キヤノンレンズ対応でカメラ撮影に“超本気”なAndroidカメラが国内初登場! |
神奈川県・みなとみらいにあるパシフィコ横浜および大さん橋ホールにて2019年2月28日(木)から3月3日(日)の4日間に渡ってカメラや写真、望遠鏡などを取り扱うメーカー各社が出展する国内最大の光学機器関連の総合展示会「CP+2019」(主催:カメラ映像機器工業会)が開催されています。
本格的な一眼レフやミラーレスカメラとそのアクセサリーなどの展示が多いイベントですが、最近ではスマートフォン(スマホ)やタブレットのカメラをより便利に活用するためのアイテムやソリューションも展示されており、ここ数年は毎年取材のために参加しています。
今年も筆者は取材へ行ってきましたので、数回に分けて会場で見つけた興味深い展示をレポートしたいと思います。最初となる本記事では今回、ヨンヌオ(英語名:YONGNUO、中国語名:永諾)のブースにてカメラ機能に特化したAndroidデバイス「YONGNUO YN450」が展示されていたので紹介します。
【Android搭載のスマートカメラ「YONGNUO YN450」】
YN450はYONGNUOが開発中のAndroid搭載カメラで、スマートフォン(スマホ)ではなく、OS(基本ソフト)にAndroidを採用してモバイルネットワークに接続可能な「カメラ」という立ち位置の製品です。つまりは単体でモバイル回線につないでSNSなどに写真や動画などをアップロードできるカメラとなります。コンセプトとしては過去にもパナソニックがSIMフリー製品として日本でも発売したコミュニケーションカメラ「LUMIX CM10」や「LUMIX CM1」と通じるものがあり、カテゴリー的には同等製品と言えるかと思います。
しかしながら、LUMIX CM10やLUMIX CM1は通信機能を持ったレンズ一体型のハイエンドコンパクトデジタルカメラであったのに対し、YN450はキヤノンのEFおよびEF-S規格(一眼レフやミラーレスカメラに使用される交換用レンズの規格)レンズを装着して使うAndroidとネットワーク通信機能を搭載したレンズ交換式のミラーレスカメラなのです。
【気になるYN450の外観や機能をチェック】
では、実際にYN450の外観を写真でチェックしてみましょう。説明員によると、まだ試作機の段階となっているため、製品時には「ボタンが増えるなどの変更があるかもしれない」とのことなのでご留意ください。外観を見ての通り、ディスプレイで見た部分こそAndroidスマホそのものではあるものの、見た目には完全にカメラのそれとなっています。
なお、ブースにて配布されていたスペックシートによると、SoCはQualcomm製2GHzオクタコアCPU「Snapdragon 625(MSM8953)」、内蔵メモリー(RAM)は3GB、内蔵ストレージは32GB、ディスプレイは約5インチFHD(1920×1080ドット)液晶、OSはAndroid 7.1.1(開発コード名:Nougat)とのこと。
無線機能としては2G/3G/4Gのモバイルネットワーク(対応周波数未公表)に対応し、Bluetooth 4.1および、2.4・5GHz帯の周波数に対応した無線LAN(Wi-Fi)を搭載しており、Androidスマホとして見た場合のスペックはミッドレンジクラスの性能といったところでしょうか。
カメラ機能としては約800万画素イメージセンサーフロントカメラ、約1600万画素イメージセンサーリアカメラを搭載し、キヤノンEFおよびEF-S規格の交換用レンズを装着可能。フラッシュは搭載せず、LEDライトが代わりに配置されています。
上面側には電源キーとシャッターキー(カメラアプリを立ち上げる時もこのキーを押す)、底面には三脚用のねじ穴とバッテリーカバーがあり、これを開くことでバッテリーを取り出すことが可能となっています。
左側面にはカバーで覆われた3.5mmイヤホンマイク端子と外部接続・充電用のmicroUSB端子、nanoSIM(4FF)カードスロット、microSDHCカードスロット(最大32GBまで)があります。
カメラとして見た場合、アクセサリーシューが非搭載であることと、フラッシュがキセノンライトではなく、LEDライトであるので気になる人がいるかもしれませんが、他に光源を用意するなどして補うこともできるので、それほと強く意識しなくてもいいかもしれません。
【CP+2019に行ったら要チェック!日本での発売は?】
展示会に開発中の実機を持ってきて展示していたということで、日本国内向けにも発売されるのかが非常に興味のあるところです。そこで、ブースの説明員に日本での発売予定があるのかを尋ねたら「まだ開発中で、その後はまず中国で販売を開始してから動向を見てみたい。」という回答となりました。また「日本向けに発売する場合には技適(日本国内で法的に利用して良いことを示す技術適合証明や工事設計認証など)を取得しないといけなかったり、GMS認証(Googleのサービスが利用できるAndroidの製品を開発する際にGoogleから取得する認定)などを含めて準備しないといけないことも多いので、今は答えることができない。」とのこと。
ただし、説明員によると「かといって、絶対に日本で発売しないとも言えない。」とも語っており、今のところはまず開発を完了させて中国でリリースするのに全力で注力しているといったところでしょうか。キヤノンのレンズ資産をそのまま活かせる製品なので、是非、日本でも販売して欲しいですね!
なお、YONGNUOブースではYN450の他にも同社が開発・販売している一眼レフ・ミラーレスカメラ用の交換レンズも展示しており実際に試すこともできます。特にYN450は日本国内においては一番最初の展示となるので、気になる方は是非とも手に取ってみてはいかがでしょうか。
記事執筆:河童丸
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