不具合修正のファームウェア更新をメーカー送付で行う

トリニティが自社のWindows 10 Mobile スマートフォン(スマホ)「NuAns NEO」について、一部の個体でOSアップデートができない事象への対応を2016年6月9日から開始しました。NuAns NEOを指定の住所に送付すると、ファームウェアをOSアップデートされてから返送されるというもの。

オンラインアップデート(OTA)ではなく、実際に現物を送らなければならないため、それなりに対応期間がかかることが想定され、心理的なハードルも高く、特に常用している場合には利用しにくいかと思います。

そんな郵送によるアップデートサービスですが、筆者のNuAns NEOも対象個体だったので、さっそく送付してアップデートをお願いしてみました。今回はその模様を紹介します。

【アップデート対象となる条件に注意】

トリニティは公式Webサイトで、今回のアップデートサービスの対象を以下のように案内しています。

ファームウェアリビジョン番号の末尾が62であり、電話の更新にて更新プログラムのチェックを実施してもOSビルド末尾が .164以降に更新することができないNEOユーザー

ファームウェアのバージョン62は、NuAns NEOの一部初期出荷分に存在したタッチパネルの不具合修正を含んでおり、オンラインアップデートではなく、Windowsパソコンを利用してNuAns NEOをUSBケーブルで接続し、直接書き込むイメージファイルとして提供されました。詳細はすでに紹介している過去記事を参照してください。

筆者のNuAns NEOはこの「初期出荷の一部個体」で、今回のアップデートサービスの対象に当てはまります。確かにOSがアップデートできない状態が続いていました。

【料金も送料も無料、1週間以内で完了】

筆者はアップデートサービスが発表された翌日の2016年6月10日に、札幌からNuAns NEOを指定送付先(埼玉県新座市)へ発送しました。発送時はSIMカードやmicroSDカード、裏蓋をすべて取り外すように案内されています。またアップデートに伴ってデータがリセットされることに注意が必要です。なお、筆者はリセット後に発送しました。発送は着払でよく、アップデートの費用も発生しません。今回は着払のゆうパックを利用しました。

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フルリセットをして送付前のNuAns NEO
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SIMにmicroSD、裏蓋などをすべて取り外した

先方に到着したのは週明けの6月13日(月)で、その後、6月15日(水)の午前中には佐川急便で札幌市の自宅にNuAns NEOが返送されました。結果として1週間足らずで戻ってきたことになり、こういったサービスの中ではスピーディーな対応と言えます。届いたNuAns NEOも段ボール箱にしっかり梱包されて返送されました。

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アップデートされて戻ってきたNuAns NEO

アップデート後のファームウェアバージョンは1028.020.001.79、OSのバージョンは10.0.10586.318でした。初期設定後一晩放置したところ、さらにOSの更新が来ていて、アップデート後に10.0.10586.420になりました。

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アップデート前(写真=左)とアップデート後(写真=右)。赤枠部に注目

今回のアップデートでは以下の修正も同時に適用されます。詳細はトリニティのブログ記事を参照してください。

  • 一部のアプリ(LINE等)で特定の機種間において通話時の音声が小さくなる問題を解決しました。
  • カメラのフォーカス値が正しく取得されない問題を解決しました。
  • カメラアプリの設定によってはカメラアプリがフリーズしてしまう問題を解決しました。
  • 緊急地震速報のON/OFFを設定できるように変更しました。
    設定 > システム > メッセージング > 緊急警報の設定の変更 より変更が可能です。
  • ナビゲーションバーをタッチした際のバイブレーションの強さを大きくしました。
  • ナビゲーションバーをタッチした際のバイブレーション動作のON/OFFを切り替えられるようにしました。
    設定 > Extras > タッチ より変更が可能です。
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Extrasメニューからナビゲーションバータッチ時のバイブON/OFF切替が可能

【迅速なサポートだが、できれば送付したくない】

今回の送付によるアップデートサービスは、問題を解決するためのファームウェア書き換え手順が、利用者が自分で行うには「非常に難しい」ということで提供されました。スピーディーな対応で利用者に費用も発生せず、充実したサポートだったと言えます。とはいえ、送付によるアップデートサービスはスマホが一定期間手元を離れてしまうため、今後はできる限りオンラインアップデートでの対応を期待したいところです。

余談ですが、トリニティのブログ記事を読む限りWindows 10 Mobileスマホのアップデート配信はMicrosoftの対応が必要となり、なかなかスマホメーカーの思うとおりにはならないようです。Windows 10 Mobileを本気で普及させようと思うならば、このあたりも課題となってくるのではないでしょうか。


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