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Nexus 5XとNexus 6Pを手にするGoogleのAndroid担当副社長ヒロシ・ロックハイマー(Hiroshi LOCKHEIMER)氏 |
グーグルは7日、都内で「Android に関する記者説明会」を開催し、先日提供が開始されたスマートフォン(スマホ)やタブレット向け最新プラットフォーム「Android 6.0(開発コード:Marshmallow)」を搭載するリーディングデバイス「Nexus 5X」(LG Electronics製)、「Nexus 6P」(Huawei Technologies製)、写真・動画用クラウドストレージサービス「Googleフォト」、そして、Android 6.0 Marshmallowの新機能を紹介した。
Nexus 5XはNTTドコモの「2015-2016冬春モデル新商品発表会」において実機レポートが行われているが、Nexus 6Pは国内初のお披露目となった。今回はまずは発表会のプレゼンテーションの内容を紹介していく。

グーグル 製品開発本部長の徳生裕人氏
日本生まれの日本育ちだというGoogle米本社でAndroid担当の副社長を務めるヒロシ・ロックハイマー氏は「iモード(NTTドコモ)の機能でアプリが生まれ、今はそれが世界中で普及しており、日本から生まれた素晴らしいテクノロジー、イノベーションを思い起こします」と日本の携帯電話の生い立ちが世界の流れになっていることを紹介し、さらに「絵文字("Emoji")という言葉、これは世界中の人々が使っています。テキストメッセージに絵文字を入れるというのも日本から生まれました」と語った。
また「Googleがアメリカ以外で初めて海外拠点を作ったのが日本」であることを明かし、日本はGoogleにとって大切な歴史を司っていると述べた。さらに同氏はAndroid 6.0の開発コードを「餅(Mochi)と呼びたかったんですが、僅差でMarshmallowに決まりました」と語って笑いを誘っていた。
なお、Androidでは主なバージョンごとにアルファベットでお菓子の名前が開発コード名として付けられており、Android 5.xが「Lollipop」(チュッパチャプスのような棒のついた飴)で"L"からはじまっており、Android 6.0はアルファベット順で次の"M"からはじまる名前となる。Mochiがお菓子として妥当なのかどうか不明だが、日本のお菓子の名前が付けられるのは嬉しい気もするので、次の"N"はがんばって欲しいところだ。
続いて、グーグル製品開発本部長の徳生裕人氏によって新製品について紹介を行った。Nexus 5XおよびNexus 6Pに搭載されたUSB Type-Cは裏表関係なく抜き外しが簡単だけではなく、高速充電(最大3A)が可能となっている点が特徴であると述べた。

また、両機種のカメラはリアカメラが約1230万画素で暗いところでも写真が撮れるピクセルピッチ1.55µmのイメージセンサー、フロントカメラは約800万画素でピクセルピッチ1.22µmのHDR+を搭載した世界最高のセルフィー(自撮り)ができると、Nexus史上最高のカメラである点をアピールした。なお、Nexus 6Pは電子式手ブレ補正(EIS)に対応しているが、Nexus 5Xは非対応だ。
さらにAndroid 6.0 MarshmallowでOSが標準サポートした指紋認証機能は、背面に「Nexus Imprint」と呼ばれる指紋センサーを搭載し、CPUの動作とは別のセンサー用プロセッサ「Sensor Hub」によって、スリープ中でもすぐに使える状態にできるとのこと。
他にもNexus 6Pは約5.7インチQHD(1440×2560ドット)有機ELディスプレイと、背面のCNC加工された航空機グレードの切磋加工された高級感のあるアルミニウムボディーが特徴であるとアピールされていた。
多くの機能はNexus 5Xと同様で、違いはQHDディスプレイ(Nexus 5XはフルHD)、3450mAhの大容量バッテリー、スローモーション撮影がNexus 5Xの120fpsより多い240fpsで撮影可能であると説明。
続いて、カメラ機能の一環として、Googleが今年5月に提供を開始した新しいサービスであるGoogleフォトについても紹介が行われた。GoogleフォトはそれまでのGoogle+フォトをリニューアルした形で提供されており、AndroidやiOS、パソコン(PC)で使えるクラウドストレージだけではなく、写真のタグ付けを自動で行い写真が数年分貯まったとしても面倒な写真の整理をする必要がない点が大きな特徴だ。

その中でも写真共有機能は、共有したい写真を選んで共有ボタンを押すだけで簡単にURLを共有できる点が紹介された。特に容量を気にすることなく共有することができるので、写真を大量に選んでも大丈夫である点をアピールしていた。

また、Googleフォトで開発中の新機能についても触れ、タグ付けの機能とGoogleの画像解析技術によって子どもの名前(タグはユーザーが修正可能)で検索をするとタグを付けた時点だけではなく、多く写っている人物をその人だと認識して生まれた時の写真まで遡ってタグ付けされていること紹介した。

子どもの成長も自動でタグ付けされる
さらに、タグには場所や乗り物などさまざまな要素が自動的に付けられるので「名前 場所」や「名前 動物名」などで検索するとそれぞれを絞り込んだ検索結果が得られることで、見たい写真にすぐにアクセスできるという。

さらに年内にはユーザーが一緒にアルバムを作れる「共有アルバム」の提供を開始することも発表した。
Androidの最新版のAndroid 6.0 Marshmallowについて「何か革新的な機能を追加するアップデートではなく、基本に立ち返って日々のユーザー体験を良くするためにはどうしたらいいかを考えて開発したもの」と説明。
ロック画面は検索や急速充電のステータス確認、アプリ一覧画面の上段に表示される4つのアプリは日々どんな時間にどんなアプリを使うかを学習し提案する機能を実装している。
アクセス権限についてもよりユーザーにわかりやすいよう変更が加えられており、アプリのインストール時には最小限の権限しか与えられておらず、実行時に例えばカメラを使ってもいいですかと権限をユーザーに確認するようになっていると語った。
バッテリーの節電に関してもOS側で使用していない状態を判断して省電力化する「DOES」モードは30%に近いバッテリーもちの延長がはかれると説明した。

加えて、年内提供予定の新機能「Now On Tap」は、メッセージやメールなどからユーザーが何を知りたいのかを先回りしてグーグル検索と連携させて行動を提案する機能で、それについてもデモンストレーションが行われた。

日本では今年8月に提供が開始されたばかりの「Google Play ミュージック」のアプリで、例えば「Do As Infinity」と検索して楽曲再生を行った後、ホームボタンを長押ししてNow On Tapを呼び出すと曲名とアーティスト名でグーグルの検索結果、画像、YouTubeなどが提案されていた。なお、日本語でのNow On Tapは現在まだ提供されていないが、年内に提供予定だという。


続いて「LINE」アプリで送られてきたメッセージに対してNow On Tapはそれが店名であり、地図やダイヤル、食べログアプリへのURLリンクなど様々な角度からアクセスできる点を紹介した。


さらにやりとりをして6時30分に待ち合わせが決まったところで、Now On Tapを起動するとカレンダーにスケジュールとして設定できることもアピールしていた。
すでに既存の「Nexus 5」や「Nexus 6」、「Nexus 7(2013)」、「Nexus 9」、「Nexus Player」向けにAndroid 6.0 Marshmallowは提供開始されているので、紹介された一部機能は利用できるので是非持っている人はチェックしてみて欲しい。
記事執筆:mi2_303
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