最新フォルダブルスマホ「Galaxy Z Fold6」を購入したのでレビュー! |
既報通り、Samsung Electronics(以下、Samsung)が展開している「Galaxy」ブランドにおける新商品として折りたたみ型のフォルダブルスマートフォン(スマホ)「Galaxy Z Fold6」を発表し、韓国やアメリカなどの1次販売国・地域では2024年7月24日(水)に発売されました。また日本でもオープン市場向けメーカー版(いわゆる「SIMフリーモデル」)「Galaxy Z Fold6(型番:SM-F956Q)」に加え、NTTドコモ向け「Galaxy Z Fold6 SC-55E」、KDDIおよび沖縄セルラー電話の携帯電話サービス「au」向け「Galaxy Z Fold6(型番:SCG28)」が発表され、それぞれ2024年7月31日(水)に発売されています。
筆者は以前に紹介したように前機種「Galaxy Z Fold5」を普段から常用していますが、今回、GalaxyのFoldシリーズの最新機種が登場したということでさっそくGalaxy Z Fold6 SC-55Eの256GBストレージモデル(シルバーシャドウ)を残価設定方式の販売施策「いつでもカエドキプログラム」を利用して機種のみ(白ロム)で購入しました。価格(金額はすべて税込)は公式Webストア「ドコモオンラインショップ」などの直営店では275,990円で、1〜23カ月目の分割支払金である6,891円/月×23回(総額158,510円)を支払った後、23カ月目に返却することによって残りの分割支払金である24回目支払額(=残価)の117,480円の支払いが不要になる予定です。
今回はそんなGalaxy Z Foldシリーズの6世代目となるGalaxy Z Fold6を購入し、開封して初期設定やデータ移行を済ませ、しばらく使ってみましたので、使用感などを含めてレビューしたいと思います。
Galaxy Z Fold6はFoldシリーズとしては今回で6世代目で、新たにシリーズ最薄・最軽量となったほか、AI機能の充実したハイエンドスマホです。Foldシリーズはこれまでコンシューマー向け製品として初めてのフォルダブルモデルということで、2019年に初代モデル「Galaxy Fold」がリリースされて以降、画期的な製品として注目を集めており、閉じた状態ではカバーディスプレイでスマホ的な使い方、開いた状態ではタブレット的な使い方と、フォルダブルの新しい活用方法を提案しています。
ただし、その特異な形状から折りたたんだ際の厚みや重さ、ヒンジ部分や折り畳めるメインディスプレイの耐久性などといった気になる点もあります。とはいえ、これらの点も歴代のシリーズ各機種で少しずつ改善され、今回のGalaxy Z Fold6はこれらの欠点をかなりカバーした完成形と言える機種になっていると思われます。サイズは開いた状態で約153.5×132.6×5.6mm、閉じた状態で約153.5×68.1×12.1mm、質量は約239gとなりました。
Galaxy Z Fold6 SC-55Eの開いた状態の背面。NTTドコモ版も「docomo」ロゴがなくなり、おサイフケータイなどの非接触IC機能のマークもなくなってすっきりしています。なお、下部に製品製造番号(IMEI)が記載されていますが、写真ではモザイクをかけています
開いた状態で使うメインディスプレイは約7.6インチ2160×1856ドット有機EL「AMOLED 2X Display」を搭載し、明るさ最大2600nitや可変リフレッシュレート1〜120Hzに対応しているほか、新たに折りたたみに対する強度の強化と折り目の改善も行わています。なお、メインディスプレイは超薄型ガラス「UTG(Ultra Thin Glass)」とプラスチック素材「PET(ポリエチレンテレフタレート)」で覆われています。
一方、閉じた状態で使うカバーディスプレイと背面パネルは強化ガラス「Gorilla Glass Victus 2」(Corning製)で覆われており、ヒンジ部を含めた側面フレームのアーマーアルミニウムと合わせてFoldシリーズ史上で最も高い耐久性を誇っています。カバーディスプレイは約6.3インチ968×2376ドット有機EL「AMOLED 2X Display」で、同じく明るさ最大2600nitsや可変リフレッシュレート1〜120Hzに対応しています。
チップセット(SoC)はQualcomm製の最新ハイエンド向け「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」を搭載し、ベンチマークアプリ「Antutu Benchmark」のスコアは150万台と、Galaxy Z Fold5の130万弱よりもかなり高速になっています。内蔵メモリー(RAM)はLPDDR5Xで容量が12GB、内蔵ストレージはUFS4.0で容量が256GBまたは512GB、1TBとなっています。
OSはAndroid 14をプリインストールしており、バッテリー容量は4400mAhで、防水・防塵性能はIP48等級、生体認証は顔認証および指紋認証に対応するほか、ペン入力「Sペン」にも対応しています。ただし、Sペンは付属しておらず、別売となっているほか、Galaxy S24 Ultraなどのように製品本体に収納することはできません。その他、通信関連は物理的なnanoSIMカード(4FF)のスロットが1つとeSIMのデュアルSIMまたはデュアルeSIMをサポートしており、メーカー版の携帯電話ネットワークの対応周波数帯は以下のようになっています。
[Galaxy Z Fold6 SM-F926Q]
5G NR: n1, n3, n5, n28, n41, n66, n77, n77, n79, n257
4G LTE: Band 1, 2, 3, 4(AWS), 5, 7, 8, 12, 13, 18, 19, 20, 21, 26, 28, 38, 39, 40, 41, 42, 66
3G W-CDMA: Band I, V
2G GSM: 850, 900, 1800, 1900MHz
カメラはメインのアウトカメラが広角カメラ(約5000万画素CMOS)、望遠カメラ(約1000万画素CMOS)、超広角カメラ(約1200万画素CMOS)の3眼仕様、カバーディスプレイのパンチホール部分に内蔵されているカバーカメラ(約1000万画素CMOS)、メインディスプレイの右半分の上部中央に内蔵されているアンダーディスプレイのインカメラ(約400万画素CMOS)となっており、望遠カメラは光学ズーム3倍に加えてデジタルズーム30倍まで対応し、デジタルズーム30倍でも強力な手振れ補正によって手軽にスナップが撮れるようになっています。
<カバーカメラ>
・約1000万画素CMOS(1画素1.22μm)/広角レンズ(F2.2、焦点距離24mm)
<インカメラ>
・約400万画素CMOS(1画素2.0μm)/広角レンズ(F1.8、焦点距離26mm)
<アウトカメラ>
・約5000万画素CMOS(1画素1.0μm、4in1、Dual Pixel PDAF)/広角レンズ(F1.8、焦点距離23mm、OIS)
・約1200万画素CMOS(1画素1.12μm)/超広角レンズ(F2.2、画角123°、焦点距離12mm)
・約1000万画素CMOS(1画素1.0μm、PDAF)/望遠レンズ(F2.4、焦点距離70mm、光学3倍ズーム、OIS)
AI機能はGalaxy AIに対応しており、PDFや手書きメモの翻訳/要約、録音音声の文字起こし、リスニングモード(外国語リアルタイムの文字起こしと翻訳)、リアルタイム通訳、かこって検索、画像内のオブジェクトのリサイズ・削除・再配置、ポートレートスタジオ(アバター作成)、AIスケッチ(簡単なスケッチでリアルな画像を生成)などに対応しており、高速処理が可能です。
実際にGalaxy Z Fold6を使ってみると、前機種のGalaxy Z Fold5とは見た目はそれほど違いがありませんが、細かい部分が機能アップしています。スペック的に本体が薄く軽量になったことはもちろん、通信でデュアルeSIMに対応している点は個人的に嬉しいポイントで、海外などでeSIMを短期で追加したい場合に日本で使っているeSIMを生かしたまま、海外eSIMをオンにすることができます。
またカバーディスプレイのサイズが6.2インチから6.3インチに大型化したため、折りたたんだ状態での使い勝手が向上しました。Galaxy Z Fold5はカバーディスプレイが細長い感じでしたが、Galaxy Z Fold6ではより通常のスマホに近い感覚になりました。さらにディスプレイの最大輝度がGalaxy Z Fold5の1750nitsからGalaxy Z Fold6では2600nitsに向上して視認性もアップしています。カメラに関しても光学相当2倍ズームが追加されており、2倍ズームでの撮影が1倍と3倍と比べて遜色ない画質が利用できるようになり便利になりました。
販売に関しては日本ではSamsungの日本法人であるサムスン電子ジャパンが販売するメーカー版に加え、NTTドコモとauから発売され、価格は2024年8月時点で以下の通りで、販売されるモデルや本体色は各社で異なっており、詳細は以下の記事をご覧ください。なお、NTTドコモとauでは分割払いと返却を前提とした残価を免除する施策に対応しています。
・Samsung、薄く軽くなった新フォルダブルスマホ「Galaxy Z Fold6」を発表!日本では7月31日発売、7月17日予約開始。価格は24万9800円から - S-MAX
・NTTドコモがGalaxy Z Fold6・Z Flip6・Watch Ultra・Watch7・Buds3・Buds3 Proを7月31日に発売!予約開始で価格も案内 - S-MAX
・auがGalaxy Z Fold6・Z Flip6・Watch Ultra・Watch7・Buds3・Buds3 Proの取扱を発表!7月31日発売、7月17日予約開始。価格も案内 - S-MAX
内蔵ストレージ | Galaxy Z Fold6 SM-F926Q (メーカー版) | Galaxy Z Fold6 SC-55E (NTTドコモ版) | Galaxy Z Fold6 SCG28 (au版) |
256GB | 249,800円 (シルバーシャドウ、ネイビー、クラフテッドブラック※、ホワイト※) | 275,990円 (シルバーシャドウ) | 269,800円 (シルバーシャドウ、ネイビー) |
512GB | 267,800円 (シルバーシャドウ) | 289,190円 (シルバーシャドウ) | 284,900円 (シルバーシャドウ) |
1TB | 303,800円 (シルバーシャドウ) | ー | 319,800円 (シルバーシャドウ) |
このようにGalaxy Z Fold6はFoldシリーズの6代目となり、前機種のGalaxy Z Fold5と比較してトピックとしては大きな進化はありませんが、全体的に性能や機能などが向上し、デザインも洗練されてブラッシュアップされており、使い勝手としても確実に使いやすくなっています。最大のネックはかなり高額な価格ですが、これまでフォルダブルスマホを使ったことのない人にもオススメできる機種に仕上がっていると感じています。
SAMSUNG
2024-08-30
記事執筆:伊藤浩一
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