スマホが故障した際の対応や備えについて考えてみた!

先日、筆者の母のスマートフォン(スマホ)が壊れてしまいました。壊れたのはNTTドコモが販売している富士通コネクテッドテクノロジーズ製の「らくらくスマートフォン F-42A」です。

昨年までずっとフィーチャーフォンを愛用していた母ですが、友人との連絡のやり取りや、よく利用する店舗のサービスなどがスマホ向けに集中していたこともあり、仕方なくスマホへ替えたといったところでした。

そんな「はじめてのスマホ」を2021年12月から4ヶ月ほど大事に使っていたのですが、手を滑らせてコンクリートの床の上に落としてしまったのです。見れば確かに画面が映らず、電源を切ることさえできません。

「米国国防総省の調達基準であるMIL規格・23項目のテストに合格した頑丈さに定評があるスマホにガラスフィルムも貼り手帳型ケースにも入れて保護していたのに、たった1回腰の高さから落としただけでここまで致命的な故障するか!?」と、あまりの不運に呆れもしましたが、それはひとまず置いておくとして。まずは端末内のデータ復旧などを考えなければなりません。

感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する連載コラム「Arcaic Singularity」。今回はスマホが故障した際の対応や故障への事前の備えについて、筆者が体験した実例とともに解説します。

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転んでもただでは起きない、それが物書きである


■意外と厄介な修理・交換手続き
これは筆者のミスでもあるのですが、母がスマホを購入・機種変更して一通りのデータ移行が済んだ際、microSDカードへバックアップを取ってあげなかったことが非常に悔やまれます。

すでに80歳近くになる母に、自分でバックアップやその設定を行わせることはほぼ不可能です。この時点ではドコモのクラウドバックアップも機能していたのか判別できませんでした(画面が映らないので調べようがない)。

幸いにもケータイ補償サービスには加入していたため、それを使ってひとまず修理もしくは交換とデータ復旧サービスが必要かどうかの確認を依頼することに。

ところがここで、また問題が発生しました。

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一難去っ……る前に、また一難


NTTドコモの「オンライン修理受付サービス」では、dアカウントの紐付けによって個人を判別する仕組みです。そのログインの際にセキュリティのための二段階認証が行われるのですが、二段階認証用のセキュリティコードは登録してある電話番号にSMSで送られてくる仕組みだったのです。

(……ええと、そのSMSが送られてくるスマホの画面が見られないのですが。)

今回の故障の内容が「画面が映らない」というものであったことが何よりの不運であり、セキュリティ強化が叫ばれるご時世だけに仕方がないとは思うものの、故障受付サービスの認証システムがその故障したスマホを必要とするものである点は改善の余地があるように感じた次第です。

ともあれ、この方法ではどうにもならないのでスマホを購入したドコモショップへ修理相談の予約を入れることに。こちらは故障端末への二段階認証は不要であったため無事に来店予約が完了しました。

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こういう時ほどキャリアショップは心強い


■入っていて良かったケータイ補償サービス
翌日、母とともにドコモショップへ来店して修理などの相談を行うと、ケータイ補償サービスに加入していたことで、修理であれば3,300円、交換なら8,250円で行えるとの提案をいただきました。

なお、修理の場合は端末データのリセットを行ってからの修理となってしまうため、バックアップがない場合はお勧めできないとのことでした。

交換の場合は、新しいスマホがNTTドコモから送られてきてから故障したスマホを送り返すか、ドコモショップ経由で「ケータイデータ復旧サービス」へ故障した端末を送り、データを吸い出すことができます(データの復旧は100%成功するとは限らない)。

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復旧費用は2019年6月1日以降にケータイ補償サービスに加入していれば1,100円で済む


撮った写真はともかく、電話帳のデータだけでも復旧させないといけなかったため、今回はスマホの交換を依頼することに。

すると、手続きを行った翌日の午前中には交換用のスマホが自宅へ届きました。この対応の早さはさすがNTTドコモといったところでしょうか。

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代替端末の送付が素晴らしく早いのは本当に助かる


ここからは新しいスマホでの設定となりましたが、不幸中の幸いはいくつかありました。まず1つに、ドコモのクラウドバックアップ設定(ドコモクラウド設定)が有効であったことです。

どうやら購入時設定で電話帳とデータ保管BOXのバックアップが有効化されていたようで、自動同期が行われていました。

新しいスマホにUIMカードを差し替えた直後はバックアップデータからの復元が行われませんでしたが、1日経って確認すると問題なく電話帳データが復元されていました。

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こんな設定があること自体知らなかった


もう1つの不幸中の幸いは、スマホの利用期間が利用開始からあまり長くなかったことです。

そもそも友人との連絡手段としてLINEなどを活用したいと使い始めたスマホだったため、LINEの設定の多くはアカウントの引き継ぎ作業で復元でき、そのほかに使っているアプリもすべてプリインストールアプリしかありませんでした。

撮影した写真も20枚程度だった上、その多くがLINEで友人へ送っていたことから「必要なら友人から写真を送り直してもらうから大丈夫」と、本人も画像データの復元はしなくて良いとの判断で済みました。

これがもし数年間使い続けたスマホで、さまざまなアプリやその利用データ、さらに写真や動画などを大量に入れていたなら、データ復旧は必須だったでしょう。

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新しいスマホにはデータのバックアップや復元に関する丁寧な手引書が同梱されていた


■備えあれば憂いなし。バックアップや補償サービスを上手に使おう
今回の事故対応はこれでひとまず一段落しましたが、得られた教訓はかなり多かったように思います。

・microSDカードが使える場合は、microSDカードへのバックアップを必ず定期的に行おう

・スマホ側にクラウドサービスへの自動バックアップ機能がある場合はそれも活用しよう(microSDカードとの併用が理想)

・修理を依頼する場合、スマホ本体を操作できないとオンライン手続きだけでは完了できない場合がある

・通信キャリアが用意する補償サービスは結構便利

・手続きさえ進めばキャリアショップおよび通信キャリアの対応は非常に早い

・耐衝撃性能の高さを謳ったスマホでも、壊れる時は一瞬で壊れる(しかも致命傷)

筆者自身はキャリアショップでスマホを買うことがなく、メーカー保証程度しか利用したことがありませんが、それは「壊れたら全額自費で買い換えれば良い」と割り切っており、バックアップも常に自前で行っているからこそです。

そういった割り切りやリスクと向き合った考え方ではない限り、通信キャリアが用意する保証サービスや外部の保険会社が提供しているスマホを対象とした保険などに加入しておくことは非常に有効であると再認識しました。

みなさんも、スマホを壊してから「バックアップがない……」と絶望する前に、必ずバックアップを取る習慣を身につけるとともに、万が一の故障に備えた各種補償サービスや保険への加入も検討してみてください。

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毎日使う生活必需品だからこそ、メンテナンスやバックアップも忘れずに


記事執筆:秋吉 健


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