IGZO技術を全面に推すCEATEC JAPAN 2016のSHARPブースを紹介!

千葉県の幕張メッセにて2016年10月4日(水)から10月7日(金)の4日間に渡ってIoT総合展示会「CEATEC JAPAN 2016」が開催されてます。昨年までのCEATEC JAPANはITやエレクトロニクス、その関連技術などの総合家電展示会として開催されていましたが、今年から新たにIoT(Internet of Things)の総合展示会として開催主旨が変更されました。

そんなCEATEC JAPAN 2016において今年8月に台湾・鴻海精密工業に買収されたシャープがブースを出展してましたので紹介したいと思います。最近ではIoTにAI(人工知能)を組み合わせた「AIoT」を推し進めている同社がどういった展示を行っているのでしょうか。

20161004_112439
参考展示されていた8Kディスプレイ

シャープの展示で特に目を惹いたのは、27インチの8K-HDRモニターです。「8K」とは7680×4320ドットの画素で構成されており、普及しつつある「4K」の4倍、一般的に普及している「フルHD」の16倍の画素数に当たります。リフレッシュレートは120Hzであり、1秒間に120フレーム描画することが可能です。

シャープブースで参考展示されていた「Free Form Display」は、シャープのIGZO技術を利用したディスプレイを自在な形で機材に組み込むことによってさまざまな場面に応用することが可能となります。

20161004_112225
縁がラウンド加工されていて狭額な「コーナー Rディスプレイ」


20161004_112241
三辺がフレーム以外画面で埋まっているかのように狭額縁なデモ機

さらに「Free Form Display(フリーフォームディスプレイ)」としてすでに実用化されているのが、「コーナー Rディスプレイ」です。展示されていたのは約5.2インチフルHD(1080×1920ドット)のスマートフォン(スマホ)向けのほか、円形や楕円形などがありました。

今までもシャープはソフトバンクから発売された「AQUOS CRYSTAL 305SH」など、さまざまな超狭額スマホを販売してきましたが、新たにコーナー Rディスプレイを展示していたことで、今後も同社ではこの様なディスプレイの周りの縁(ベゼル)を狭くした製品を投入していくのだと見られます。

20161004_112323

他にも「オーバルディスプレイ」や「サークルディスプレイ」が参考展示されていました。これらの特長的な形のディスプレイには、さまざまな情報を表示させることが可能です。

20161004_112337

またサークルディスプレイを活用した例として、「Dual UI」を展示されていました。画面周囲のダイヤルとタッチパネルを操作することで、エアコンや音楽の再生、音量調節、カーナビなどさまざまな機能を使用することができます。将来的には車載IoTデバイスへの活用が期待できそうです。

20161004_112546

その他、IGZOディスプレイの応用例として、1008ppi(1インチに1008ピクセル)の高精細パネルが展示されています。例えば、iPhone 7では326ppi、iPhone 7 Plusでは401ppiといった程度なのでかなり高精細なディスプレイとなり、ヘッドマウントディスプレイなどへの活用が期待されます。

20161004_112653
おしゃべりも可能とする「ココロエンジン」を搭載したCOCOROBO

シャープといえば、個性的な製品を世に出すことでも人気がありますが、今回展示されていたのは自動掃除機「COCOROBO(ココロボ)」。なんと、VOCALOID技術を活用し、COCOROBOが歌います。その上、シャープ公式ボカロ曲まで作成されており、さすが「目のつけどころがシャープ」ですね!

20161004_111957
さらにロボット型携帯電話「RoBoHoN(ロボホン)」のサービスとして発表された「お仕事パック」の具体例として「ロボホンレストラン」や「ロボホン観光」、「ロボホン見守りの」も紹介されていました。

ココロボやロボホンにも活用されているシャープのAI技術「ココロエンジン」とIoTを連携させ、今後は家電製品でも自動化や音声サポートなどを加速させていくようです。

20161004_112748
シャープ公式ボカロ曲「ALL*DAY*LUV」のPVの一場面。


20161004_111900
今後街角に増えそうな「ロールディスプレイ」

長きに渡って経営難となり、結果として台湾の受託生産世界一を誇る鴻海精密工業に買収されてしまったシャープ。買収された後でもIGZOディスプレイを中心として精力的に技術開発をしている姿を垣間見ることができました。

また液晶ディスプレイ分野は韓国勢との競争が激化しており、競い合うように技術を高め合っています。個人的にはいち日本人として、シャープのIGZOディスプレイがさまざまな製品に応用され、今後世間の身近なところに採用されるのが楽しみです。

記事執筆:雪華


■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
S-MAX - Facebookページ
シャープ 関連記事一覧 - S-MAX
シャープ株式会社
CEATEC JAPAN 2016 ( シーテック ジャパン 公式サイト )