一般の人でも購入OKな電波遮断シールドテント!軽量なテント式シールドルームなんていかが?

東京・お台場の東京ビッグサイトにて2017年5月24日(水)から5月26日(金)の3日間に渡ってIoTや無線通信、モバイルなどにの技術や製品、サービスに関連した展示会「ワイヤレスジャパン2017」が開催されました。

主催はリックテレコム・日本イージェイケイで、同時開催のイベントとして「ワイヤレスIoT EXPO2017」および「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017」、「運輸・交通システムエキスポ2017」、「ドローンソリューション&技術展2017」が併催されていました。

本記事では航空機関連機器や通信機器の部品などを製造しているメーカー「東京計器アビエーション」が展示していたパイプ組み立て式のテント型簡易シールドルーム「SR7010T」をブースの様子とともに紹介したいと思います。

【電波を発する機器を試験するための簡易設備】

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テント型簡易シールドルーム「SR7010T」(オプションフル装備)

SR7010Tは、特殊なシールドクロス素材を使用したパイプ組み立て式フレームのテント型シールドルーム(電波遮断テント)です。

構造としてはパイプを組み立ててフレームを作り、吊り下げるように外側のクロス材の布を取り付けることで設置します。高さ・奥行き・幅がそれぞれ2.0mのモデルの場合、10分〜20分間程度で設置が可能とのこと。

説明員によると、主な用途としては「電波法令の技術基準に適合(技術基準適合証明、いわゆる「技適マーク」)を取得していない電子機器のテストなどを行う」といったもので、価格は基本セット(フレームとクロス材の組み合わせで、2m四方モデルの場合)46万円からということです(要見積もり)。

性能としては500KHz(または150kHz)〜10GHzにおいて70dB以上減衰(電界/平面波)となっており、入り口を閉じた状態のシールドテント内部であれば、外部に電波を干渉しないため、技術基準適合証明を取っていない機器の電源を投入して電波を発しても電波法の違反となりません(大雑把な解説となりますが)。

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電波が漏れないようドアはピッタリと閉じるように

ただし、ただ単に外部との電波遮断に使うのであれば、基本セットのみでも問題はありませんが、本来の意味での利用(機器開発などに伴う機器の電波の試験を行う場合など)であれば、オプションの電波吸収体を購入する必要があります。なお、電波吸収体などのオプションをフルセットで購入する場合は約200万円とのこと。

電波吸収体がない場合は外部への電波が漏れないというだけで、状態としては「狭い部屋にいる状態で電波が壁に反射している状態での圏外」となり、電波吸収体がテント内部に設置されている場合は「電波が吸収され、電波は反射しないで無限にまっすぐ出続けている広い場所に場所における圏外」となり、本格的な評価やテストを行う環境であれば、こちらの電波吸収体は必須のものとなります。

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テント内部。壁一面の青い突起状のものが電波吸収体(スポンジ素材に特殊な染料が塗られている)

単なる「外部から電波的に遮断された環境」が欲しい場合は基本セットのみで十分ですが、製品開発や本格的な電波の試験やテストをする場合であれば、オプション込みで一式購入する必要があるということになります。

電波関連における評価試験などを行いたいという企業や個人の方は是非問い合わせてみてはいかがでしょうか。また、東京計器アビエーションでは今回紹介したテント型のシールドルームのほかにも台車がついていて移動できるタイプのものやメッシュ構造に完全な据え置きタイプの本格的なものから、ボックスタイプで外から手を入れるだけのシールドボックスなどの電磁波シールドルームを揃えているということです。

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ブース内に展示されていたパネル


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パネル設置タイプの新型も準備しているという


【個人でも買える簡易電波遮断ルーム!】

ここまで読まれた通り、完全に法人や関連する団体向けのシールドテントですが、これまでにも個人で購入された方が少ないながらもいたということです。

個人で購入された方の用途としては「電波の一切入らない寝室にして眠りたい」といったものから“技術基準適合証明(技適マーク)のない機器を持ち込んで使いたい”というものまであったそうです。

企業や団体ならまだしも、個人で買うとなると相当に高いアイテムとなりますが、それでもやむを得ず海外の技適マークのないスマートフォン(スマホ)やタブレットなどを使うといったときでも大々的に使っても許されるアイテムになります。

ハードルはかなり高いアイテムですが、是非買ってみたいという挑戦者をお待ちしております!?

記事執筆:河童丸


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