ZenFone Go TVとZenFone Goの違いをチェック! |
ASUSTeK Computer(以下、ASUS)が海外向けモデルとして販売しているSIMフリースマートフォン(スマホ)「ZenFone Go TV(型番:ZB551KL)」。海外向けに発売された同モデルですが、台湾などで販売されている製品には日本の技適マークもついており、国内でも使用することが可能。
筆者も先日、台湾を訪れた際に1台購入して持ち買ってきましたが、日本でもAmazon.co.jpなどにて購入が可能となっています。
このZenFone Go TVは、国内で販売されている低価格で人気となっている「ZenFone Go」と大きく変わらない外観ながらも、一部の仕様変更と世界40カ国以上で利用可能とされるTVチューナーを搭載し、日本でもワンセグが見れるとして貴重な存在です。
ここまで外観デザイン、ソフトウェアまわり、テレビ視聴機能といった内容を順に紹介してきました。そこで今回は、そもそも「国内向けのZenFone Goとどのあたりが違うのか?」といった点を実際に両機種を見比べながら紹介していきたいと思います。
まずは外観デザインから比較していきます。上の写真は左側がZenFone Go TV(本体カラー:ブルー)、右側がZenFone Go(本体カラー:ホワイト)。いずれの機種も本体カラーを問わず、フロントパネルはすべて黒を基調としたものになっています。この状態だと完全に区別がつきません。
違いがないのは裏返してみても同じ。リアカバーの色違いがあるため、今回は見分けられていますが、仮に同じ色であったとしたら判別不可能と言えます。ちなみにそれもそのはずで、台湾で販売されているZenFone Go TVと日本で販売されているZenFone Goはともに同じ「ZB551KL」の型番が割り当てられています。つまり基本的には同じ(あるいは限りなく近い)製品になっているということのようです。
念のためリアカバーを外してみましたが、やはりこちらでも判別はつかず。むしろ唯一の判別ポイントであったリアカバーがなくなったことで、筆者自身も一瞬、どちらがどちらかわからなくなるレベルでした。
以上のことから外観デザインで判別することはほぼ不可能と言えるでしょう。
続いてはプリインストール(プリイン)されているアプリやソフトウェアの部分で比較してみることに。ここから紹介する画像は特に説明がない限り、左がZenFone Go TV、右がZenFone GOとなっています。
販売地域が異なるため、まずはじめに何か違いがあるだろうと思ったのがプリインストールアプリ。アプリ一覧を開いて確認してみると、いずれもページ数は3枚ほど。ただアプリの数で比べると、少なくともワンセグ機能の分だけでも多機能となるZenFone Go TVのほうがむしろプリインアプリ数は少ないものとなっていました。
内容自体は大きな違いはないものの、ZenFone GoのほうではGoogleのドキュメント系アプリ(ドキュメント、スプレッドシート、スライド)やYahoo!アプリといったものがプリインされています。
なお、ZenFone Go TVでワンセグを視聴するために使用するアプリ「SoloTV」はZenFone Goには搭載されておらず。アプリで見分けるのであれば、SoloTVの有無は判別ポイントとして使うことができそうです。
続けて設定画面に並ぶ項目を確認。上の3枚の画像を見て分かる通り、こちらは完全に同じ項目が同じ順番で並ぶという同一仕様になっていました。
次に端末情報を確認してみると、ソフトウェア情報において明確な違いが。ZenFone Go TVはソフトウェア情報の先頭に付いた英文字が「WW(おそらくWorld Wideの略でしょう)」となっています。一方でZenFone Goはここが「JP(日本)」です。
国内向けのZenFone GOといえば、先日auが提供するVoLTEへの対応アップデート配信が発表されたところ。もしかしたらほぼ同仕様のZenFone Go TVでもau VoLTEが使えるようになる可能性もある?と考えていたのですが、配信されているソフトウェアが違うことを踏まえれば、期待するのはあまり良いとは言えなさそうですね。
なおどちらも日本向けの技適マークは表示可能ということで、認証情報の内容も比較してみました。こちらは最上部に書かれているモデル名も同一(ASUS_X013DB)、技適マークに添えられた認証番号もすべて同じ内容となっています。
一部仕様や機能は異なるもの、あくまで同一製品としてくくることができる範囲の違いしかないということです。
なおCPUや内蔵メモリー(RAM)など、処理性能に関わる部分での仕様はZenFone Go TVもZenFone Goも変わりません。そのためベンチマークスコアを測定してみても、結果に大きな違いは見られませんでした。
最後に異なった仕様となっているカメラを簡単にテスト。国内向けのZenFone Goではメインカメラが有効画素数800万画素となっていますが、ZenFone Go TVではこれが1300万画素へと引き上げられています。今回は2シーンほど撮り比べた写真を紹介しておきます。
上の2枚の写真はいずれもオートモードにて撮影。加工はリサイズのみです。比べてみるとZenFone Go TVのほうが被写界深度が浅く、奥の部分にボケが見られます。ただし一方で、盛りつけたお皿の青色に引っ張られ、写真全体が青みの強い写りになってしまいました。
ZenFone Goのほうも写真全体では青みがかった印象であるものの、2枚の写真を比較した際に相対的に美味しそうに見えるのはZenFone Go(国内向けモデル)だと感じました。
もう1パターンは屋外で緑地に咲く花を撮影。先程以上に違いがはっきりとでる結果になりました。ZenFone Go TVで撮影した写真の特徴は先ほどと同じで、被写界深度が浅く、また写真全体の色味が背景色などに引っ張られやすい印象。今回の写真に関していえばやや赤み(紫?)がかった仕上がりになりました。
一方でZenFone Goはどうかといえば、こちらは全体的に青みがかった仕上がりに。こちらは撮影環境によるバラつきは大きく感じなかったものの、基本的にやや青みがかった写真に仕上がりやすい印象を受けました。
有効画素数が高いZenFone Go TVのほうが魅力的に感じてしまいやすいもの。ですが、実際に使い比べてみると、バラつきのないクセの出方という意味でまだ扱いやすいと感じたのは意外にもZenFone Goのほうでした。
最近はスマホのカメラもただ高画素を追い求めるのでなく、機能面での差別化が多く見られます。今回チェックしたZenFone Goシリーズに関していえば、有効画素数的に劣るZenFone Go(国内モデル)が劣っているとは一概にいえないように思いました。
ただカメラに関してその他にひとつ違いとして気がついたのはシャッター音の有無。海外向けモデルとなっているZenFone Go TVでは、カメラの設定画面からカメラおよびスクリーンショットの撮影音を消すことが可能になっています。ここはZenFoneシリーズに限らず、共通の設定と言えそうです。
仕様もより高性能、搭載する機能も多く、何より価格が安い。国内向けのZenFone Goと比べると、台湾で販売されているZenFone Go TVにはメリットしかないようにも思っていましたが、いざ比べてみるとカメラなどは扱いにくさも感じる結果となりました。
ただもともとエントリークラスで高性能を求める機種ではないこと、そして何よりSIMフリースマホにとっては貴重な存在となるワンセグ視聴対応モデルであることを考えれば、トータルでは魅力が十分に感じられる製品といえるでしょう。
次回はZenFone Go TVのレビュー最終回として、今回気になったカメラ機能をより詳しくチェックしていくことにします。
記事執筆:そうすけ
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