2022年に話題となったコラムを3本振り返ってみた! |
今日はクリスマス。いよいよ年の瀬ですね。本連載コラム「Arcaic Singularity」も今回が2022年最後となります。ちなみに今年も毎週書き続けて52回、通算では264回を迎えます。
毎年最後のコラムではその年に執筆したコラムから特に注目度の高かった記事や反響を呼んだ記事をピックアップして総括してきました。
今年も例年にならい記事を3本ほどピックアップしてみたいと思いますが、ピックアップの選定基準を少し変え、記事に埋め込まれているFacebookの「いいね!」ボタンを押してもらった数の多いものを3つ取り上げ、その内容を再び振り返ってみたいと思います。
■意外な反響だったスマホの防水・結露ネタ
それではさっそく参りましょう。第3位は5月に執筆し「いいね!」を8個もらった、スマホの防水規格やお風呂利用のリスクについてのコラムでした。
【過去記事】秋吉 健のArcaic Singularity:そのスマホ、入浴中に使っていませんか?意外と知らない「防水」の仕様と落し穴を考える【コラム】
正直、このコラムがここまで反響を呼ぶとは思ってもいませんでした。
スマートフォン(スマホ)どころか携帯電話がガラケー(ガラパゴスケータイ)と呼ばれていた時代から端末の防水性能や結露の問題について常に勉強し続けていたケータイマニアの筆者にとって、モバイル端末をお風呂で使用してはいけないことなど常識だと思っていたからです。
今でも筆者はスマホをお風呂で使用することは絶対にありません。仮にメイン基板が結露対策されていたとしても、カメラユニットの内部やバッテリーが結露することは十分に考えられます。そのような場合、故障だけではなく発火や爆発といった重大リスクも考えられるからです。
百歩譲ってそこまで危険視せずとも、重要なデータを大量に保存し、電子決済やオンラインショッピングでもフル活用しているスマホが故障するリスクのある行動を敢えて取るメリットがありません。
お風呂で音楽を楽しみたければBluetoothスピーカーを用いますし、動画視聴を楽しみたいならスマホではなく別途「壊れても問題のない」タブレット製品などを活用します。
みなさんも、くれぐれも結露が発生するような場所でのスマホ利用にはご注意ください。
■2023年も楽天モバイルの「機動力」に期待
「いいね!」獲得数第2位となったのは、11個のいいね!をもらった楽天モバイルの料金プラン改定に関するコラムでした。
【過去記事】秋吉 健のArcaic Singularity:楽天モバイルの次の一手。0円スタートを廃止した新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」から経営戦略を考える【コラム】
S-MAXのようなモバイル特化型メディアの読者に限らず、通信料金への注目度は常に高いものです。そのような中でも楽天モバイルの0円スタートプランは発表当時から話題の中心であり、その後の通信料金値下げ戦争に繋がる大きな契機でもありました。
その楽天モバイルが契約者数500万人にも満たない中で0円スタートをやめ、いわゆる投資回収フェイズに入ることを宣言したことは、業界関係者やその業界を外側から眺めるライターやジャーナリストの視点からも驚きだったのです。
一方で、この0円スタート廃止に「楽天モバイルらしさ」を感じたことも事実です。自社の収益性や顧客の流動性、ニーズ、業界の動向などを的確に捉え、漫然とあぐらをかくのではなく熱意とともに動き続けるその機動力には、「何かをやってくれるのではないか」という強い期待感があるのです。
楽天モバイルはその手法やビジネススタイルゆえに敵も多く、消費者の中にもいわゆる「アンチ」が多いことでも有名です。「ハッタリが多すぎる」、「信用ならない」、そのような声も少なからず耳にします。
楽天モバイルの2023年以降の課題は、そういった不信感をどう払拭していくのかではないでしょうか。当然、そういったイメージを拭うのも機動力です。動き続ける同社に、今は素直にエールを送りたいと思います。
■思い出もデータも。心を繋ぐデジタル・アーカイブス
そして堂々の「いいね!」獲得数第1位となったのは、16個のいいね!をもらったデジタルデバイスの処分方法や保管方法についてのコラムでした。
【過去記事】秋吉 健のArcaic Singularity:漂泊と邂逅のデジタル・アーカイブス。電子機器とそのデータをどのように残し管理・処分すべきか考える【コラム】
このコラムに関しては、トップ画像から話題性を狙っていたのは事実です。今や数十万円の価値がつくプレミアゲームソフトを無造作に並べた写真はインパクトもあり、FacebookやTwitterなどでは映えるだろうと思ったのです。
しかしながら、コラム自体はできるだけ硬派な内容にしたいとも考えました。
デジタルデータに託された人々の想いに訴えかけ、そのデータが消えるとしたらどうすれば良いのか、指数関数的に増え続ける情報をどうアーカイブしていくのか、その処分や保管方法はどのようにすれば良いのかをひたすらに書き綴りました。
正直、1本の記事にまとめるには少々内容が肥大化しすぎてしまったと反省しています(本文の総文字数は6000字オーバー!)。
このような記事が書けたのも、筆者が30年以上もコレクションし、知識を蓄え、趣味や仕事として積み上げてきたものがあればこそです。デジタルガジェットのアーカイブについて誇張なく日々考え続けてきた結果です。
「モノ」を心から愛する筆者だからこそ、モノを残すことやモノを手放すことと真剣に向き合いたいのです。その想いの欠片でも、記事から読者へ伝わってくれていれば幸いです。
■今を見つめ、未来を語る
総括してみれば、2022年に注目を集めたコラムは意外と多様であることが分かります。
通信料金の話題に振り回され、それだけで終わってしまった2021年と違い、2022年のモバイル業界は比較的平穏で、良くも悪くも大きな話題のない年でした。
強いて言うならば、NTTドコモやKDDIが起こした大規模障害などが次点として話題にのぼっていたことを思い出す程度です。
果たして2023年はどのような年になるのでしょうか。コロナ禍は未だに沈静化せず、人々の生活は苦しくなるばかり。増税の話題などもひたすらに人々の気分を暗くさせています。
そのような中でも、どうにかモバイル業界から前向きな話題を提供できないかとネタを探し続ける日々です。最近執筆したコラムでは、Wi-Fi 7や衛星通信サービスに関するコラムなどは、まさに未来への夢を現実視点で語る内容であったのではないかと思います。
【過去記事】秋吉 健のArcaic Singularity:Wi-Fi 7がモバイル新時代を切り開く! 新たな規格策定の意義と未来への展望を考える【コラム】
【過去記事】秋吉 健のArcaic Singularity:衛星通信の夢を継ぐもの。Starlinkサービスが実現した高速・低遅延な仕組みと今後の課題を考える【コラム】
そういった夢を語るためにも、筆者は日々勉強し続けます。中には勉強不足や知識不足から間違ったことを書いてしまう時もあるでしょう。そのような内容があれば、コメント欄やSNSなどでご指摘いただければと思います。
2023年も、素晴らしいモバイルライフとなりますように。
記事執筆:秋吉 健
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