから約8インチへと、ひと目見てわかるレベルで縮小されています。しかしながら、あくまで筆者個人の使ってみた感想ですが、使ってみるとそれほど気になるレベルではないのではないでしょうか。

外観における他の違いとしては、d-02Kは筐体の背面側素材が樹脂系のものとなっているため、アンテナ用のラインのないシンプルなものとなりました。そのため、背面側のアンテナ用のラインや背面上部の白い意匠(幅の広いライン)の有無の違いがありますが、この辺の好みは個人差がありそうです。

【ベンチマークアプリで基本性能を比較する】

続いて、チップセット(SoC)におけるCPUやGPUなどの性能面をベンチマークテストアプリを用いて比較してみました。なお、スペック情報の詳細を確認するためにハードウェア情報取得アプリ「CPU-Z」も使用しています。

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d-02Kのスペック


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d-01Jのスペック

内蔵メモリー(RAM)はどちらも3GBとなっていますが、採用されているSoCがd-01Jではハイエンド向けだった「Kirin 950」(HUAWEI傘下の半導体メーカーであるHiSilicon製)を搭載しているのに対し、新機種であるd-02Kではミドルクラス端末向けの「Kirin 650」(同じくHiSilicon製)となっています。

SoCがハイエンド向けのものからミドルクラス向けのものとなったため、それに伴ってGPUもd-01Jの「Mali T880MP4」からd-02Kでは「Mali-T830」となり、画面解像度もd-01JのWQXGA(1600×2560ドット)からd-02KではWUXGA(1200×1920ドット)と、若干のパワーダウンとなります。

ほぼ同一世代のSoCでハイエンド向けとミドルクラス向けのものとの比較となるため、ベンチマークアプリで比較をするとどうしてもスコアに差が出てきてしまいます。それでは両機種をベンチマークしていきます。

ベンチマークに用いたアプリは、CPUやRAMの動作などを総合的にテストする定番ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」および「PC Mark」、そして、CPU性能をシングル・マルチコアでの処理を個別にチェックできる「Geekbench 4」の3つです。

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Geekbench 4のベンチマーク結果(画像左側がd-02Kで右側がd-01J)

まずはCPU性能をテストするGeechbench 4の結果ですが、ハイエンド向けのd-01Jと比べると明らかに性能が低下していることがわかります。シングルコア性能、マルチコア性能ともに、倍とはいかないまでもかなり大きい差が確認できました。

とはいえ、d-02Kの方もハイエンド級には遠いものの、エントリーからミドルクラス並みのスコアは出ているので、十分なスコアではあります。続いて、総合力を計測する定番のベンチマークアプリのAnTuTu BenchmarkとPCMarkでの測定結果がこちらになります。

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AnTuTu Benchmarkのベンチマーク結果(画像左側がd-02Kで右側がd-01J)


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d-02KでのPCMarkのベンチマーク結果と近似スコアの端末


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d-01JでのPCMarkのベンチマーク結果と近似スコアの端末

ベンチスコアだけで見た場合、やはり総合力でもCPUの影響力は大きく、d-01Jの方が高くなっています。あくまで参考程度ではあるのですが、近いスコアの製品にそれぞれ、d-01Jが他社ハイエンドモデル、d-02Kがエントリーからミドルクラス程度のモデルが確認できます。

具体的にはd-02Kとほぼ同一に近いスコアにY!mobile向けに販売されている「Android One X3」が、d-01Jに近いスコアの端末としてはサムスン電子製の「Galaxy Tab S3」(国内未発売)などがあります。

やはり処理の重く演出の派手なゲームアプリを遊ぶのであれば、先代モデルのd-01Jに軍配が上がりますが、d-02Kもカジュアルなブラウザゲームやソーシャルゲームアプリなどで遊ぶのであれば問題なく遊ぶこともできますし、演出の派手なゲームアプリなどでも3D描画に関連する設定の見直しをすればかなり快適に遊ぶことができるはずです。

ホットな話題としては、先日、HTML5に対応してグレードアップを果たしたブラウザゲーム「艦隊これくしょん」(以下、艦これ)くらいであれば、どちらでもプリインストールのWbブラウザー(Google Chrome)から問題なく遊ぶことができました。なお、操作性においてはアプリ版の方が快適ではあるのですが。

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d-02KのChromeで艦これを立ち上げているところ。Webブラウザーで直接遊ぶことができるようになったのは導入のハードルが下がってイイですね

d-02Kはベンチスコアではd-01Jと比べてしまうとどうしても見劣ってしまうものの、通常のSNSやWebブラウジング、ナビゲーションアプリ、動画視聴などを試してみたところストレスなく利用することができました。ゲーム特化端末ではなく、普段持ち歩いての通常使い的な使い方であれば全く問題はないかと思われます。


【カメラやその他の機能を比較する】

SoCこそ先代よりもパワーダウンしてはいますが、d-01Jと比べた際のd-02Kの最大のポイントはベンチマークでは測ることのできない付加価値的な性能の部分だと思われます。やはり防水とデュアルカメラでしょう。

特にカメラ機能については、ただデュアル化というわけではなくd-01Jでは約800万画素だったカメラセンサーが約1200万画素+約200万画素という構成で、タブレットでありつつもエントリーからミッドレンジクラスのスマートフォン(スマホ)並みのカメラとなって大幅に強化されました。

なお、単にデュアルカメラなタブレットとしては過去にLGエレクトロニクス製の「Optimus Pad L-06C」が存在しますが、こちらは3D立体視写真撮影用なので除外ということで。

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カメラ機能については現行のAndroidタブレットでは間違いなくトップクラス

これまで、タブレット端末のカメラというとメモ代わりの撮影や、あくまでもスマオのカメラに対しての予備(サブ)といった使い方をする人は多かったと思います。

しかし、デュアルレンズ化して「背景ぼかし」などの機能も使えるようになり、「タブレットでも妥協のない凝った写真が撮影できる」というのは大きな魅力ではないでしょうか。

その他の大きな違いとしてはd-02Kでは、OSバージョンがAndroid 8.0 Oreo、内蔵ストレージ容量が32GBで、LTEのネットワーク接続がPREMIUM 4G対応(下り通信速度最大262.5Mbps・対応エリア内において)、USB端子がUSB Type-Cに対して、d-01JではOSバージョンが最新のアップデート適用時でAndroid 7.0(開発コード:Nougat)で、内蔵ストレージが16GB、PREMIUM 4G非対応にUSB端子がmicroUSB端子であるなど、これまで紹介してきたスペック以外の点においては大きく改善・強化が行われていることがわかります。

その他の小さな違いとしては、UIMカード(SIMカード)およびメモリーカードスロットの位置が端末底面(d-01J)から端末天面(d-02K)へ移ったりしていますが、特に気にする必要はないでしょう。


【結論〜どっちがオススメ?〜】

d-02Kでは防水機能やデュアルカメラ、本体ストレージの強化などが追加されたことで、動画の視聴や電子書籍閲覧、カメラ撮影にマップアプリなど、より幅広い用途や利用シーンでの活用が期待できる(カメラ機能が飛び抜けて強化されていますが)バランスの取れた、より多くの人に勧められるタブレットであると感じました。

一方で、d-01Jは高いSoC性能や画面解像度を活かしたゲームアプリでの利用やリモートデスクトップアプリなど、作業用途やゲーミング利用をメインにしたい人に向いています。

ゲームアプリはやらない、またはやりこむまではいかないでカジュアルに遊ぶ程度で、防水機能やカメラ機能に魅力を感じたのであればd-02Kがオススメかと思います。リーズナブルに入手できるハイエンドクラスのゲーム向けタブレットとして使うのであれば、d-01Jを選ぶといいのではないでしょうか。



記事執筆:河童丸


[Image] QRコードアプリ名:AnTuTu Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:AnTuTu
バージョン:7.1.0
ANDROID 要件:4.1以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.antutu.ABenchMark

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[Image] QRコードアプリ名:PCMark for Android Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:Futuremark Oy
バージョン:2.0.3716
ANDROID 要件:5.0以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.futuremark.pcmark.android.benchmark

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[Image] QRコードアプリ名:Geekbench 4
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:Primate Labs Inc.
バージョン:4.2.3
ANDROID 要件:5.0以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.primatelabs.geekbench

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[Image] QRコードアプリ名:CPU-Z
価格:無料(アプリ内購入あり)
カテゴリ: ツール
開発者:CPUID
バージョン:1.26
ANDROID 要件:2.2以降
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.cpuid.cpu_z

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