サードパーティー製Twitterクライアントアプリの大量排除について考えてみた!

筆者がツイ廃(Twitter廃人)であるため、先週に続いてコラムの内容がTwitterの話題に終止してしまい大変心苦しくはありますが、日本時間(JST)の1月20日にまたもや無視できないほど大きな問題が飛び込んできてしまいました。

その問題とは、多くのTwitterの非公式(サードパーティー製)クライアントアプリが動作しなくなり、Twitter公式からも非公式アプリの動作に影響が出るとの情報が発表されたというものです。

なぜTwitterはサードパーティー製クライアントアプリを排除したいのでしょうか。また今後はどのようになっていくのでしょうか。

感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する連載コラム「Arcaic Singularity」。今回はTwitterによるサードパーティー製クライアントアプリの排除について考察します。

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Twitterはどこへ向かっているのか


■混乱が続くTwitter界隈
はじめに、時系列で状況の整理を行っておきます。

最初に異変(?)が確認されたのは1月13日の昼頃で、サードパーティー製のTwitterクライアントアプリからTwitterへのアクセスができないとの報告がユーザーから相次ぎました。

その後、各サードパーティー製クライアントアプリの製作者はTwitterへの問い合わせなどを行ったものの連絡や返信があった様子もなく、5日が経過した18日、Twitterの米国アカウントから「長年のAPIルールを徹底した結果、一部のアプリが動作しなくなる可能性があります」という旨のツイートが行われ、これが不具合ではなくTwitterによるAPI利用規定の変更(あるいはこれまで見落としてきたAPI利用規定の適用)によるものであることが判明したのです。



Twitterは以前にも、サードパーティー製クライアントアプリを排除しようという動きを見せたことがあります。

2018年にAPIの変更を行い、それまで使用できていた機能が大幅に制限・削除された上、新たなAPIの機能の利用にも無料からエンタープライズまで複数の料金設定を行い、価格ごとに利用できる機能を制限したのです。

この時も筆者はコラムに取り上げており、「サードパーティー製Twitterアプリが全滅!?」と、少々煽りを含めたタイトルで執筆させていただきました。

【過去記事】秋吉 健のArcaic Singularity:今年8月にサードパーティーー製Twitterアプリが全滅!?TwitterのAPI変更の影響やその理由、そして今後について考える【コラム】

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APIの廃止と変更が与えた影響は大きかった


結果としてサードパーティー製クライアントアプリの全滅は免れ、主要なアプリは機能を変更しながらも生き残りましたが、それでも多くのアプリが消え、Twitter界隈を賑やかす多彩性はかなり失われたように感じました。

そして今回のサードパーティー排除の動きです。今回ばかりは今のところ完全に「詰み」の状況です。単なるAPIの変更や利用規約の変更ではなく、事前告知無しでのAPI提供の停止が各アプリの開発者に与えたショックはかなり大きかったようです。

Twitterrificは「一つの時代が終わった」とApp Storeからのアプリ削除を発表し、TweenやTwitPaneはアプリ開発の終了を告知し、twitcleもアプリ開発の一時停止を余儀なくされ、ツイタマもアプリの復活が難しいことを示唆しつつ有料版・無料版ともにストア表示を非公開にしました。

状況はこれ以上ないほどに最悪な方向へ向かっています。







■収益力向上のために手段を選ばないTwitter
Twitterがこのような「強硬策」に出ることは、実は以前から予想され続けていたことではあります。

上記の2018年に執筆したコラムで詳細に書かせていただきましたが、Twitterは収益性向上のために、大きな収入源である広告表示をカットする(表示させない)サードパーティー製クライアントアプリを排除しようと常に動いてきました。

先週のコラムで取り上げたサブスクリプションサービス「Twitter Blue」が直接的な収益源の確保であるとするなら、サードパーティー製クライアントアプリの排除はこれまで取りこぼしてきた広告収入の確保にあたる施策だと言えます。

【過去記事】秋吉 健のArcaic Singularity:Twitterが神アップデート!いよいよ日本でも利用可能になった「Twitter Blue」を分かりやすく解説【コラム】

1月11日にTwitter Blueが日本でもサービスを開始し、2日後の13日にAPIの停止や変更が行われたとするなら、その関連性や目的は非常に明確だと言わざるを得ません。

今回の件以外にも、Twitterではイーロン・マスク氏がオーナー兼CEOに就任して以来、社員の大量解雇や大きな人員整理が行われており、文字通り手段を選ばない収益力向上へのコストカットや組織改革が進められています。

そもそも、Twitterユーザー全体におけるサードパーティー製クライアントアプリの利用シェアは1%にも満たないとも言われています。

そのような極小のシェアをわざわざ広告収入を増やす目的で潰す意味があるのか非常に懐疑的ですが、逆にそのような極小シェアのためにAPIを開放し、サポート体制を維持するコストを掛け続けることこそ、メリットがないと判断されたのかもしれません。

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超合理主義を貫くイーロン・マスク氏の流儀はTwitterに何をもたらすのか(Wikipediaより引用)


■アジャイル開発のメリットと弊害
筆者もかつてはTweetDeckやツイタマ、Echofonなど、複数のサードパーティー製クライアントアプリを利用してきました。現在もFirefoxのTwitterアドオンであるTwit Side 2を愛用しています。

しかしながら、多くのアプリはこれまでのAPI変更や利用規約の改定によって使いづらくなり、中にはアプリの提供が廃止されたりアップデートが終了して使用できなくなるものが多く、結果として公式アプリやブラウザ版(ウェブサイト)しかほとんど利用しなくなりました。

それで何も不便がないならそれでも良いのです。しかしやはり公式アプリやウェブサイトの基本機能だけでは使いづらさを感じることも多く、結果としてTwitterを利用する頻度も徐々に下がっていったようにも思います。

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ブラウザのサイドバーにTwitterを常に表示してくれるTwit Side 2。今のところまだ正常動作している


余談にはなりますが、1月20日17時現在、Twitter Blueの機能である「ツイートの編集」機能がウェブサイトから一時的に利用できなくなっていました(21日13時時点で復旧を確認。iOSアプリからは不具合なし)。

この混乱がAPI変更による影響なのかは判断しかねますが、今回のサードパーティーへの告知なしでのAPI変更(API利用規定の変更)あるいはAPI停止による混乱と併せ、アジャイル方式による開発スタンスのデメリットが表面化しているようにも思えます。

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Twitter Blueを契約しているにも拘わらず、ウェブサイトからツイートしてもサブメニューに「ツイートの編集」が出てこない状態が続いていた


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ツイートの編集機能はTwitter Blueラボのテスト機能なので一時的に停止されても仕方がないのだが、便利な機能だけに残して欲しい


技術を常に進化させ、企業として利益確保と利便性向上のために日々改変・改良を加えていくスタンスやスタイルを筆者は歓迎します。

しかしながら、そのためにユーザーが不利益を被ったり、不便を強いられたり、理不尽且つ一方的にサードパーティーを排除する流れとなることは望んでいません。

サードパーティー製クライアントアプリが動作しなくなっている現状も、場合によっては単純な排除ではなくAPIの変更に伴う一時的なもので、新たなAPIの提供が行われることで再び利用可能になるかもしれません。

仮にそうであったとしても、やはりサードパーティー製クライアントアプリの開発者などに事前告知や正式な説明がないのは理不尽であり不適切です。

多くの人々にとって「インターネット≒SNS」のような世界となった今、そのSNSを運営する企業には情報インフラ企業としての矜持のようなものを持って欲しいと感じる今日この頃です。

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利益を追求するなとは言わない。ユーザーを混乱させないで欲しいだけだ


記事執筆:秋吉 健


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