楽天モバイルがMNOサービスにおける障害について原因などの詳細をお知らせ!

楽天モバイルは17日、同社が移動体通信事業者(MNO)として自社回線を構築して提供している携帯電話サービス「楽天モバイル」における「無料サポータープログラム」にて昨年12月10日に一部の利用者が音声通話およびデータ通信を利用できないもしくは繋がりにくい状況が発生していた障害について詳細をお知らせしています。

影響地域や障害日時は全国で2019年12月10日8:34から11:15までの約2時間46分となっており、無料サポータープログラムの音声通話(147回線)とデータ(約1000回線)で利用できないもしくは繋がりにくい状況となっていたとのこと。原因は西日本Central Data Center内の課金制御機器におけるデータベースロック処理の不具合によりデッドロックが発生したためとしています。

なお、デッドロックとは複数のリクエストがお互いに相手の処理待ち状態でスタックしてしまってデータベース処理が停止してしまう事象を指しており、同社が推進する仮想化技術の導入によるものではないということです。合わせて同社では2020年1月14日に電気通信役務の安定的かつ円滑な提供を確保するために必要な措置について総務省へ報告書を提出してしたことを案内しています。

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楽天モバイルでは昨年10月よりMNOとして提供する携帯電話サービスを“スモールランチ”として5000人限定で無料で利用できる無料サポータープログラムを提供しています。そうした中で昨年12月にこの無料サポータープログラムの利用者の一部が音声通話およびデータ通信を利用できない状態となっていました。

同社では通信インフラ設備を仮想化する「完全仮想化クラウドネイティブネットワーク」方式を採用することによって低コストで安定した携帯電話ネットワークが構築できるとしていますが、障害は仮想化による影響ではないことを強調しています。また再発防止策として該当する機器におけるソフトウェア処理の変更を行い、データベースロック処理が遅延してもデッドロックを発生させない対処を実施したとのこと。

加えて取引のあるすべてのベンダーに導入しているソフトウェアに対してデッドロックに陥る処理がないかどうかの調査を依頼し、早急に実装を完了する予定だとしています。さらに今般の通信障害に対して迅速に対策を講じるとともに今後のサービス強化に向けて、下記対応を実施すると案内しています。

(1)電気通信設備又は機能に対する過負荷試験等の実施
大量の複合的な条件における検証を考慮した試験工程の追加・見直しを行い、4月からを予定している本格サービス開始前までに過負荷試験等を追加実施していきます。

(2)監視体制及び監視方法の適切な構築
監視体制及び監視方法について、今回発生した不具合を考慮した監視項目を新たに追加することで、更なる充実・強化を図ってまいります。

(3)利用者への適時・適切な周知方策の措置等
今回の事故を踏まえ、障害復旧フローについては、事故対策本部の速やかな設置、利用者周知に関する意思決定や周知方法等、より円滑かつ迅速に対応ができるよう改善点の洗い出しを社内レビュー等により実施し、更なる全体プロセスの充実・強化を図ってまいります。

その他、同社では今回の障害によって利用者に迷惑をかけたことを深くお詫びし、今後は再発防止を徹底するとともに利用者からの意見・要望をもとにより良いサービスを提供できるよう努めていくとしています。



記事執筆:memn0ck


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「無料サポータープログラム」をご利用中のお客様へ(2020年1月17日更新) | 楽天モバイル