実は結構頑張ってる!カタログスペックだけではわからないarrows Be F-05Jの本当の姿を見よ |
NTTドコモの「2017年夏モデル」の目玉となる割引施策「docomo with」対象モデルの第1弾として6月1日に発売された新しいスマートフォン(スマホ)「arrows Be F-05J」(富士通コネクテッドテクノロジーズ製)。
前回は同梱品紹介として、開封レポートをお送りしましたが、今回はarrows Be F-05Jをベンチマークアプリで性能をチェックしつつ、ほぼ同等のスペックとして販売されている他のスマホと比較してみました。ほぼ同じのスペックでもメーカーや世代が違うと、どういった結果が出てくるのかに注目してご覧ください。
【ベンチマークアプリについて】
今回、性能を比較・計測に使用するベンチマークテストアプリはCPU性能をシングルコアとマルチコア性能を個別に計測する「Geekbench 4」、3D性能などを含めた総合力をスコアで計測する定番のベンチアプリ「AnTuTu Benchmark」、Webブラウジングのレンダリングや動画の再生などをテストする「PCMark」。そして、半ば筆者の趣味で度々使っているボーカロイドの巡音ルカを躍らせて、計測する「LukaLuka Bench」の4つのアプリとスペックの詳細を確認できる「CPU-Z」を使用します。【スペックのおさらいと比較対象】
それではテストする前に改めてarrows Be F-05Jのスペック(通信部分など除く部分)をおさらいしていきます。arrows Be F-05Jはチップセット(SoC)にQualcomm製「Snapdragon 410(MSM8916)」(1.2GHz×4コア)を採用し、本体動作メモリー(RAM)は4GBで、本体ストレージは16GBとなっています。ディスプレイは約5インチHD(720×1280ドット)で、プリインストールされているOSはAndroid 7.1(開発コード名:Nougat)です。そして、今回比較対象としたのはコヴィア・ネットワークス 製のSIMフリースマホ「i-dio Phone」(2015年12月発売)です。理由としてはカタログスペックにおいて、SoCやRAM、本体ストレージ、ディスプレイが同数値であり、目立った違いが開発したメーカーとOSのバージョンの違い(Android 5.1 開発コード名:Lolipop)くらいであるという点です。
コヴィア・ネットワークス製スマホ「i-dio Phone」
「CPU-Z」の画面。(左側がF-05Jで右側がi-dio Phone)まったく同じCPUであることが確認可能
【Geekbench 4でCPUそのものの性能をチェックする】
Geekbench 4の画面(左側がarrows Be F-05Jで、右側がi-dio Phone)
わずかにarrows Be F-05Jが勝っているが、その差は誤差程度
CPUの性能に絞って性能をチェックするGeekbench 4においては、まったく同じCPUを使用しているためか、誤差程度の差しか確認できませんでした。
CPUそのものはまったく同じなためか、何度かテストを繰り返して、測り直ししてもほとんど同じ数値が並ぶだけだったため、Geekbench 4での比較は数値の確認程度で比較にはなりませんでした。
【AnTuTu Benchmarkで3Dゲームプレイを含めた総合力を計測・比較】
AnTuTu Benchmarkの計測結果(左側がarrows Be F-05J、右側がi-dio Phone)
まず、どちらもスマホとしてはエントリークラスのスペックなので、上位勢では10万超えの世界に突入しているため、その辺りのレベルの製品とは比較にはならないことを覚えておきましょう。
そして、arrows Be F-05Jとi-dio Phoneですが、arrows Be F-05Jが25437ポイントで、i-dio Phoneが24348と1000ポイント程度の差がついています。
注目としては3D描画性能の項目でarrows Be F-05Jがi-dio Phoneの倍以上のスコアを獲得しています。これはOSのバージョンとともにJAVAのライブラリーが新しいものになっていることで、より効率的に3D描画処理ができているという点にあると思われます。
一方でメーカーが直接販売しているのではなく、携帯電話会社が販売するスマホの宿命としてバックグラウンドで動作するアプリケーションが存在すため、CPUやRAMの項目ではi-dio Phoneの方が勝ってしまっています。もちろん、それを差し引いても総合面でarrows Be F-05Jが差をつけて勝っていますが……。
【PC Markでの総合力計測結果と比較】
大差をつけてarrows Be F-05Jが勝利
もう1つの総合力計測のベンチマークアプリである「PC Mark」にて計測したところ、2739対1440でarrows Be F-05Jが大きく突き放す結果になりました。こちらもOSやJAVAライブラリーの世代が異なる点が影響したものと考えられます。
特にPC Markでは3D描画のゲームよりもWebブラウジングや写真や動画などの処理もリアルタイムで計測しているため、より一般的な部分における動作性能をみることができるので、arrows Be F-05JはWebの閲覧やSNS程度で処理の重いゲームを遊ばないユーザーが選ぶスマホとしては十分に選択肢に入るものとなっていることがわかります。
【LukaLukaBenchを使って両機で巡音ルカを踊らせてみた】
「LukaLukaBench」の計測結果(左側がarrwos Be F-05Jで、右側がi-dio Phone)
最後に、ボーカロイドの巡音ルカを踊らせて、軽めの3D描画性能をチェックする「LukaLukaBench」で両機をテストしました。arrows Be F-05Jが300ポイント近くリードしての勝利となりますが、それ以上に注目したいのは描画速度(fps)の項目です。
arrows Be F-05Jは計測中も度々30fps(秒間30フレーム)に到達し、比較的滑らかに動いていたことに対して、i-dio Phoneでは一度も30fpsへ到達できず(確認した最大値は26~28fps)にいました。
あまり処理の重いゲームを遊ぶには厳しいですが、ちょっとした演出があるくらいのブラウザゲーム(ソーシャルゲーム)を遊ぶ程度であれば問題もなさそうです。
【まとめ:カタログスペックの中ではがんばっている】
今回のarrows Be F-05JはCPUやRAMなど、1年以上前に発売された製品と比べてほぼ同一のカタログスペックなエントリークラスのスマホではあるものの、OSやライブラリーの更新などにより、高い総合力を発揮できるコストパフォーマンス度の高い1台になっていると思います。特に本機の場合は毎月1,500円の割引があるdocomo with対象のスマホであり、料金を重視する「性能にこだわらない、NTTドコモの提供するサービスに対応した安く買えるスマホが欲しい」という人たちにはピッタリとハマる1台ではないでしょうか。
記事執筆:河童丸
アプリ名:AnTuTu Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:AnTuTu
バージョン:端末により異なります
ANDROID 要件:端末により異なります
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.antutu.ABenchMark
アプリ名:PCMark for Android Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:Futuremark Oy
バージョン:2.0.3710
ANDROID 要件:5.0以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.futuremark.pcmark.android.benchmark
アプリ名:Geekbench 4
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:Primate Labs Inc.
バージョン:4.1.0
ANDROID 要件:5.0以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.primatelabs.geekbench
アプリ名:CPU-Z
価格:無料(広告無効化の買い切り課金もあり)
カテゴリ: ツール
開発者:Prime of the Moon
バージョン:1.23
ANDROID 要件:2.2以降
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.cpuid.cpu_z
アプリ名:LukaLukaBench
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:CPUID
バージョン:無料
ANDROID 要件:2.2以降
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=prime.of.the.moon.LukaLukaBench
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