Googleの新スマホ「Pixel 3」および「Pixel 3 XL」のカメラ機能を紹介!

日本では3年ぶりとなるGoogleの新しいスマートフォン(スマホ)「Pixel 3」および「Pixel 3 XL」が11月1日に発売された。この「Pixel」シリーズ第3弾のテーマは「AI×Software×Hardware」。

そんなAI(人工知能)を十分に活用している機能のひとつがPixel 3・3 XLのカメラ機能で、Googleの発表会でも「HDR+」や「ポートレートモード」、「トップショット」、「超解像ズーム」といった機能が紹介されていた。

そしてグーグル(以下、Google Japan)は16日、Pixel 3・3 XLにAIを利用したカメラの新機能「夜景モード」が追加されたことを案内している。これにより、Pixel 3・3 XLにて暗い場所でフラッシュや三脚がなくても鮮やかで精細な写真を撮影可能となったとしている。

夜景モードは11月16日以降の数日以内にPixelシリーズにて利用可能となるとし、背面のリアカメラだけでなく前面のフロントカメラでも対応しているとのことだ。編集部にあるPixel 3・3 XLにも程なく夜景モードが追加されたので、今回はPixel 3・3 XLのカメラでの撮影を試してみた。

【「カメラ」アプリの操作性や設定】

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カメラアプリの撮影画面(画像=左)。ユーザーインターフェース(UI)は他社製品と似たスワイプするとカメラや動画、モード切替、パノラマなどの機能が変わるタイプで、モード切替のところに「設定」もある

まずはPixel 3・3 XLのカメラ仕様について振り返っておく。両機種のカメラの仕様および機能は共通となっており、背面にあるリアカメラはF1.8レンズ(画角76°)+約1220万画素デュアルピクセルセンサー(1画素1.4μm)のシングルカメラで、前面にあるフロントカメラはF1.8/画角75°の標準レンズとF2.2/画角97°の広角レンズのデュアルカメラだ。

フロントカメラのセンサーはともに約800万画素CMOSで、リアカメラ・フロントカメラともにAIを活用してより綺麗な写真が撮影可能となっている。またリアカメラは流行りのマルチカメラではないものの、AI によってデジタルズームでもぼやけずに写真が鮮明に保たれる超解像ズームなどに対応している。

また最適なシャッターチャンスを綺麗に撮影でき、おすすめのベストショットを選択してくれ、夜景モードでは「iPhone XS」との比較が発表会やGoogle Japanのブログでも紹介されいた。夜景モードではAIによって被写体の色を補正し、フラッシュや三脚なしでもより明るい写真が撮影可能としている。

なお、リアカメラはコントラストオートフォーカス・像面位相差オートフォーカス(PDAF)や光学式・電子式手ぶれ補正に対応し、最大4K・30fpsまたは1080p・120fpsの動画撮影に対応し、フロントカメラは広角レンズによって友だちや家族などと複数人でグルーフィー(ウィーィー)もしやすい。

カメラアプリは起動直後は写真が撮影できる「写真」となっており、さらにiPhoneシリーズなどと同じでスワイプする(縦画面では横になぞる・横画面では縦になぞる)と「動画」や「ポートレート」、「パノラマ」、「その他」に切り替わる。その他に新たに追加された夜景モードや設定などがある。

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設定画面では「Googleレンズの候補」や「グリッドの種類」、写真・動画の解像度(保存サイズ)、動画の手ぶれ補正オン・オフなどが並ぶ


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詳細設定には「レンズ汚れの警告を表示」や「HDR+コントロール」、「RAW+JPEGの管理」、「動画の保存容量を節約」が並ぶ。動画の保存容量を節約すると、ファイル形式がH.264/AVCからH.265/HEVCに変更される。操作ではカメラアプリのファインダー画面で音量ボタンとダブルタップの操作を変更可能

その他には夜景モードと設定のほか、楽しいキャラクターやキャプションで現実の世界を遊び場に変えることができるARステッカー「Playgournd」やスローモーションムービーが撮影できる「スロモ録画」、「フォトブース」、「360°パノラマ」、「レンズ」がある。

また縦持ちにおける上部に左から「タイマー」および「HDR+」、「保存形式」(「JPEGのみ」または「JPEG+RAW」)「モーション」、「ホワイトバランス」、「フラッシュ」の設定があり、これらは手軽に変更可能だ。

基本的にはすべてオートでシャッターボタンを押せば良いようになっているため、こだわりがなければ初期設定のままで良いように思うが、フラッシュやタイマーのオン・オフなどは適宜変更し、さらに右下にある明るさ調整も暗かったりする場合は変更すると良いだろう。

その他、Pixel 3・3 XLの全体の設定における「システム」→「操作」にて「カメラの起動」をオンにすれば、電源キー2回押しで素早くカメラアプリを起動できるのは、Androidの標準機能ながら特に仕様がいじられておらずロック画面を含めてどの状態からでも起動できるのは便利だ。

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「設定」→「システム」→「操作」→「カメラの起動」をオンにすれば、電源キー2回押しで素早くカメラアプリを起動可能


【Pixel 3・3 XLのカメラ撮影例】

それでは以下にPixel 3・3XLのリアカメラで撮影した写真を掲載する。特に注記がない限りは設定は購入時にままで、シャッターボタンを押しただけで撮影している。また保存形式もJPEGのみで、リンク先に撮影した写真の画像そのままを掲載している。

○通常撮影

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秋の風景

まずはオートで通常撮影してみた。朝の秋の風景ではイチョウの紅葉の黄色や木々の緑色、そして、ビル街の風景でも青空などの色味はきちんと出ており、綺麗に撮れているのがわかる。晴天の屋外よりも明るさが劣る室内でも花の色もしっかりしているように思われた。

なお、Pixel 3・3 XLはともに外でも見やすいと思われる発色が良く輝度・コントラストが高い有機EL(OLED)を採用しているものの、撮影中のディスプレイ上では浅い感じや暗い感じがしていたが、撮影後に確認してみるとしっかり解像感が出ているし、色相もきちと強く出ていた。

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ビル街の青空


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ケーキ


○HDR+

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左からHDRオフ/HDR+オン/HDR拡張

続いてHDR撮影について。HDRについては直近に『秋吉 健のArcaic Singularity:最近よく聞く「HDR」って、なんだ?スマホのディスプレイ仕様やカメラ機能で登場するHDRという技術について分かりやすく解説【コラム】 - S-MAX』を公開しているので参考にしてみて欲しい。基本的にオートHDR+にしておき、HDRを利用したくない場合にHDRオフにするといった使い方で良いように思う。

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○超解像ズーム

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超解像ズームの標準(1倍)と最大ズーム比較。キーボードではこれくらい寄れるというもので、屋外の写真は早朝~午前中のもの。おおよそ7倍ズームくらいだが、SNSなどのWeb利用ならそこそこ実用的なように思われる。

HUAWEI P20 Proでは望遠レンズによる光学3倍ズームに加え、超解像ズームのような劣化のない5倍までのハイブリッドズームも対応しているが、Pixel 3・3 XLの超解像ズームでも普段使いくらいなら十分だと思う人も多そうだ。

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超解像ズーム作例2・3


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超解像ズーム作例4・5


○夜景モード

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Pixel 3・3 XLにおけるオート(写真=左)と夜景モード(写真=右)の比較

Pixel 3・3 XLの夜景モードの作例を見ていこう。スマホカメラで夜景撮影と言えば、やはり今夏モデルのHUAWEI P20 Proが圧倒的なインパクトがあったように思われるが、Pixel 3・3 XLの夜景モードもなかなか強力となっている。

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同じくPixel 3・3 XLにおけるオート(写真=左)と夜景モード(写真=右)の比較


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夜景モードの作例3・4


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夜景モードの作例5

HUAWEI P20 Proの夜景モードが全体的に明るくして色相をアップさせ、ディテールをはっきりさせて“SNS映え”する綺麗な夜景が撮れるのに対し、Pixel 3・3 XLの夜景モードはシャープな質感とコントラストで引き締まった昼間と同じ質感の絵が撮れるといった印象だ。

つまり、Pixel 3・3 XLの夜景モードではHUAWEI P20 Proの「夜景をキレイに撮る」モードというよりも「夜景という別の写真が撮れる」モードという感じだ。どちらが良いというわけではないが、どちらも肉眼で見たものとは異なっているものの、何を重視するかの違いだと思われる。

ネオン街のような光源がたくさんあるような夜景であれば、SNS映えが良いHUAWEI P20 Proのほうがインパクトのある綺麗な写真が撮れるが、一方でより暗い場所では黒(シャドウ部)の引き締まりが強いPixel 3・3 XLのほうがしっかりした夜の写真が撮れそうだ。

○ムービー


最後にPixel 3・3 XLの動画撮影についても紹介しておく。動画撮影の手ぶれ補正もかなり強力でスタビライザーがなく手持ちでも十分に安定した動画が撮影可能だ。

また2022年1月31日までの期間限定ながらGoogleフォトの「元のまま保存する」が無制限で利用できるため、外部ストレージスロットを搭載していないものの、手軽にPixel 3・3 XL外に出せるのも大きなメリットだろう。











記事執筆:memn0ck


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