カメラ性能と標準アプリの使い勝手を試す! |
6月30日、KDDIよりiidaブランドにて発売されたAndroid端末「INFOBAR A01」ですが、もう皆さん手にしましたでしょうか。単なるデザイン端末に留まらずハイスペックをそのボディに収めた本機ですが、それらの機能の中からカメラの性能について、2回に分けてレビューを行いたいと思います。初めとなる今回は写真編です。
INFOBAR A01はシャープ製のAndroidスマートフォンですが、これまでフィーチャーフォンなどでノウハウを積み上げてきた同社のカメラ機能がどこまで反映されているのか非常に気になるところです。
まずカメラユニットですが、有効805万画素のCMOSセンサーを用いており、同社がこれまでフィーチャーフォンで得意としてきたCCDセンサーではないあたりが少々異質です。姉妹機にあたるIS11SHやIS12SHなどでも同じ有効805万画素のCMOSセンサーを採用している事から、Android端末では仕様をCMOSセンサーで統一しているようです。
カメラアプリは少々凝った作りになっており、独特のユーザーインターフェイスになっています。カメラを起動し左下にあるアイコンをタップするとメニュー画面へ移行しますが、初期状態で表示されるのはたった5つの項目のみ。広い画面には少々寂しい雰囲気です。
メニュー画面は非常にシンプル。迷う事はまず無い。
しかしここで各設定を選択していくとメニュー画面に変化が現れます。それぞれ使用頻度の高い設定が基本メニューの周囲に小さく付随して表示されるようになり、ユーザーの嗜好や使用パターンによって次々とそのメニュー画面が変化していきます。
多くの人は、ブログやTwitterへの写真アップ用設定であるとか、料理の写真を撮るための設定であるとか、ある一定のパターンを持つ事が多いため、こういった利用頻度によって変化するメニュー画面というのはなかなか面白い試みです。
ある程度使い込んだ後のメニュー画面。今回は撮影テストのために様々な項目を試したためたくさんのメニュー項目が表示されているが、通常使用ならサブメニューは3~4つ表示される程度だろう。
またメニュー画面を表示した後に画面端の「All Menu」を選択すれば、一般的な階層化されたメニュー画面が表示されます。細かなカメラ設定が整然と行えるため、じっくりとカメラ設定を選びながら写真を撮りたい時にはこちらのメニューが便利です。
カメラ機能を使い倒したいなら、一度は全ての設定を見ておこう。
細かな設定をするのが面倒な時や、即座にその場の状況に応じたカメラ設定で写真を撮りたい場合には「オススメ」が便利です。料理の見栄えが良くなるような画質設定や連写撮影などが一発で選択出来るため、手軽に失敗の少ない美しい写真が撮れます。
通常、料理やデザートを美味しそうに撮るにはなかなかコツがいるため、「料理」の設定は重宝しそうだ。
それではいよいよ実際の撮影による作例です。各写真は基本的に8M・オート設定で撮影し、960×640ドットにリサイズした後僅かにアンシャープマスクを掛けてリサイズ時の画像のぼやけを取り除いています。
ISO 50、SS 1/2222秒。INFOBAR A01のレンズはF2.4の固定。マクロ撮影だったため背景が綺麗にぼけている。
ISO 50、SS 1/541秒。強い日差しの下での撮影だったが、日陰の部分もよく描写されている。画質に破綻は少ない。
ISO 50、SS 1/286秒。石畳の質感、ハトの羽根の質感、共によく出ている。若干湾曲収差が見て取れる。
ISO 50、SS 1/2222秒。露出が自動的に+0.2に設定され、空も白飛びする事なく撮影された。カメラのオート撮影性能としては非常に良いと言える。
以上のように、基本的な撮影に関してはほぼフルオートで撮っても全く問題が無いと思われます。
画質も派手過ぎない色調で自然さが残っており、昨今のフィーチャーフォンなどによくある記憶色に頼った画作りはあまり感じられません。若干の湾曲収差こそ見られますが、マクロでも遠景でも画角その他の写りに大きな破綻は無く、またノイズレベルも気にならない程度に抑えつつ「塗り絵」的にならない絶妙の画像処理が成されています。
次に、本カメラアプリの面白い撮影エフェクトや、ケータイやスマートフォンのカメラでは少々厳しい条件下での撮影テストの作例です。
ISO 50、SS 1/2857秒。本カメラアプリには標準でズーム機能が付いている。これはズームOFFでの撮影。
ISO 50、SS 1/2857秒。そしてこちらが最大ズームによる撮影。ズームはデジタルズームであるため、撮影サイズが8Mピクセルの場合、最大ズーム時には撮影画素数が2Mピクセルまで自動的に落とされる。
ISO 250、SS 1/24秒。暗い映画館内での撮影テスト。手ブレ補正機能などは無いため、手持ち撮影ではこのくらいのシャッタスピードが限界。
上の写真の等倍画像の一部を切り取ったもの。暗部にCMOSセンサー特有の横縞ノイズが見られるが、ISO 250までなら十分実用に耐える画質だ。
ISO 64、SS 1/33秒。屋内での蛍光灯下の撮影テスト。光量不足な上に背景が真っ白という厳しいシチュエーションだが、非常によく撮れている。iPhone 4で見られる、光量不足時の画面中央部の変色などは一切無い。
上の写真と同じシチュエーションで「魚眼カメラ」モードの撮影をしてみた。こういったエフェクトが手軽に出来るのはなかなか面白い。
ISO 80、SS 1/25秒。INFOBAR A01の壁紙サイズであるQHD(540×960ドット)での撮影テスト。画質も良く、これなら壁紙製作にも十分使える。
以上、カメラ機能の写真撮影レビューでした。
気になった点としては、アプリの起動に若干時間が掛かる点と、メニュー画面の呼び出しでも一瞬間がある点が挙げられます。同社製のフィーチャーフォンでは高速起動や軽快なメニュー操作などが売りでもあっただけに多少期待していましたが、やはりスマートフォンではまだまだチューニングや作り込みが甘いように感じました。
また撮影した画像を閲覧する際、標準の画像ビューアーの出来があまり良くなく、操作レスポンスが極端に悪いためにカメラ機能の良さを潰している感もありました。画像ビューアーには「QuickPic」などの外部アプリを利用するとカメラ機能を存分に楽しめる気がしました。
次回のINFOBAR A01のカメラ機能レビューは動画編をお送りします。写真撮影時とは若干違う画質(画作り)や、CMOSセンサー特有の描写性能などにスポットを当てて解説したいと思います。
■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・INFOBAR A01 | iida
まずカメラユニットですが、有効805万画素のCMOSセンサーを用いており、同社がこれまでフィーチャーフォンで得意としてきたCCDセンサーではないあたりが少々異質です。姉妹機にあたるIS11SHやIS12SHなどでも同じ有効805万画素のCMOSセンサーを採用している事から、Android端末では仕様をCMOSセンサーで統一しているようです。
カメラアプリは少々凝った作りになっており、独特のユーザーインターフェイスになっています。カメラを起動し左下にあるアイコンをタップするとメニュー画面へ移行しますが、初期状態で表示されるのはたった5つの項目のみ。広い画面には少々寂しい雰囲気です。
メニュー画面は非常にシンプル。迷う事はまず無い。
しかしここで各設定を選択していくとメニュー画面に変化が現れます。それぞれ使用頻度の高い設定が基本メニューの周囲に小さく付随して表示されるようになり、ユーザーの嗜好や使用パターンによって次々とそのメニュー画面が変化していきます。
多くの人は、ブログやTwitterへの写真アップ用設定であるとか、料理の写真を撮るための設定であるとか、ある一定のパターンを持つ事が多いため、こういった利用頻度によって変化するメニュー画面というのはなかなか面白い試みです。
ある程度使い込んだ後のメニュー画面。今回は撮影テストのために様々な項目を試したためたくさんのメニュー項目が表示されているが、通常使用ならサブメニューは3~4つ表示される程度だろう。
またメニュー画面を表示した後に画面端の「All Menu」を選択すれば、一般的な階層化されたメニュー画面が表示されます。細かなカメラ設定が整然と行えるため、じっくりとカメラ設定を選びながら写真を撮りたい時にはこちらのメニューが便利です。
細かな設定をするのが面倒な時や、即座にその場の状況に応じたカメラ設定で写真を撮りたい場合には「オススメ」が便利です。料理の見栄えが良くなるような画質設定や連写撮影などが一発で選択出来るため、手軽に失敗の少ない美しい写真が撮れます。
それではいよいよ実際の撮影による作例です。各写真は基本的に8M・オート設定で撮影し、960×640ドットにリサイズした後僅かにアンシャープマスクを掛けてリサイズ時の画像のぼやけを取り除いています。
ISO 50、SS 1/2222秒。INFOBAR A01のレンズはF2.4の固定。マクロ撮影だったため背景が綺麗にぼけている。
ISO 50、SS 1/541秒。強い日差しの下での撮影だったが、日陰の部分もよく描写されている。画質に破綻は少ない。
ISO 50、SS 1/286秒。石畳の質感、ハトの羽根の質感、共によく出ている。若干湾曲収差が見て取れる。
以上のように、基本的な撮影に関してはほぼフルオートで撮っても全く問題が無いと思われます。
画質も派手過ぎない色調で自然さが残っており、昨今のフィーチャーフォンなどによくある記憶色に頼った画作りはあまり感じられません。若干の湾曲収差こそ見られますが、マクロでも遠景でも画角その他の写りに大きな破綻は無く、またノイズレベルも気にならない程度に抑えつつ「塗り絵」的にならない絶妙の画像処理が成されています。
次に、本カメラアプリの面白い撮影エフェクトや、ケータイやスマートフォンのカメラでは少々厳しい条件下での撮影テストの作例です。
ISO 250、SS 1/24秒。暗い映画館内での撮影テスト。手ブレ補正機能などは無いため、手持ち撮影ではこのくらいのシャッタスピードが限界。
上の写真の等倍画像の一部を切り取ったもの。暗部にCMOSセンサー特有の横縞ノイズが見られるが、ISO 250までなら十分実用に耐える画質だ。
ISO 64、SS 1/33秒。屋内での蛍光灯下の撮影テスト。光量不足な上に背景が真っ白という厳しいシチュエーションだが、非常によく撮れている。iPhone 4で見られる、光量不足時の画面中央部の変色などは一切無い。
上の写真と同じシチュエーションで「魚眼カメラ」モードの撮影をしてみた。こういったエフェクトが手軽に出来るのはなかなか面白い。
以上、カメラ機能の写真撮影レビューでした。
気になった点としては、アプリの起動に若干時間が掛かる点と、メニュー画面の呼び出しでも一瞬間がある点が挙げられます。同社製のフィーチャーフォンでは高速起動や軽快なメニュー操作などが売りでもあっただけに多少期待していましたが、やはりスマートフォンではまだまだチューニングや作り込みが甘いように感じました。
また撮影した画像を閲覧する際、標準の画像ビューアーの出来があまり良くなく、操作レスポンスが極端に悪いためにカメラ機能の良さを潰している感もありました。画像ビューアーには「QuickPic」などの外部アプリを利用するとカメラ機能を存分に楽しめる気がしました。
次回のINFOBAR A01のカメラ機能レビューは動画編をお送りします。写真撮影時とは若干違う画質(画作り)や、CMOSセンサー特有の描写性能などにスポットを当てて解説したいと思います。
記事執筆:あるかでぃあ
■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・INFOBAR A01 | iida
とても見やすいサイトで、機種の特徴や使い方について詳しく説明されていたので、購入する際の参考になりました。
ありがとうございました。