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インドネシア製スマホ「IVO V5」を購入!「BOLT!」の壁紙が眩しい |
インドネシアでは移動体通信事業者のPT Internuxがサービスブランドを「BOLT! Super 4G LTE(以下、BOLT!)」としてTD-LTE方式の移動体通信サービスを2013年12月より提供している。PT InternuxはLippoグループで、日本の三井物産も出資している企業だ。出資比率はLippoグループが80%、三井物産が20%である。
そんな日本企業も出資するPT Internuxはインドネシアで最初にLTEサービスの提供を開始した移動体通信事業者であり、2014年8月には「BOLT! 4G POWERPHONE」としてBOLT!初のスマートフォンが投入され、「IVO V5」と「ZTE V9820(ZTE Blade V3)」の2機種がラインナップされた。
今回は、インドネシアに渡航した際に実際にIVO V5を入手したので購入方法や特徴などを紹介する。
◯PT Internuxの本社で購入
BOLT!はジャカルタ市やジャカルタ市近郊都市を含めたジャカルタ首都圏でサービスを提供している。ジャカルタ首都圏ではBOLT! ZoneやBOLT! Storeといった販売ブースもしくは販売店を設けており、そこでBOLT!が販売する端末を購入できる。
基本的にインドネシアへの旅行者がBOLT!の端末を購入する場合は、BOLT! ZoneまたはBOLT! Storeで購入することになるだろう。また、オンラインやBOLT!が提携する販売店においても購入できる。
移動体通信事業者の本社で端末を買えるケースは決して多くはないが、新興市場などでは本社で端末を買えることもあり、実際にBOLT!もそうである。PT Internuxの本社でBOLT!の端末を購入できるということで、PT Internuxの本社に足を運んでIVO V5を購入することにした。
PT Internuxの本社はジャカルタ市内に位置するBerita Satu Plazaの7階に入居している。受付でスマートフォンを購入したいと伝えてロビーで待つと担当者が出てくるので、その場で購入の手続きを進められる。
標準パッケージにはSIMカードが同梱されており、有効期間が30日で8GBのデータ通信が含まれている。スマートフォンの購入時にSIMカードをアクティベートしてもらうことが可能で、アクティベートすれば購入後すぐに利用できる。
なお、購入時の身分証明書はパスポートのみで問題ない。その他、書類にメールアドレスや電話番号の記入が求められるが、電話番号は日本のもので問題なかった。発売時の価格は209万9000インドネシアルピアであったが、購入時は149万9000インドネシアルピアに値下げされており、非常にリーズナブルな価格で購入できた。
◯低価格でもスペック面で大きな不満は感じず
比較的リーズナブルな価格に設定されているスマートフォンであるが、スペックは特に低いわけでなく、普通に利用する上で大きな不満は感じない。OSにはAndroid 4.4.2(開発コード名:KitKat)を採用する。
チップセットはQualcomm製「Snapdragon 400(MSM8926)」で、CPUはクアッドコアで動作周波数が1.2GHzとなる。ディスプレイは約5.0インチqHD(540×960ドット)液晶を搭載している。カメラは背面が約800万画素、前面が約200万画素である。通信方式はTD-LTEが2600 MHz(Band 38)および2300 MHz(Band 40)、1900 MHz(Band 39)、W-CDMAが2100 MHz(Band 1)、GSMが900および1800MHzに対応する。
また、Bluetooth 4.0やIEEE802.11b/g/nに準拠した無線LAN(Wi-Fi)も利用できる。システムメモリー(RAM)の容量は1GBで、内蔵ストレージの容量は8GBである。電池パックは取り外し可能で、容量は2300mAhとなっている。カラーバリエーションはWhite(白)とBlack(黒)の2色が用意されている。ミッドレンジのスマートフォンではありきたりなスペックといった印象である。
◯TD-LTEやデュアルSIMに対応
IVO V5の特徴といえば、やはりTD-LTE方式の通信に対応していることだろう。BOLT!はTD-LTE 2300MHz(Band 40)を使用して移動体通信サービスを提供しており、IVO V5で利用することができる。通信速度は理論値が受信最大72Mbpsとなっている。
BOLT!はブロードバンド専用で、TD-LTE方式のデータ通信のみを提供している。そのため、BOLT!のネットワークで音声通話は利用できない。ところが、IVO V5はデュアルSIMに対応しているため、片方のSIMカードスロットでBOLT!のデータ通信、もう片方のSIMカードスロットで任意の移動体通信事業者のSIMカードを挿入して音声通話を利用するといった使い方ができる。
なお、SIMカードスロット1がminiSIMカード(2FF)サイズでTD-LTEおよびW-CDMA、GSM方式に対応し、SIMカードスロット2がmicroSIMカード(3FF)サイズでGSM方式に対応する。そのため、基本的にはSIMカードスロット1にBOLT!のSIMカードを挿入し、SIMカードスロット2に音声通話用のSIMカードを挿入することになる。
◯BOLT!カラーが強いスマートフォン
移動体通信事業者のロゴなど、移動体通信事業者のカラーが強いと嫌われることもしばしばあるが、IVO V5を含めたBOLT!のスマートフォンはBOLT!のカラーが強いのである。デフォルトの壁紙にはBOLT!の壁紙が設定されており、リアカバーには大きくBOLT!のロゴマークが挿入されている。
また、筐体の上下の側面にはカラーバリエーションに関係なくBOLT!のイメージカラーであるオレンジ色のアクセントが入れられており、ロゴの類だけではなく筐体デザインやプリインストールコンテンツにおいてもBOLT!のカラーに染められている。これほど移動体通信事業者のカラーが濃いスマートフォンは世界的に見てもそう多くはないはずである。
◯MADE IN INDONESIAのスマートフォン
IVO V5で特筆すべき点はMADE IN INDONESIAであることだろう。MADE IN INDONESIAの意味通り、インドネシア製のスマートフォンである。化粧箱にはインドネシア語でインドネシア製を意味するBUATAN INDONESIAと記載されている。
これまでは設計が中国で製造がインドネシア、または設計がインドネシアで製造が中国といったケースは少なくはなかったが、IVO V5は設計も製造もインドネシア国内で行われたのである。
IVO V5の設計はインドネシアのPT TATA SARANA MANDIRIが手掛けた。IVOブランドはPT TATA SARANA MANDIRIが保有しているブランドであり、化粧箱にはメーカー名としてPT TATA SARANA MANDIRIが記載されている。IVO V5はPT TATA SARANA MANDIRIがPT Internuxに納入したスマートフォンとして扱われている。
製造はインドネシアのPT SAT NUSAPERSADA Tbkが担当した。PT SAT NUSAPERSADA Tbkはインドネシアのバタム島に本社を置く企業で、製造もバタム島内の工場で行っている。
インドネシアはスマートフォンの国内製造を推進する方針であり、PT SAT NUSAPERSADA TbkはIVO V5を製造する際にインドネシア国内で初めて4Gスマートフォンの製造を行うとして記者会見を開催した。それと同時にインドネシア産業省の担当者が歓迎のコメントを出すほど、IVO V5はインドネシアにとって重要な存在となった。
ソフトウェアの開発など一部工程は中国などでも行っているが、IVO V5は設計から製造までインドネシア国内で手掛けた真のインドネシア製スマートフォンと言っても差支えないだろう。インドネシアには独自のスマートフォンブランドが多く存在しており、今後は設計から製造までインドネシアで行われた4Gスマートフォンも増えてくるに違いない。
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BOLT!はジャカルタ市やジャカルタ市近郊都市を含めたジャカルタ首都圏でサービスを提供している。ジャカルタ首都圏ではBOLT! ZoneやBOLT! Storeといった販売ブースもしくは販売店を設けており、そこでBOLT!が販売する端末を購入できる。
基本的にインドネシアへの旅行者がBOLT!の端末を購入する場合は、BOLT! ZoneまたはBOLT! Storeで購入することになるだろう。また、オンラインやBOLT!が提携する販売店においても購入できる。
移動体通信事業者の本社で端末を買えるケースは決して多くはないが、新興市場などでは本社で端末を買えることもあり、実際にBOLT!もそうである。PT Internuxの本社でBOLT!の端末を購入できるということで、PT Internuxの本社に足を運んでIVO V5を購入することにした。
PT Internuxの本社はジャカルタ市内に位置するBerita Satu Plazaの7階に入居している。受付でスマートフォンを購入したいと伝えてロビーで待つと担当者が出てくるので、その場で購入の手続きを進められる。
標準パッケージにはSIMカードが同梱されており、有効期間が30日で8GBのデータ通信が含まれている。スマートフォンの購入時にSIMカードをアクティベートしてもらうことが可能で、アクティベートすれば購入後すぐに利用できる。
なお、購入時の身分証明書はパスポートのみで問題ない。その他、書類にメールアドレスや電話番号の記入が求められるが、電話番号は日本のもので問題なかった。発売時の価格は209万9000インドネシアルピアであったが、購入時は149万9000インドネシアルピアに値下げされており、非常にリーズナブルな価格で購入できた。
◯低価格でもスペック面で大きな不満は感じず
比較的リーズナブルな価格に設定されているスマートフォンであるが、スペックは特に低いわけでなく、普通に利用する上で大きな不満は感じない。OSにはAndroid 4.4.2(開発コード名:KitKat)を採用する。
チップセットはQualcomm製「Snapdragon 400(MSM8926)」で、CPUはクアッドコアで動作周波数が1.2GHzとなる。ディスプレイは約5.0インチqHD(540×960ドット)液晶を搭載している。カメラは背面が約800万画素、前面が約200万画素である。通信方式はTD-LTEが2600 MHz(Band 38)および2300 MHz(Band 40)、1900 MHz(Band 39)、W-CDMAが2100 MHz(Band 1)、GSMが900および1800MHzに対応する。
また、Bluetooth 4.0やIEEE802.11b/g/nに準拠した無線LAN(Wi-Fi)も利用できる。システムメモリー(RAM)の容量は1GBで、内蔵ストレージの容量は8GBである。電池パックは取り外し可能で、容量は2300mAhとなっている。カラーバリエーションはWhite(白)とBlack(黒)の2色が用意されている。ミッドレンジのスマートフォンではありきたりなスペックといった印象である。
◯TD-LTEやデュアルSIMに対応
IVO V5の特徴といえば、やはりTD-LTE方式の通信に対応していることだろう。BOLT!はTD-LTE 2300MHz(Band 40)を使用して移動体通信サービスを提供しており、IVO V5で利用することができる。通信速度は理論値が受信最大72Mbpsとなっている。
BOLT!はブロードバンド専用で、TD-LTE方式のデータ通信のみを提供している。そのため、BOLT!のネットワークで音声通話は利用できない。ところが、IVO V5はデュアルSIMに対応しているため、片方のSIMカードスロットでBOLT!のデータ通信、もう片方のSIMカードスロットで任意の移動体通信事業者のSIMカードを挿入して音声通話を利用するといった使い方ができる。
なお、SIMカードスロット1がminiSIMカード(2FF)サイズでTD-LTEおよびW-CDMA、GSM方式に対応し、SIMカードスロット2がmicroSIMカード(3FF)サイズでGSM方式に対応する。そのため、基本的にはSIMカードスロット1にBOLT!のSIMカードを挿入し、SIMカードスロット2に音声通話用のSIMカードを挿入することになる。
◯BOLT!カラーが強いスマートフォン
移動体通信事業者のロゴなど、移動体通信事業者のカラーが強いと嫌われることもしばしばあるが、IVO V5を含めたBOLT!のスマートフォンはBOLT!のカラーが強いのである。デフォルトの壁紙にはBOLT!の壁紙が設定されており、リアカバーには大きくBOLT!のロゴマークが挿入されている。
また、筐体の上下の側面にはカラーバリエーションに関係なくBOLT!のイメージカラーであるオレンジ色のアクセントが入れられており、ロゴの類だけではなく筐体デザインやプリインストールコンテンツにおいてもBOLT!のカラーに染められている。これほど移動体通信事業者のカラーが濃いスマートフォンは世界的に見てもそう多くはないはずである。
◯MADE IN INDONESIAのスマートフォン
IVO V5で特筆すべき点はMADE IN INDONESIAであることだろう。MADE IN INDONESIAの意味通り、インドネシア製のスマートフォンである。化粧箱にはインドネシア語でインドネシア製を意味するBUATAN INDONESIAと記載されている。
これまでは設計が中国で製造がインドネシア、または設計がインドネシアで製造が中国といったケースは少なくはなかったが、IVO V5は設計も製造もインドネシア国内で行われたのである。
IVO V5の設計はインドネシアのPT TATA SARANA MANDIRIが手掛けた。IVOブランドはPT TATA SARANA MANDIRIが保有しているブランドであり、化粧箱にはメーカー名としてPT TATA SARANA MANDIRIが記載されている。IVO V5はPT TATA SARANA MANDIRIがPT Internuxに納入したスマートフォンとして扱われている。
製造はインドネシアのPT SAT NUSAPERSADA Tbkが担当した。PT SAT NUSAPERSADA Tbkはインドネシアのバタム島に本社を置く企業で、製造もバタム島内の工場で行っている。
インドネシアはスマートフォンの国内製造を推進する方針であり、PT SAT NUSAPERSADA TbkはIVO V5を製造する際にインドネシア国内で初めて4Gスマートフォンの製造を行うとして記者会見を開催した。それと同時にインドネシア産業省の担当者が歓迎のコメントを出すほど、IVO V5はインドネシアにとって重要な存在となった。
ソフトウェアの開発など一部工程は中国などでも行っているが、IVO V5は設計から製造までインドネシア国内で手掛けた真のインドネシア製スマートフォンと言っても差支えないだろう。インドネシアには独自のスマートフォンブランドが多く存在しており、今後は設計から製造までインドネシアで行われた4Gスマートフォンも増えてくるに違いない。
記事執筆:田村和輝
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