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docomo・AGCがガラスアンテナを開発!窓ガラスに設置可能 |
NTTドコモおよびAGCは7日、景観を損ねずに既存の窓ガラスの室内側から貼り付けができる世界初の電波送受信が可能な「ガラスアンテナ」を共同開発したと発表しています。
両社はガラスアンテナの開発で提携し、活用することによって4Gサービスにおけるガラスアンテナを利用した基地局を2019年上期より設置し、携帯電話のサービスエリア拡充を図るとのこと。
さらに両社の強みを活かして今後もより安定的で繋がりやすい通信環境の構築に向けて取り組んでいき、2020年に本サービスを提供開始予定の「5G(第5世代携帯電話システム)」サービスに対応したガラスアンテナの開発も検討するとしています。
NTTドコモでは現在、携帯電話網における通信量が増大し続けており、安定した高速通信に向けて対策が必要となっているとし、特に高トラヒックエリアにおいてはスモールセル基地局を設置して通信を分散させることが重要となります。
そのため、スモールセル基地局用のアンテナ増設が必要となり、これまではスモールセル基地局用のアンテナは主に建物の屋上や中低層階の壁面に設置されているものの、屋上や壁面は設置できる場所が限定され、街の景観を損ねることから設置が困難な場合が多くあるということです。
そこで今回、建物内にアンテナを設置することで建物内から屋外をエリア化することを検討し、透明・透視性のある導電材料とガラスを組み合わせたガラスアンテナをAGCと共同で開発したということです。窓ガラスに設置したガラスアンテナから同様に目立たないケーブルを経由して天井裏などに通信設備を配置して利用するとのこと。
開発に当たっては、建物内へのアンテナ設置において室内の意匠性を損ねる電波が窓ガラスを通過する際に減衰するといった課題があり、AGCが保有する既存窓の表面にガラスを貼り付けるアトッチ工法を活用して問題を解決し、室内の窓面に設置可能な新たなアンテナが開発できたということです。なお、今年9月に実証実験を行って減衰が問題ないことを確認しているとのこと。
これにより、透明であるというガラスの特徴によって目立ちにくく、景観や室内デザインを損なわない新たに開発した「Glass Interface Layer(グラス インターフェイス レイヤー)」の効果により、窓ガラスを通過した際の電波の減衰・反射を抑えるという特長を持っています。
サイズ | 700mm×210mm |
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重量 | 1.9kg |
方式 | TDD-LTE |
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周波数 | 3.5GHz帯(Band 42) |
帯域幅 | 40MHz |
MIMO対応 | 4×4MIMO |
下り変調方式 | 256QAM |
最大スループット | 588Mbps |
両社の役割としては、NTTドコモがサービスエリア確保の観点からアンテナ特性について検討や実証実験によるエリア確保観点での実用性確認、AGCがガラスアンテナの開発・製作および施工方法の確立やガラスアンテナを設置した場合の既存窓ガラスへの影響検討を担当。なお、AGCは三菱グループの世界最大手ガラスメーカーで、2018年7月より社名を旭硝子から変更しています。
記事執筆:memn0ck
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