AQUOS ZETA SH-01H
IGZO液晶が200%加速する!

既報通り、NTTドコモは30日、今冬および来春に発売・開始する新モデルや新サービスを披露する「2015-2016冬春モデル新商品発表会」を開催し、指紋センサーを搭載したシャープ製Android 5.1(開発コード名:Lollipop)採用スマートフォン(スマホ)「AQUOS ZETA SH-01H」(以下、SH-01H)を発表しました。

発売時期は2015年11月上旬を予定し、すでに9月30日(水)よりドコモショップ店頭や公式Webストア「ドコモオンラインショップ」などにて事前予約が開始されています。価格はまだ公表されていませんが、実質負担額で新規契約および機種変更、他社から乗り換え(MNP)で5万円台半ばを予定。

大画面をコンパクトに持ち運べる「EDGEST」デザインが好評なAQUOSシリーズの中でも、ハイエンドに位置づけられる機種につけられる名前がZETAであり、本機もまたシリーズのフラッグシップとしての登場です。

本機は国内初でさらに最速となる下り最大300Mbpsでのデータ通信に対応し、64bit対応ヘキサコアCPU(1.8GHzデュアルコアCPU+1.4GHzクアッドコアCPU)「MSM8992(Snapdragon 808)」、3GB RAM、32GB内蔵ストレージを搭載するなど、まさにフラッグシップの名に恥じないハイスペック。このハイスペックをフル活用した新機能が今回の端末には数多く実装されています。

発表会のタッチ&トライコーナーで試作機に触れることができましたので、写真や動画とともに紹介したいと思います。

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ボディカラーはマゼンタ、ブルー、ブラックの3色


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塗装は光沢感が強く指紋などが目立ちやすい


まず本体を見て最初に感じたのは「少し小さくなったかな?」というもの。前機種となる「AQUOS ZETA SH-03G」(以下SH-03G)では5.5インチ液晶を搭載していましたが、本機では5.3インチ液晶に若干小型化。フラッグシップに位置付けられるスマホの画面サイズが小さくなることは異例とも言えますが、このサイズ変更によりボディサイズも縦横ともに2mmずつの小型化を果たしています。

僅か2mmとはいえそもそものボディサイズが大柄だったために(SH-03Gでは横幅76mm)持ちやすさの面での恩恵は比較的大きく感じます。スマホの進化はディスプレイサイズの大型化と共にあったと言っても過言ではありませんが、やはりそのサイズにも利便性とのバランスが求められる時代になったのかもしれません。

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正面。EDGESTデザインらしい「前面すべて画面」と思わせる大迫力


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背面。上部にカメラ、中央に指紋認証デバイスがある


SH-03GからAQUOSシリーズにも指紋認証デバイスが搭載されましたが今回のSH-01Hでも引き続き実装。SH-03Gでは若干無骨な、いかにも指紋認証デバイスだと言わんばかりの存在感がありましたが、本機ではスマートな見た目となりデザインの唐突さが薄れています。

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前機種「SH-03G」の背面。指紋認証デバイスがSH-01Hでかなり小さくなっているのが分かる


SH-01Hの最大の特徴は液晶画面にあります。従来のスマホの液晶画面はほとんどが60Hz駆動(1秒間に60回画面を書き換える)でしたが、本機では2倍の120Hz駆動(倍速駆動)を実現。より高速で画面を書き換えることで動きの大きな動画などで発生しやすい残像ブレを低減させています。

ただし120Hz駆動時は若干電力消費も上がるため、液晶画面の120Hz駆動はアプリケーションごとにも設定が可能となっており、通常は60Hzで駆動させつつ動画コンテンツの再生時のみ120Hz駆動を利用する、といった使い方もできます。特に本機では120fps動画の撮影なども可能であるため、ハイスピード撮影された動画をそのままのクオリティで閲覧することができるのは大きなメリットです。

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下面。通話用マイクとスピーカーがある


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上面。microUSB端子とイヤホン端子がある


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左側面。SIMカードスロット、microSDカードスロット、通知用LEDが並ぶ


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SIMカードスロットやmicroSDカードスロットなどは防水キャップ式


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右側面。通知用LED、音量調節キー、電源キーなどがある


のもう1つの特徴がカメラのオートフォーカス(AF)速度の向上です。

一般的にスマートフォンなどに搭載されるカメラデバイスではコントラストAFと呼ばれるAF方式が採用されることが多いですが、この方式はレンズを動かしてピント調整を行う必要があるため、仕組みとしては簡単ですがAF速度を上げづらいという欠点があります。

これに対してSH-01Hで採用されたのは位相差AFと呼ばれる方式で、部品点数や機構が複雑化するものの物理的なレンズの移動などを行わないため、より高速なピント合わせが可能になります。本機の場合は位相差AFのみを用いるのではなくコントラストAFと同時に使用するハイブリッド方式となっており、SH-03G比で約1/3の時間でAFが完了するようになりました。

位相差AFは高価なデジタル一眼カメラなどに多く搭載される方式でもあり、また本機ではSH-03Gに引き続きリコーのデジタルカメラ「GR」シリーズの開発メンバーによる画質改善認証プログラムをクリアした高画質レンズを搭載するなど、カメラ機能に対する本気度を感じさせます。

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液晶の美しさだけがAQUOSではない


カメラ機能に対する積極的な姿勢はインカメラにも見られ、SH-03Gの約210万画素から約800万画素へと一気に高画素化。レンズにも広角レンズを採用するなど、昨今のセルフィー(自撮り)ブームを牽引するような端末へと昇華しています。

液晶の駆動速度やカメラ機能についての解説は以下の動画からもご覧いただけます。



狭額縁と大画面をアピールポイントにしてきたAQUOSシリーズはSH-03Gからカメラ機能に注力をはじめ、SH-01Hではさらにそのカメラで撮影した映像を視聴するための液晶ディスプレイにも改良を加えてきました。より快適で心地よい使い勝手を実現するための「道具としての高性能」がそこにはあります。単なるスペック競争ではない工夫の数々に、長年ケータイやスマホを作り続けてきたシャープの底力を見たような気がします。

◯主な仕様
機種名AQUOS ZETA SH-01H
寸法(高さ×幅×厚さ:mm)約139×74×7.9
質量(g)約151
OSAndroid 5.1
CPU
(チップ名、クロック)
MSM8992
ヘキサコア
(1.8GHzデュアル+1.4GHzクアッド)
内蔵メモリー
(ROM/RAM)
32GB/3GB
外部メモリー
(最大対応容量)
microSDXC(最大200GB)
バッテリー容量3100mAh
連続待受時間(静止時[自動])
(LTE/3G/GSM:時間)
約490/約550/約430
連続通話時間
(LTE/3G/GSM:分)
約1300/約840/約850
実使用時間(時間)※1未定
ディスプレイ
(サイズ:インチ、解像度:ドット、
方式、発色数)
約5.3インチ
フルHD 1080×1920
TFT液晶 IGZO
1677万色
Xi(LTE、受信時最大/送信時最大)300Mbps/50Mbps
VoLTE(◎は海外対応)
LTE対応周波数帯
(2GHz/1.7GHz/1.5GHz
/800MHz/700MHz)
○/○/○/○/○
対応方式
(FDD-LTE/TD-LTE)
○/ー
FOMAハイスピード
(HSDPA/HSUPA)
14Mbps/5.7Mbps
外側カメラ機能
(撮像素子種類、有効画素数/記録画素数)
裏面照射型CMOS
約1310万/約1280万
内側カメラ機能
(撮像素子種類、有効画素数/記録画素数)
裏面照射型CMOS
約800万/約800万
防水/防塵○/○(IPX5、8/IP5X)
Bluetooth○(4.1)
ワンセグ/フルセグ
(◎は録画対応)
◎/◎
ハイレゾオーディオ対応
LTE/Wi-Fi同時接続による
高速ダウンロード
LTE/Wi-Fi同時接続による
スムーズな通信
UIMカードnanoUIM
Blue
Black
Magenta
製造メーカーシャープ
※1 一般に想定されるスマートフォンの利用(Web閲覧、アプリの利用等、約80分間/日の利用)があった場合の電池の持ち時間です(NTTドコモ調べ)。実際の利用状況(連続通話や動画を大量にダウンロードした場合など)によっては、それを下回る場合があります。なお、各機種の実使用時間については、 順次ドコモのホームページで公表される予定。
※2 外付けのアンテナケーブル(同梱)が必要。
※3 仕様は発表時点のもので、製品版は変更になる場合があります。



記事執筆:あるかでぃあ


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