Googleが次期Androidバージョン「M Developer Preview」を発表!

Google(グーグル)は28日(現地時間)、米・サンフランシスコで開催した開発者イベント「Google I/O 2015」のKeynote(基調講演)にて次期Androidバージョンの開発者向けプレビュー「M Developer Preview」(以下、Android M)を披露しました。

Mではメジャーバージョンアップを行った現在の最新バージョン「Android 5.x(開発コード名:Lollipop)」(開発者向けプレビュー版では「L Developer Preview」)からさまざまな細かな改善を行っており、主にアプリの権限を自己管理できるようになるほか、指紋認証や決済サービス「Android Pay」、新しい標準規格の端子「USB type C」に対応し、さらにバッテリーの持ちがAndroid 5.x Lollipopに比べて倍増するなどしています。

また、基調講演が終了後にAndroidの開発者向けプレビュー版の公式Webページ( http://goo.gl/8akVx6 )も更新され、開発者向けSDKやドキュメント、端末に導入できるシステムイメージファイルが提供開始されており、イメージファイルは「Nexus 6」および「Nexus 5」、「Nexus 9」、「Nexus Player」向けが配信されています。

なお、現時点では提供時期やバージョン、開発コード名などの詳細は明らかにされていませんが、通例通りなら秋頃に正式版が提供される予定で、それまでにPreview 2が6月下旬~7月上旬に、Preview 3が7月下旬に提供される予定です。

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Google上級副社長のスンダー・ピチャイ氏


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GoogleでAndroidのエンジニアディレクターを務めるデイヴ・バーク氏

はじめに登壇したGoogleのAndroid, Chrome & Apps担当でSenior Vice President(上級副社長)であるSundar Picahi(スンダー・ピチャイ)氏は「Android Mはあらゆる面で詳細な改良をしています。」と紹介し、続いて各担当者が交代して詳細な説明が行われました。

まずはAndroid Mの主な変更点をDirector of Engineering AndroidのDave Burke(デイヴ・バーク)氏が担当。GoogleではAndroidの品質を一貫して管理しており、製品の卓越性に注目し、オープンソースによってあらゆる人が利用できるように公開しています。これにより、競合他社よりも先に行っていると説明。

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Android Mでは主な6つの点について説明され、まずはUXについてはアプリの権限をカスタマイズできる「App Permission」を提供します。これまではアプリは開発者が設定した権限を受け入れるだけでしか利用できませんでしたが、利用者が納得のいかない権限は拒否できるようになります。

また、よりわかりすくするため権限を絞っており、始めて使うときは確認画面が表示されますが、例えば、Whats Appでマイクを初めて使うときには確認のダイアログが出るようになります。許可するとマイクが使えるようになり、設定からこれらの権限の許可設定を変更することも可能です。

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通知がシームレスに行われるようになり、アプリからChromeブラウザーのカスタムタブを利用できるようになります。Chrome側でコンテンツの確認もでき、戻るボタンですぐにアプリに戻れるほか、パスワードなども保存していたものが使えます。加えて、Android Mではアプリ連携時にこれまで表示されていた選択画面を自動で選択することもできる機能「AppLinks」にも対応しています。

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次に、新機能として決済サービス「Android Pay」を提供します。Android Payはシンプルで、非接触IC機能「NFC」での決済ではアプリを開く必要がなく、タッチするだけです。そのため、クレジットカード番号をお店に知られることもありません。

既存のVISAやMaster Card、アメリカンエクスプレスカード、DiscoverといったデビットカードやクレジットカードをそのままAndroid Payで使うことができ、多くの店舗で使うことが可能。

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さらにAndroid Mでは指紋認証に標準で対応し、APIが提供されます。これにより、指紋センサーを搭載したAndroid M搭載機器ではより簡単にデバイスのロック解除やAndroid Payなどの認証を行えるようになり、ユーザーはタッチするだけで良くなります。

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その他にも省電力化についても改良が加えれています。バッテリーと性能はトレードオフの関係があり、これを「Doze」といいますが、よりスマートな形で電源管理ができるようになります。例えば、既存のAndroid 5.x Lollipopを搭載したNexus 9では連続待受時間が2倍持つようになります。

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最後に新しいMacBookでも採用されている新しい標準端子規格「USB Type C」にも標準で対応し、データ通信や充電時間が3〜5倍程度高速化されるほか、端末を充電器として使えるようにもなります。また、端子についてはデバイスメーカーといろいろと協力しています。

Android Mとは別に紹介されたGoogle Nowの新機能「Now on tap」ではタップすると画面にある情報から関連するオススメをしてくれるようになります。

また、Google Playサービスも最新の7.5がリリースされ、パスワードのスマートロックなどの新しい機能に加え、Android WearにおけるGoogle Cloud MessagingやGoogle Cast、Googleマップといった新しいAPIへの対応などが行われています。

その他、何百もの新しい機能があります。小さなことも重要と考え、例えば、ツールバーも非常に使い勝手が改善されています。

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記事執筆:memn0ck


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