総務省が7月2〜4日のau通信障害に関してKDDIと沖縄セルラー電話を行政指導!

総務省は3日、KDDIおよび沖縄セルラー電話に対して2022年7月2日より発生した大規模な通信障害に関して同じような事故を再発させないように厳重に注意するとともに再発防止の観点からさまざまの取り組みを確実に実施するように指導したとお知らせしています。

指導内容としては原因がメンテンス作業に起因したため、メンテンス作業手順書や作業リスク評価などを見直しほか、それに伴う輻輳が大規模化した問題の再発防止の観点からVoLTE交換機へのより詳細な輻輳検知ツールの開発や輻輳制御の設計見直し、輻輳発生時の復旧手順の見直しなどが含まれています。

また携帯電話サービスが国民生活の重要なインフラとなっている状況を踏まえて障害発生時においては障害の状況や緊急通報などへの影響、その代替手段、復旧の見通しなどを利用者などが必要とする情報を適時にできるだけ具体的に分かりやすく提供できるように周知広報の内容・頻度などを改善するとともに利用者などへの情報伝達手段の多様化を図るようにとのこと。

さらにこれらの指導内容について2022年10月末時点における実施状況を2022年11月10日までに具体的に報告するとともに当面は3カ月ごとに実施状況を取りまとめ、翌月15日までに報告するように求めており、また今後、事故原因などに関して新たな事実などが判明した場合には速やかに報告する必要があるということです。

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この通信障害では障害時間が2022年7月2日(土) 01時35分頃から2022年7月4日(月)15時00分の61時間25分、影響が日本全国の音声(VoLTE)で約2278万人、データ通信のみで765万人以上となり、緊急通報を取り扱う音声伝送役務に関する事故であるため、電気通信事業法法律第86号)第28条に基づく「重大な事故」に該当します。

そのため、すでに紹介しているようにKDDIおよび沖縄セルラー電話では総務省に報告書を提出し、総務省では7月28日に重大な事故報告書を受領していました。今回、この報告書を受けて総務省では携帯電話サービスが国民生活の重要なインフラとなっている状況を踏まえれば、社会的影響は極めて大きいものと認められると判断。

特にこの通信障害によって約2日半に渡って緊急通報を含む役務の利用に支障を来したことから一般の利用者に加えて物流・交通・金融・公共などの分野のサービスや同社が回線を提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)にも多大な影響が生じ、このような重大な事故の発生は利用者の利益を阻害し、かつ社会・経済活動に深刻な影響を及ぼすものであるとしました。

これにより、総務省においてはKDDIおよび沖縄セルラー電話に対して同様の事故を発生させないように厳重に注意するとともに再発防止の観点から、文書にて以下の7つの項目による指導を行いました。

(1)報告によれば、通信障害は全国中継網におけるコアルーターのメンテナンス作業において誤った作業手順書を用いたことによってルーティングにおいて重大な誤設定を発生させたことに起因するため、同様の事故の再発防止の観点から重要な電気通信設備のメンテナンスなどを実施する際は「作業手順書管理ルール及び作業承認手法」や「切り戻し設定時間の基準」、「作業リスク評価及び作業抑制の基準」などを見直して事前の準備を徹底すること。

(2)通信障害においてはコアルーターのルーティングの誤設定によって端末や設備から大量に信号の再送が繰り返され、全国のVoLTE交換機と加入者データベースが短時間で輻輳状態になったものであり、自動的な輻輳制御が機能しなかったことで障害が長引いたため、輻輳が大規模化した問題の再発防止の観点からVoLTE交換機へのより詳細な輻輳検知ツールの開発、輻輳制御の設計見直しなどに取り組むこと。

(3)通信障害においては一部のVoLTE交換機が輻輳によって壊れたバックアップファイルを読み込み異常状態で起動したことで位置登録要求信号の再送が繰り返され、さらに加入者データベースにおいてセッション情報のデータ不一致が発生するなど、複数の異常状態が継続したために復旧作業に長時間を要したこともあり、影響が長期化した問題の再発防止の観点から輻輳発生時の復旧手順の見直し、VoLTE交換機の輻輳解消ツールの開発などによって複雑な輻輳状態を考慮した復旧手順の確立に取り組むこと。

(4)携帯電話サービスが国民生活の重要なインフラとなっている状況を踏まえて事故発生時においては障害の状況、緊急通報などへの影響やその代替手段、復旧の見通しなど、利用者などが必要とする情報を適時にできるだけ具体的に分かりやすく提供できるように周知広報の内容・頻度などを改善するとともに利用者などへの情報伝達手段の多様化を図ること。また事故発生時の緊急通報機関などの関係機関や法人顧客などへの連絡体制を抜本的に強化し、連絡を徹底すること。

(5)同様の事故の再発防止のため、通信障害における教訓を業界全体で共有することが不可欠であることから事故の発生原因、措置状況、再発防止策などの詳細について他の携帯電話事業者に説明し、情報共有する機会を早急に設けること。合わせて(4)に記載された事故発生時の周知広報・連絡体制などの改善に関して業界全体としてのルールの策定に向けて率先して取り組むこと。

(6)報告では総務省 総合通信基盤局電気通信事業部の「電気通信事故検証会議」が行う検証の対象とするが、同会議の分析・検証の結果、追加的な再発防止策が必要となった場合には再発防止策についても併せて取り組むこと。

(7)(1)〜(6)の実施状況については2022年11月10日までに2022年10月末時点における具体的な実施状況を報告するとともに当分の間、3カ月ごとに実施状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること。また今後、事故原因などに関して新たな事実などが判明した場合には、速やかに報告すること。なお、(7)の報告内容については非公表とすることにつき正当な理由がある部分を除き公表することがあるため、非公表を希望する部分がある場合は、理由とともに明示されたい。





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記事執筆:memn0ck


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総務省|報道資料|KDDI株式会社及び沖縄セルラー電話株式会社に対する電気通信事故に関する適切な対応についての指導
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