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| 2012年、新生ソニーは毎月2機種のペースでスマートフォンを投入! |
ソニー(ソニーモバイルコミュニケーションズ)のスマートフォン投入ラッシュが止まらない。ソニー・エリクソンと合弁で行ってきた携帯電話事業を解消し、今年(2012年)になってからソニー単独の事業に切り替えた同社だが、海外では上半期だけでも毎月のようにスマートフォンの新製品を市場に送り続けている。
日本では今年春先にドコモ向け「Xperia NX SO-02D」と「Xperia acro HD SO-03D」を旧ソニー・エリクソンブランドで、そして夏モデルとして「Xperia GX SO-04D」と「Xperia SX SO-05D」を投入。au向けの「Xperia acro HD IS12S」と合わせ5機種のみにすぎないが、海外ではその倍となる10機種以上がすでに発売、または発売予定となっているのだ。
一方、フィーチャーフォンの上半期の新製品は国内外でゼロ。つまり今年の新製品はすべてがAndroidスマートフォンであり、フィーチャーフォンは完全に捨て去った格好だ。そして毎月1機種以上というソニーのスマートフォンの製品投入ラッシュはスマートフォン市場でトップを走るサムスン電子くらいで、他のメーカーには見られない攻勢だ。ソニーが短期間にこれだけの新製品を投入する理由はいったいどこにあるのだろうか?
今回は、そんなソニーのスマートフォン戦略について海外市場から見た視点で紹介する。
ソニー(旧ソニー・エリクソン含む)の携帯電話事業は、市場がスマートフォンへとシフトしていく中でシェアをじりじりと落としている。調査会社ガートナーの報告では、2012年第1四半期のシェアは1.9%で9位。ライバルでもあったモトローラとの差はほとんど無いものの、中国勢のファーウェイ(2.6%、7位)やZTE(4.2%、4位)との差は広がる一方である。しかも最も販売数が伸びる昨年冬のクリスマスシーズンには一時的にアルカテルに抜かれ、10位圏外まで落ちてしまったほどだ。
ソニーのスマートフォンは決して他社より劣ってはおらず、ハイエンドモデルはスペックやデザインにも優れており、市場では高い評価を受けている。だが製品のラインナップは、年明けに発表される上位モデルが登場した後、ミッドレンジ製品が年に数機種投入される程度となっており、他社と比較すると物足りないという状況だった。つまり春先には大きな話題になっても、年末には同社のスマートフォンは話題にならない状況になっていたのである。
昨年を振り返ってみると最上位モデルのXperia Arcが発表されたのが2月。だがその後登場したモデルはミッドレンジクラスの製品のみで、秋に登場したCPU高速化のマイナーチェンジモデル、Xperia arc Sでは他社が続々と投入するハイエンド製品の中で、全く目立たなかった。しかも昨年秋はiPhone 4Sの発売も重なったとあって、クリスマスシーズンの販売数が伸び悩んでしまったのだ。
フィーチャーフォンは、新興市場を中心にシェア上位のノキアですら中国メーカーなどに苦戦を強いられており、もはやソニーが市場でプレゼンスを発揮できる分野ではない。一方、毎月のように新製品が登場するスマートフォン市場で生き残りをかけるためには、「スマートフォンメーカーとしてのソニー」の印象を市場に浸透させなくてはならない。しかもソニー・エリクソンからソニーへの社名変更は、消費者には大きな混乱をもたらす可能性もある。
そこでソニーは今年に入ってから、「新生ソニー」を大きくアピールする戦略を取っている。まずは製品の型番方式を変更、Xperiaブランドをより引き立てるように型番はアルファベット1文字などシンプルなものに変更している。また本体の形状も角を出した直線的なものとし、ホームボタンの下にライトやカラーを入れるなど、統一したデザインを各モデルに採用した。
この2つによりソニー・エリクソン時代の製品イメージは払拭され、さらには毎月複数のスマートフォンを投入することで「新生ソニー」の印象を世界中の消費者に大きく植え付けることに成功したと言える。しかも多数のラインナップを揃えたことで「Xperia」のブランドも強固なものになっただろう。

今年のXperiaはシンプルな型番と統一されたデザインが特徴
ソニーのスマートフォンラインナップは、今やハイエンドからミッドレンジ、デザイン、そしてアクティブ系端末など隙の無い充実したものになっている。またSIMカード2枚利用に対応した新興市場向けのXperia tipo、Facebook連携を強化したXperia miroなど、特定市場向けの製品も発表している。日本以外では需要が少ないと見られている防水端末もXperia acro Sを海外に投入、アクティブ系以外での防水スマートフォンはおそらく海外では最初の製品といえる。
この勢いが続けば今年のソニーのスマートフォンは、サムスン電子に匹敵するだけのバリエーションに富んだものになるだろう。秋の大型展示会「IFA 2012」でもソニーは上位モデルの製品を発表する予定であり、この冬登場予定の新型iPhoneへの対抗も怠っていない。まだまだ通信事業者や家電店での取り扱いは他社の後を追いかける状況ではあるが、消費者を飽きさせず、そしてニーズに合った製品を続々登場させれば販売台数は自然と上向きになるだろう。
但し今後シェアを伸ばしていくにはスマートフォン新製品の投入だけではなく、同社の家電製品とのシームレスな連携を提供する必要がある。デジカメやデジタルビデオ、HDTVなどとの連携は昔のソニーであれば当然備わっているべき機能であり、XperiaシリーズもHDTVに接続する機能を持つ機種もある。

他製品との連携は販売シェア向上に必須だ
だがこの分野ではサムスン電子がスマートTVだけではなくWi-Fi搭載デジタルカメラを「スマートカメラ」と名づけて家電店店頭でスマートフォンとの連携を大きくアピールするなど、一歩も二歩もリードしている。IT家電との連携はスマートフォンだけではなく、他の製品の売り上げを押し上げる原動力にもなるだけに、ソニーも早急に対応していく必要があるだろう。
ブランド力も一時ほどではないにしろ、まだ優位なポジションに留まっているだけに、今後ソニーが市場に送り出すあらゆる製品に注目したいところだ。
■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
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ソニーのスマートフォンは決して他社より劣ってはおらず、ハイエンドモデルはスペックやデザインにも優れており、市場では高い評価を受けている。だが製品のラインナップは、年明けに発表される上位モデルが登場した後、ミッドレンジ製品が年に数機種投入される程度となっており、他社と比較すると物足りないという状況だった。つまり春先には大きな話題になっても、年末には同社のスマートフォンは話題にならない状況になっていたのである。
昨年を振り返ってみると最上位モデルのXperia Arcが発表されたのが2月。だがその後登場したモデルはミッドレンジクラスの製品のみで、秋に登場したCPU高速化のマイナーチェンジモデル、Xperia arc Sでは他社が続々と投入するハイエンド製品の中で、全く目立たなかった。しかも昨年秋はiPhone 4Sの発売も重なったとあって、クリスマスシーズンの販売数が伸び悩んでしまったのだ。
フィーチャーフォンは、新興市場を中心にシェア上位のノキアですら中国メーカーなどに苦戦を強いられており、もはやソニーが市場でプレゼンスを発揮できる分野ではない。一方、毎月のように新製品が登場するスマートフォン市場で生き残りをかけるためには、「スマートフォンメーカーとしてのソニー」の印象を市場に浸透させなくてはならない。しかもソニー・エリクソンからソニーへの社名変更は、消費者には大きな混乱をもたらす可能性もある。
そこでソニーは今年に入ってから、「新生ソニー」を大きくアピールする戦略を取っている。まずは製品の型番方式を変更、Xperiaブランドをより引き立てるように型番はアルファベット1文字などシンプルなものに変更している。また本体の形状も角を出した直線的なものとし、ホームボタンの下にライトやカラーを入れるなど、統一したデザインを各モデルに採用した。
この2つによりソニー・エリクソン時代の製品イメージは払拭され、さらには毎月複数のスマートフォンを投入することで「新生ソニー」の印象を世界中の消費者に大きく植え付けることに成功したと言える。しかも多数のラインナップを揃えたことで「Xperia」のブランドも強固なものになっただろう。

今年のXperiaはシンプルな型番と統一されたデザインが特徴
ソニーのスマートフォンラインナップは、今やハイエンドからミッドレンジ、デザイン、そしてアクティブ系端末など隙の無い充実したものになっている。またSIMカード2枚利用に対応した新興市場向けのXperia tipo、Facebook連携を強化したXperia miroなど、特定市場向けの製品も発表している。日本以外では需要が少ないと見られている防水端末もXperia acro Sを海外に投入、アクティブ系以外での防水スマートフォンはおそらく海外では最初の製品といえる。
この勢いが続けば今年のソニーのスマートフォンは、サムスン電子に匹敵するだけのバリエーションに富んだものになるだろう。秋の大型展示会「IFA 2012」でもソニーは上位モデルの製品を発表する予定であり、この冬登場予定の新型iPhoneへの対抗も怠っていない。まだまだ通信事業者や家電店での取り扱いは他社の後を追いかける状況ではあるが、消費者を飽きさせず、そしてニーズに合った製品を続々登場させれば販売台数は自然と上向きになるだろう。
但し今後シェアを伸ばしていくにはスマートフォン新製品の投入だけではなく、同社の家電製品とのシームレスな連携を提供する必要がある。デジカメやデジタルビデオ、HDTVなどとの連携は昔のソニーであれば当然備わっているべき機能であり、XperiaシリーズもHDTVに接続する機能を持つ機種もある。

他製品との連携は販売シェア向上に必須だ
だがこの分野ではサムスン電子がスマートTVだけではなくWi-Fi搭載デジタルカメラを「スマートカメラ」と名づけて家電店店頭でスマートフォンとの連携を大きくアピールするなど、一歩も二歩もリードしている。IT家電との連携はスマートフォンだけではなく、他の製品の売り上げを押し上げる原動力にもなるだけに、ソニーも早急に対応していく必要があるだろう。
ブランド力も一時ほどではないにしろ、まだ優位なポジションに留まっているだけに、今後ソニーが市場に送り出すあらゆる製品に注目したいところだ。
記事執筆:山根康宏
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