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Twitter Blueについて考えてみた! |
先週、日本のTwitter界隈を若干賑わせた話題がありました。Twitter Blueです。あまりTwitterを使わない方や、頻繁に使っている方でもTwitter関連のニュースを追いかけていない人には、あまり馴染みがないかもしれません。
Twitter Blueとは、簡単に言えばTwitterの月額課金(サブスクリプション)サービスです。Twitterはサービス開始以来無料のSNSとして人気を博し、現在まで巨大なシェアを確保し続けていますが、収益の安定化(経営の健全化)と新しいサービスの模索として始まったのがTwitter Blueです。
Twitter Blueでは何ができるのでしょうか。またTwitter Blueは何が便利になるのでしょうか。自他共に認めるTwitterのヘビーユーザーである筆者も、早速Twitter Blueを契約してみました。
感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する連載コラム「Arcaic Singularity」。今回はTwitter Blueの機能やその目的について解説します。
■収益安定化のためのTwitter Blue
そもそも、Twitterがサブスクリプションサービスを何故始めたのでしょうか。その理由は安定しない経営基盤にあります。
冒頭にも書いたようにTwitterはサービス開始以来無料のSNSとしてシェアを広げてきましたが、当然完全に無料のままでは何も収益が上がりません。
そのため広告収入を中心に収益化を図っていましたが、サービス開始から10年以上もの間、毎年数十億~数百億円単位の赤字を垂れ流し続けるという酷い経営状況でした。
そこでTwitterは広告収入を増やす施策を重ね、法人や公的機関向けにも営業やプロモーションを増やすことでようやく黒字化を達成しましたが、ここで新たな問題が発生し始めます。
それは「広告が多すぎる」というユーザーからのクレームです。
無料サービスと広告の関係は常に難しい問題を引き起こしますが、Twitterも同じジレンマに陥ります。そこで登場したのがTwitter Blueです。
Twitter Blueでは広告が一切表示されなくなるわけではありませんが、表示回数が削減されます。ユーザーとしてはTwitterが使いやすくなるというメリットがあり、Twitter側には収益を安定化しやすくなるというメリットがあります。
Twitter Blueの料金はブラウザ版(ウェブサイト)から契約すれば月額980円、iOSアプリから契約すると、プラットフォームに支払うロイヤリティが発生するために月額1,380円とかなり割高になります(Androidアプリ版は今のところ確認できず)。
ウェブサイトから契約してもアプリ版で問題なく利用可能です。もしTwitter Blueの契約を考えているなら、スマホしか持っていない人でもアプリを利用せずにウェブサイトから契約するようにしましょう。
■「ツイートの取り消し・編集」は神機能!
それでは、Twitter Blueではどのような機能が利用できるのでしょうか。簡単にまとめると以下のようになります。
・ブックマークのフォルダ化
・アプリアイコンのカスタム機能
・Twitter Blue専用テーマの追加
・ナビゲーションバーのカスタム機能
・興味のあるツイートをまとめて読める「話題の記事」機能
・スレッド化された長いツイートをまとめて読める「リーダー」機能
・ツイートの取り消し・編集機能
・Twitter Blue契約者からの返信を優先的に表示する「会話での優先順位付け」機能
・最長60分/最大2GBまでの1080p動画のアップロード機能
これらの機能の中には、アプリ版だけで利用できるものなど一部制約がありますが、筆者が注目するのは「ツイートの取り消し・編集機能」です。
Twitterは基本的にツイートボタンを押した瞬間に送信され、送信後は削除以外の操作ができません。
しかしTwitter Blueでは、送信時に送信するまでの猶予時間を設け、その時間内であれば送信前に取り消すことができたり、送信してしまったツイートでも30分以内であれば編集が可能になります。
「ツイートした内容に誤字があって直したいけどバズってしまって消すのも忍びない」
「ツイートにたくさんのリプライが付いたけど言葉足らずで誤解されそうなので修正したい(ツイートを消したらさらに誤解されそう)」
このような場合に、この編集機能がとても役立ちます。
編集されたツイートには「このツイートには新しいバージョンがあります」といった文言が表示され、「最終更新」と書かれたリンクをタップすることで、編集履歴を閲覧することが可能です。
このような仕様となっている背景には、フェイクニュース対策やツイート内容への信頼性の確保という側面が多分にあります。
例えば誰かがツイートした内容が批判に遭った際、編集履歴も観られずにこっそりと修正されて「そんなことは言っていない」などと書かれてしまう危険性があります。
もちろんスクリーンショットを撮るなどの文化が定着している現在ではあまり現実味のない例ではありますが、そういったリスクをユーザーサイドの手間や工夫に頼るのではなく、システム上から排除できる編集履歴システムは非常に良いアイデアです。
ツイートの編集機能や取り消し機能が追加されることで、より自由で快適なツイートが可能になります。
普段自分からはあまりツイートせず、Twitterをニュースポータルのように活用している方には縁のない機能かもしれませんが、Twitter廃人を自称する筆者のような人間には、十数年待ち続けていた機能なのです。
ちなみに、ウェブサイトで投稿したツイート内容をiOSアプリから編集したり、その逆を行うことはできません。編集する際は必ずツイートを投稿した媒体から行ってください。
■月額料金がネックだが利用価値は大きい
ほかにも、ブックマークのフォルダ化や長時間動画の投稿機能などは、多くのユーザーに恩恵のある機能ではないでしょうか。
月額980円(月額1,380円)という料金は決して安くはないため万人にオススメできるものではありませんが、ツイートを頻繁に行う人や、情報収集ツールとして重用している人であれば、契約するメリットは十分にあると思います。
ちなみにTwitter Blueのサービス当初は法人や公的機関などに与えられる公認マークとTwitter Blueの認証マークの色が同じであったために混乱や詐欺被害が発生し問題にもなりましたが、現在は青い認証マークがTwitter Blue用、黄色の認証マークが法人や公的機関などに与えられるマークとして区別されています。
Twitterは、今後もTwitter Blueへ優先的に新しい機能やサービスの追加と試験導入を行っていくとしており、一足先に新機能を試したい人にもオススメです。
Twitterをさらに便利に活用したいという方は、ぜひ一度Twitter Blueを検討してみて下さい。
記事執筆:秋吉 健
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