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Qualcommからミドルハイレンジ向け新チップセット(SoC)「Snapdragon 7+ Gen 2」が登場! |
Qualcomm傘下のQualcomm Technologiesは17日(現地時間)、同社が展開する「Snapdragon」ブランドにおける新しいミッドハイレンジクラスのスマートフォン(スマホ)などのモバイル製品向けのチップセット(SoC)「Snapdragon 7+ Gen 2(型番:SM7475-AB)」を発表しています。
またSnapdragon 7+ Gen 2を搭載した製品はRedmiやrealmeなどのメーカー/ブランドが採用する予定となっており、それらの商用製品が今月より順次発売されるということです。日本では前世代の「Snapdragon 7 Gen 1」を搭載した製品もいまだ発売されていませんが、より高性能となっているようなので採用製品が登場するのは楽しみなところです。
Snapdragon 7+ Gen 2はミッドハイレンジ向けSoCで、CPUやGPU、AI、電力効率などのシステム全体におけるパフォーマンスを大幅に向上させており、映像やゲームなどのエンターテインメントを楽しむための機能における性能を高めているということです。なお、現時点においてSnapdragon 7 Gen 2は存在していません。
こうした需要の高いプレミアムな体験を新たにSnapdragon 7シリーズに追加し、AI(人工機能)によるオンデバイス処理の強化や快適なモバイルゲーム、暗所でのダイナミックな写真撮影や4K HDRに対応した動画撮影、オーディオなど、このクラスでは前例のない性能と機能を実現するとのこと。
まずCPUは最大2.91GHzのQualcomm Kryo CPUによって性能がSnapdragon 7 Gen 1と比べて50%以上向上し、GPUも新しいQualcomm Adreno GPUによって性能がSnapdragon 7 Gen 1と比べて2倍向上しており、さらにシステム全体で最大13%改善された電力効率を実現しています。
製造はSnapdragon 8+ Gen 1やSnapdragon 8 Gen 2と同様にTSMCの4nmプロセス(N4)で行われ、CPUは最大2.91GHzのKryo Prime(Arm Cortex-X2ベース)が1コア、最大2.49GHzのKryo Gold(Arm Cotex-A710ベース)が3コア、最大1.8GHzのKryo Silver(Arm Cotex-A510ベース)が4コアのオクタコアとなっています。
これは64bitのみに対応したコアを一部で採用する変則的な構成となっているSnapdragon 8 Gen 2とは異なり、最大クロック数こそ低くなっているものの、製造プロセスとともにSnapdragon 8+ Gen 1と同じとなっています。一方、メモリー(RAM)はLPDDR5を採用してはいますが、Snapdragon 8シリーズが3200MHzの4×16bitなのに対し、Snapdragon 7+ Gen 2はSnapdragon 7 Gen 1と同じく3200MHzの2×16bitとなっています。
ゲーム向けに自動可変レートシェーディング(VRS)などの一部の「Snapdragon Elite Gaming」機能をポートしており、フォーカスされているコンテンツをフル解像度でレンダリングし、シーンの背景を低解像度でレンダリングすることによって電力とパフォーマンスを最適化するようになっています。
オーディオでもQualcomm aptXを搭載したSnapdragon Soundをサポートしており、低遅延なロスレス音源のストリーミングを実現しているとのこと。また最大2億画素の写真撮影と、2台のカメラから同時にトリプル露光を行うスタッガードHDRビデオ撮影をサポートします。
さらに18bitのトリプルISPを備えており、超低照度モードで写真を撮影でき、30枚の写真を撮影して最高の部分を1つの画像として結合して暗所でもより明るくより鮮明でよりカラフルに撮影可能となっており、4000倍以上のカマラデータを撮影し、鮮やかな色と明瞭さを備えた極端なダイナミックレンジを実現できます。
その他、統合されたQualcomm AI EngineによってAI処理能力が2倍以上向上し、消費電力当たりのパフォーマンスがSnapdragon 7 Gen 1よりも40%向上し、専用のAIプロセッサーを備えたQualcomm Sensing Hubも備えているため、アクティビティーの認識や音響シーンの検出など、状況に応じたユースケースを強化できます。
加えてAI Super Resolutionがゲームシーンや写真をインテリジェントにアップスケールし、低解像度の画像(1080pから4Kへ)から優れたビジュアル品質を得ることができるということです。通信関連についてもモデムとして「Snapdragon X62 5G Modem-RF System」を搭載しており、5Gによって下り最大4.4Gbpsと優れた電力効率を実現し、世界中のより多くのネットワークや対応周波数帯、帯域幅をサポートできるようになっています。
さらにSnapdragon 7シリーズで初めて5Gと4GのデュアルSIMデュアルアクティブ(DSDA)をサポートしているため、旅行中に2つのSIMを利用したり、仕事と個人の通信を分けて使ったりできるようになるということです。なお、通信用チップとしても「Qualcomm Fast Connect 6900」を内蔵してWi-Fi 6やWi-Fi 6Eに対応した最大3.6Gbpsの通信が可能となっています。
SoC | Snapdragon 7+ Gen 2 | Snapdragon 7 Gen 1 |
型番 | SM7475-AB | SM7450-AB |
製造プロセス | 4nm N4(TSMS) | 4nm LPE(Samsung) |
CPU | 2.91GHz Kryo Prime×1+2.49GHz Kryo Gold×3+1.8GHz Kryo SIlver×4 | 2.4GHz Kryo Gold×1+2.36GHz Kryo Gold×3+1.8GHz Kryo SIlver×4 |
RAM | LPDDR5 | LPDDR5 |
モデム | Snapdragon X62 5G (下り最大4.4Gbps) | Snapdragon X62 5G (下り最4.4Gbps) |
通信 | FastConnect 6900 (Wi-Fi 6E&Bluetooth 5.3) | FastConnect 6900 (Wi-Fi 6E&Bluetooth 5.3) |
音響 | WCD9385 WSA8835 | WCD9385 WSA8835 |
充電 | Quick Charge 5 | Quick Charge 4+ |
USB | USB 3.1 | USB 3.1 |
記事執筆:memn0ck
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