ついに日本にもSIMカードの自動販売機が登場!

ソネット(So-net)はプリペイド式SIMカード(以下、プリペイドSIM)サービス「Prepaid LTE SIM」の提供を2014年4月22日より開始した。このプリペイドSIMはLTE方式の通信も利用可能で、外国語でのサポートが充実していることも特徴となっている。外国語でのサポートは、電話が日本語と英語、サービスサイトが日本語と英語、中国語(簡体字及び繁体字)、マニュアルが日本語と英語、中国語(簡体字及び繁体字)、韓国語、タイ語で提供している。

また、訪日外国人向けのサービスとして日本初となるSIMカードの自動販売機を空港に設置し、こちらも同日より提供を開始している。SIMカードの自動販売機はまず関西国際空港に設置されており、今回、さっそく購入して試してみたので紹介したいと思う。

SIMカードの自動販売機は関西国際空港における第1ターミナルの国際線到着ロビーに2台設置されている。1台は南到着口左にあるInternet&Telephoneコーナー、もう1台は北到着口右にあるInternet&Telephoneコーナーである。いずれも各到着口から出てすぐの位置に設置されている。しかし、到着口から出る向きからはInternet&Telephoneコーナーを見つけにくそうに感じた。

なお、SIMカードの自動販売機は24時間稼働しているため、早朝や深夜のフライトで到着した場合でもすぐに購入できるが、第2ターミナルには設置しておらず、第2ターミナルに到着する場合は第1ターミナルまで移動する必要がある。

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南到着口左に設置されているSIMカードの自動販売機。

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北到着口右に設置されているSIMカードの自動販売機。


プランは「プラン100」と「プラン500」の2種類で、それぞれSIMカードのサイズはminiSIM (2FF)、microSIM (3FF)、nanoSIM (4FF)が用意されているため、SIMカードのラインナップは6種類となる。なお、miniSIM (2FF)については「Normal SIM」と表記されている。各プランのデータ容量や有効期間などは下記の表の通りである。

プラン名データ容量有効期間価格SIMサイズ
プラン100100MB30日3000円2FF、3FF、4FF
プラン500500MB60日5000円2FF、3FF、4FF


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SIMカードの自動販売機。microSIM (3FF)の需要が最も高いと見られており、各プランともに2段で販売されている。


今回はプラン100を選択し、Googleブランドのスマートフォン「Nexus 5(型番:LG-D821)」で使用することにした。利用する端末は総務省の技術基準適合証明の工事設計認証を通過し、いわゆる技適マークを取得している必要がある。

ただし、So-netでは技適マークの確認は購入者自身に任せるとしている。利用可能な通貨は日本円のみで、日本円がなければ近くにある両替の窓口で日本円に両替可能だ。SIMカードを購入する際に、身分証明書の提示などは必要なく、通常の自動販売機と同様に“ジュースを買う感覚”で購入できる。

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購入の前にHTC製とBlackBerry製の機種はAPN設定が可能か確かめるよう注意が記載されている。

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念願のSIMカード購入。データ通信サービスのみで、音声通話やSMSは利用できないので注意しておきたい。


SIMカードのパッケージにはSIMカードとマニュアルが含まれており、マニュアルにAPNや各種設定方法が記載されている。先にSIMカードを挿入してからAPNを設定する。

APNの設定については、仮想移動体通信事業者(MVNO)のサービスでもAPNが自動的に設定される場合もあるが、Nexus 5の場合はSo-netのAPNが自動的に設定されなかったため、マニュアルに従って手動で設定する必要があった。なお、APN情報は下記の通りとなる。
APN:so-net.jp
ユーザ名:nuro
パスワード:nuro
認証タイプ:CHAP or PAP


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パッケージにはSIMカードとマニュアルが含まれている。SIMカードはNTTドコモのSIMカードである。


APN設定後には専用Webサイトに接続して利用開始手続きを行う。Nexus 5の場合は、通知バーに利用開始手続きを行うよう通知が表示された。まずは専用Webサイトにログインし、プランを確認してからユーザ情報を登録する。ユーザー情報の登録後にはクレジットカードの登録もあるが、この項目はスキップすることが可能である。

利用開始手続きが完了するとすぐに利用できるようになる。購入から利用開始手続きまでの操作は非常に簡単であり、購入から利用できるまで5分以内で済ますことも可能である。

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専用ウェブサイトの利用開始手続き完了画面。端末の言語設定を英語に設定していると、自動的に英語の専用ウェブサイトが開くようになっている。

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利用開始手続き完了後は利用開始手続きで登録したメールアドレスに登録が完了したことを知らせるメールが届いた。


So-netはNTTドコモのネットワークや設備を利用するMVNOとして提供しており、LTE方式では「Xi」、W-CDMA方式では「FOMA」の各ネットワークを使用する。パッケージには利用可能な通信方式と周波数が記載されており、Xiは2.1GHz帯(Band 1)、1.8GHz帯(Band 3)、800MHz帯(Band 19)、1.5GHz帯(Band 21)のクアッドバンド、FOMAは2.1GHz帯(Band I)と800MHz帯(Band XIX)のデュアルバンドとなっている。パッケージには記載されていないが、FOMAは800MHz帯(Band VI)と1.7GHz帯(Band IX)も利用可能と思われる。SIMカード自体はNTTドコモのSIMカードとなるため、使用する機種はSIMロックフリーかNTTドコモ(SIMロック含む)の製品である必要がある。

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パッケージには利用可能なネットワークも記載されている。

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Speedtest.netを使用して通信速度を測定してみた。通信速度の測定はデータ通信量が増えるので、100MBをすぐに使い切る可能性があるため注意したい。


これまで、日本では訪日外国人が日本到着後すぐにSIMカードを購入することは困難であったが、簡単に買えるSIMカードの自動販売機が設置されたことは訪日外国人にとってありがたい存在になることは間違いないはずである。買いやすくなることはそれだけリスクも上がるが、今後は2020年の東京オリンピック五輪などで訪日外国人も増えると見込まれており、訪日外国人向けの通信サービスについては議論が必要なのではないかと感じるところである。
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記事執筆:paopao0128


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